ブルックラディ蒸留所は、1881年に創業したアイラ島西岸の蒸留所である。
アイラモルトでありながらノンピートタイプを主力とし、
原料の産地や個性を重視したウイスキー造りで知られている。
また、ポートシャーロットやオクトモアといった個性的なブランドも手掛けている。
ここではブルックラディ蒸留所の歴史や特徴を解説する。
●ブルックラディ蒸留所とは
ブルックラディ蒸留所の基礎データを見てみよう。
・基礎データ、場所

- 蒸留所名:ブルックラディ蒸留所
- 英 字:Bruichaladdich
- 意 味:ゲール語で「海辺の丘の斜面」の意
- 創 業:1881年
- 仕込み水:丘の上の貯水池
- 蒸留器 :ストレート型
- 現所有者:レミーコアントロー社
- 輸入元 :レミー コアントロー ジャパン(株)
アイラ島の西部にある蒸溜所。
インダール湾の対岸にはボウモア蒸留所が見える。
1994年に生産が停止し、2000年に所有者が変わって、翌年から操業が再開した。
・特徴
-味わい
伝統的にピートを焚かないため、豊かなモルトの味わいが楽しめる。
ピートを焚かいないのは創業時に石炭が燃料として調達できたため。
別商品としてピートを焚いたものも造っている。
中程度のピートでは「ポートシャーロット」、
ヘビーピートのものは「オクトモア」である。

-操業再開
2000年に所有者が変わり、2001年から生産が再開されたブルックラディ蒸留所。
所有者は共同事業体でという形で、地域の地主やワイン商、
ボウモアの元所長が名を連ねる。
統括責任者にはボウモアの元所長であるジム・マッキューワン氏が就いた。
ワイン商であるマーク・レイニエー氏の提案で
「テロワール」という概念が持ち込まれた。
テロワールとは、生産地に対するこだわりを意味し、
フランスでのワイン造りに端を発する。
ブルックラディ蒸留所では、大麦をスコットランド産にし、
瓶詰め装置を導入し、生産地にこだわりを持ったウイスキー造りに努めている。
-ブランド
ブルックラディ蒸留所では、
「ブルックラディ」「ポートシャーロット」「オクトモア」の
3つのブランドを展開している。
主な違いはピートの強さ、つまりフェノール値である。
ピートを焚くと、フェノールという物質が出る。
乾燥時に麦芽が吸収したフェノールの量をppmという単位で表している。

「ブルックラディ」は伝統的な、ピートを焚かないノンピート商品である。
「ポートシャーロット」は、
一般的なアイラモルトと同じくらいの20~50ppm程度。
ブルックラディ蒸留所から少し離れた場所に
ポートシャーロットという名前の村がある。
そこにはかつて「ロッホインダール」という蒸留所があった。
「オクトモア」は、ヘビーピーテッドの商品で、
フェノール値80~300ppmである。
フェノール値、世界最強といわれ、
普通のピート香には満足できない人には堪らないだろう。
ポートシャーロット村には「オクトモア」という名前の蒸留所もあり、
その名が付けられている。
このようにフェノール値でブランドを変えるスタイルは、
スプリングバンクを参考にしたようだ。
スプリングバンク蒸留所は、ヘビーピートの「ロングロウ」、
ノンピートの「ヘーゼルバーン」という、ブランドを展開している。
従来ブランドの伝統を守りつつ、別ブランドの展開で新しい試みを行う、
優れたスタイルだ。
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●あとがき
操業が再開されて20年以上が経過した。
やはり長い歴史を持つ蒸留所が閉鎖されるのは悲しい。
これからも復活する蒸留所は出てくるはずなので、
ブルックラディ蒸留所の取り組みが参考になる。
ただ再開すれば、生き残れるという訳ではないので、
ぜひ他の蒸留所もあとに続いてほしい。


