ジュラ蒸留所は、スコットランド西海岸のジュラ島にある蒸留所。
人口約200人に対し数千頭の鹿が生息するといわれる自然豊かな島で、
島唯一の蒸留所として地域を支えてきた。
軽やかで飲みやすい酒質からスモーキーなタイプまで幅広いウイスキーを造っている。
ここではジュラ蒸留所の歴史や特徴を解説する。
●ジュラ蒸留所とは
まずジュラ蒸留所の基礎データを見てみよう。
・基礎データ、場所

- 蒸留所名:ジュラ蒸留所
- 英 字:Jura
- 意 味:ヴァイキングの言葉で「鹿の島」という意
- 創 業:(1810年)1963年
- 仕込み水:マーケット湖
- 蒸留器 :ランタン型
- 現所有者:エンペラドール・ディスティラーズ社(フィリピンの企業)
- 輸入元 :コルドンヴェール(株)
ジュラ島にある唯一の蒸留所。
ジュラ島はアイラ海峡を挟んだアイラ島と、フェリーで10分程度の距離にある。
ジュラ島へはアイラ島から出るフェリーでしか上陸手段がない。
島の人口は200人程度で、繁華街などの観光施設はほとんどない。
あるのは静かで荒涼とした自然と、
5000頭(人口の25倍)を超える鹿(レッドディアー)のみ。
唯一の村にある、唯一のホテルはジュラ蒸留所の前にある。
ちなみに地質時代区分のジュラ紀とは全く関係ない。
ジュラ紀は、フランスとスイスの国境にあるジュラ山脈の地質年代から名付けられたもの。
「ジュラシックパーク」を直訳すると「ジュラ紀の公園」となる。

・特徴
-味わい
わずかにスモーキーで麦芽っぽく、ライトでドライな味わい。
ピートを焚いていないが、仕込み水がピート層を通るため、香りが付いている。
ランタン型のポットスチルで、
ヘッドを長くすることでライトな味わいを特徴付けている。
-経緯
ジュラ蒸留所は1963年に新設されている。
前身は1810年創業のスモール・アイランズ蒸留所である。
アーチボルド・キャンベルという当時の地主によって建てられた。

1875年にオーナーがジェームズ・ファーガソンに変わったが、
地主と契約金のことで喧嘩してしまい、
1920年までに設備を撤去し完全閉鎖される。
人口が減り続ける島を憂いて、
2人の地主(ロビン・フレッチャーとフランク・ライリー・スミス)が
地域再生、雇用促進のために蒸留所を再建したのが1963年である。
ジュラ島は岩だらけで土地がやせていて、農地として使えるのは東海岸の一部しかない。
密造時代からの経験を活かして、ウイスキー造りをするしかなかったのだろう。
1980年代に入ると、オーナーはホワイト&マッカイ社に変わり、
ブレンデッドウイスキー「ホワイト&マッカイ」用としても生産を拡大させる。
現在では島民の2割弱が蒸留所勤めであり、雇用が守られている。

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●あとがき
蒸留所運営において、オーナーは最重要である。
地主ともめて閉鎖していしまうような人がオーナーになってしまうと大変だろうと思う。
資金力と先見性があり、長期的な視点で運営できることが理想である。
しかしウイスキーの熟成と同様に、できてみないとわからないというのが、実際のところだろう。


