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ウォッカのつくり方を徹底解説!何回蒸留する?何回濾過する?

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 ウォッカは、小麦やジャガイモなどの原料を発酵させ、
蒸留・精留することで高純度のエタノールを造り、
そこに水を加えて仕上げるお酒である。

 では、ウォッカは何回蒸留するのだろうか。
また、何回濾過すればウォッカになるのだろうか。

 実際の製造方法は商品によって異なり、
蒸留や濾過の回数だけで品質が決まるわけではない
ここでは、原料がエタノールになるまでの工程から、
蒸留・精留、濾過、加水まで、ウォッカが造られる基本的な流れを見ていく。

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ウォッカはどうやって造られる?

 ウォッカは、原料を発酵させてエタノールを造り、
それを蒸留・精留して高純度のエタノールにした後、
水を加えて製品に仕上げる。
さらに、製品によっては加水後に再度濾過などの処理を行うものもある。

・ウォッカができるまでの基本的な流れ

 ウォッカの代表的な製造工程は、次のようになる。

  1. 原料
  2. 糖化
  3. 発酵
  4. 蒸留・精留
  5. 濾過・処理
  6. 加水
  7. 瓶詰め

 ただし、これはすべてのウォッカに共通する固定された順序ではない
蒸留方法や濾過方法、濾過を行うタイミングなどは製品によって異なる。

 ここからは、それぞれの工程を順に見ていく。

・原料を糖に変える

ジャガイモ
DmitriyによるPixabayからの画像

 小麦やライ麦、ジャガイモなど、デンプンを多く含む原料を使う場合は、
まずデンプンを酵素によって分解し、発酵に利用できる糖に変える。
この工程が糖化である。

 一方、廃糖蜜やブドウなど、もともと糖を含む原料では、
糖化を必要としない場合もある

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・発酵させてエタノールを造る

発酵
KaffeesüchtigによるPixabayからの画像

 糖化した原料や、もともと糖を含む原料に酵母を加えると、
酵母が糖を利用してエタノールを生成する

 この段階で得られるのはアルコール度数8~12%程度の発酵液であり、
まだウォッカではない。
次の蒸留によってエタノールを濃縮し、
ウォッカのベースとなる高純度のエタノールを得る。

・蒸留・精留して高純度のエタノールを得る

蒸留
Eckehard JagdmannによるPixabayからの画像

 発酵液にはエタノールだけでなく、
水やさまざまな発酵副産物が含まれている。
そこで蒸留によってエタノールを濃縮し、
さらに精留によって不要な成分を取り除きながら純度を高めていく。

 ウォッカでは、この蒸留・精留が重要な工程となる。
特に連続式蒸留機を使って高純度のエタノールを得る方法が一般的だが、
製品によっては単式蒸留器を使う場合もある

 この後、必要に応じて濾過などの処理を行い、
水を加えて最終的なアルコール度数に調整する。

ウォッカは何回蒸留する?

数字
AlicjaによるPixabayからの画像

 ウォッカの製造では、発酵液を蒸留してエタノールを濃縮する。
さらに精留によってエタノールの純度を高め、
ウォッカのベースとなる高純度のエタノールを得る。

 では、ウォッカは何回蒸留するのだろうか。

・連続式蒸留機による蒸留・精留

回数
Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

 ウォッカでは、連続式蒸留機を使って蒸留・精留する方法が一般的である。
連続式蒸留機では、発酵液を連続的に供給しながら、
蒸発と凝縮を繰り返してエタノールを濃縮していく。

 この方法では、単式蒸留器のように「1回蒸留して、もう1回蒸留する」
という数え方をそのまま当てはめることができない。
蒸留塔の中で蒸発と凝縮が繰り返されるためである。

 そのため、ウォッカについて
「3回蒸留」「5回蒸留」などと表示されていても、
製品によってその意味は異なる
単純に回数だけを比較するのではなく、
どのような蒸留設備や方法を使っているのかを見る必要がある。

 なお、製品によっては単式蒸留器を使って造られるウォッカもある。
連続式蒸留と単式蒸留を組み合わせるなど、
製造方法は商品によって異なる。

・蒸留回数が多いほど良いわけではない

○×
SarahCultureによるPixabayからの画像

 「何回も蒸留したウォッカほど純度が高く、おいしい」と考えたくなるが、
蒸留回数だけでウォッカの品質を判断することはできない

 蒸留によってどの成分を取り除くかは、
蒸留設備や精留の方法、蒸留条件などによって変わる。
連続式蒸留では、蒸留塔の構造や操作によって、
高い純度のエタノールを得ることもできる。

 そのため、「3回蒸留」と「1回蒸留」を単純に比較して、
前者のほうが必ず優れているとはいえない。

 蒸留回数はウォッカの製造方法を知るための一つの情報ではあるが、
それだけで製品の優劣を判断するための数字ではない

ウォッカはなぜ濾過する?

濾過
Tehzeeb KazmiによるPixabayからの画像

 ウォッカの製造では、活性炭などによる濾過が行われることがある。
ただし、濾過はウォッカを名乗るための必須工程ではない
蒸留・精留の段階で原料由来の成分や発酵副産物を低減し、
その後の濾過を行わずに仕上げることも可能である。

 蒸留・精留によって高純度のエタノールを得た後、
ウォッカでは濾過を行うことがある。
濾過には、蒸留後に残る成分を取り除いたり、
香味を整えたりする目的がある。

 特にウォッカでは、炭や白樺を利用した濾過がよく知られている。
ただし、使用する炭の種類や濾過方法は商品によって異なる。
そもそも濾過を行わない製品もあることを知っておくよいだろう。

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・活性炭による濾過

活性炭
HansによるPixabayからの画像

 活性炭は、内部に非常に細かな孔を持ち、
さまざまな物質を表面に吸着する性質がある。
この性質を利用して、エタノールに含まれる一部の成分を取り除く。

 ウォッカの濾過では、活性炭を通すことで蒸留後に残った成分を減らし、
よりすっきりした香味に整える方法がある。

 ただし、活性炭がすべての成分を取り除くわけではない。
また、どの成分をどの程度取り除くかは、炭の種類や処理方法、
濾過条件によって変わる。

・白樺炭や竹炭などを使った濾過

白樺の木
IrinaによるPixabayからの画像

 白樺、竹、オーク、ココナッツ殻などを原料とした炭が使われることがある。
さらに、その炭を活性化処理して吸着性能を高めた「活性炭」
濾過に使われる場合もある。

 ここで注意したいのが、「活性炭」と「白樺炭」は
同じ分類の言葉ではないという点である。
活性炭は吸着性能を高めるよう処理した炭を指すのに対し、
白樺炭は炭の原料となる樹木の種類を表している。
そのため、白樺を原料にした活性炭も存在する。

 では、なぜ白樺が使われるのだろうか。
白樺は、細かな孔を持つ炭を作りやすく、
昔から蒸留酒の濾過に利用されてきた。
特にロシアなどでは、白樺炭を使ったウォッカの濾過が
伝統的な製法として知られている。

 一方、現在のウォッカでは竹炭など、
白樺以外の原料から作った炭を使う製品もある。
例えば、日本のウォッカにも竹炭濾過を採用した製品がある。

 このように、ウォッカの濾過に使われる炭は白樺に限定されず
製品によってさまざまな種類が使われている。

・炭以外の濾過方法もある

繊維
Engin AkyurtによるPixabayからの画像

 ウォッカの濾過は、炭だけを使うとは限らない。
製品によってはセルロース系のフィルターや石英砂など、
異なる濾過材を使うこともある。
また、複数の濾過方法を組み合わせる場合もある。

 そのため、「ウォッカ=活性炭で濾過するお酒」と考えるのではなく、
蒸留後のエタノールをどのような方法で処理するかは、
製品によって異なると考えたほうがよい。

ウォッカは何回濾過する?

サイコロ
Jake ParkinsonによるPixabayからの画像

 ウォッカの濾過は、製品によって回数や方法が異なる。
1回の濾過で仕上げるものもあれば、複数回の濾過を行うものもあり、
異なる濾過材を組み合わせる場合もある。
そのため、「ウォッカは何回濾過するのか」という問いに、一律の答えはない。

・濾過回数は商品によって異なる

繰り返し
Peggy und Marco Lachmann-AnkeによるPixabayからの画像

 メーカーによっては、ウォッカの濾過回数を製法の特徴として公表している。
例えば「○回濾過」という形で回数を明記する商品がある一方、
回数ではなく「活性炭濾過」「竹炭濾過」「セルロースフィルター」など、
使用する濾過材や方法を説明する商品もある。

 また、複数の濾過工程を組み合わせる場合には、
単純に「何回」と数えるだけでは製法の違いを比較しにくいこともある。

 なお、無濾過のウォッカも存在する。
スウェーデンのPurity Vodkaは、
長時間にわたる銅との接触を伴う独自の蒸留によってスピリッツを精製し、
濾過に頼らずに仕上げることを特徴としている。
つまり、濾過によって成分を取り除くのではなく、
蒸留工程を重視することで仕上がりを整えるという考え方である。

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・濾過回数が多いほど良いわけではない

数
Gerd AltmannによるPixabayからの画像

 濾過についても、蒸留と同じく「回数が多いほど品質が高い」とは限らない。
濾過の目的は、蒸留後に残る成分を取り除いたり、
香味を整えたりすることである。
どの成分をどの程度取り除くかは、濾過材や濾過条件によって変わる。

 濾過を繰り返せば必ずウォッカが良くなるわけではなく
製品が目指す香味や製法に応じて濾過方法が選ばれている。

 したがって、濾過回数は品質を順位付けするための数字ではなく
そのウォッカがどのような製法で造られているかを知るための情報の一つなのである。

・ウォッカの蒸留・濾過回数を比較する

 代表的なウォッカについて、
メーカーが公表している蒸留・濾過方法を比較すると、次のようになる。

商品国・地域主な原料蒸留濾過
GREY GOOSEフランス小麦1回1回(セルロース+活性炭)
SMIRNOFFアメリカトウモロコシ3回10回(白樺活性炭)
SKYYアメリカ4回3回
CÎROCフランスブドウ5回
HAKU〈白〉日本国産米100%単式+連続式竹炭
Absolut Vodkaスウェーデン冬小麦連続式
Finlandiaフィンランド大麦200回を超える蒸留工程
Belvedere 10ポーランドライ麦4回

 メーカーによって製造工程の表現方法が異なるため、
単純に数字だけを比較することはできない
特に連続式蒸留を採用する商品では、
「何回蒸留したか」という表現そのものが、
単式蒸留器を何回通したかという意味とは異なる。

 GREY GOOSEはフランス産の小麦と水を使用し、
1回の蒸留と、セルロースと活性炭による1回の濾過を行っている。

 SMIRNOFFは3回蒸留した後、白樺活性炭による10回の濾過を行う。

 SKYYは4回蒸留した後、カリフォルニア産の石灰岩による3回の濾過を行う。

 CÎROCはフランス産のブドウを原料とし、
連続式蒸留機による4回の蒸留に続いて、銅製の単式蒸留器で5回目の蒸留を行う。

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 HAKU〈白〉は国産米100%のライススピリッツを原料とし、
異なるタイプの原料酒をつくり分けてブレンドした後、
竹炭による濾過を行っている。
蒸留工程については単式蒸留と連続式蒸留を組み合わせている。

 Absolut Vodkaはスウェーデン南部のオーフスで製造され、
冬小麦を原料とする。
蒸留は連続式で行われており、
メーカーは通常の「3回、4回」といった数え方ではなく、
連続蒸留による製法を説明している。

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 Finlandiaはフィンランド産の大麦を原料とし、
200回を超える蒸留工程を50時間以上かけて行うとメーカーが説明している。
これは、連続式蒸留における「蒸留回数」が、
単純な蒸留器の使用回数とは異なることを示す例でもある。

 Belvedere 10はポーランド北東部で栽培されたダイヤモンド・ライを使用し、
4回蒸留した後、10か月熟成させる製法である。
メーカー公式情報では、この製品について具体的な濾過回数は確認できない。

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 このように、ウォッカには「3回」「5回」といった
明確な蒸留回数を示す商品がある一方、
連続式蒸留を採用して回数を単純に示さない商品や、
200回を超える蒸留工程を公表する商品もある。
また、濾過についても回数を公表する商品と、
使用する素材だけを公表する商品がある。

 したがって、蒸留回数や濾過回数の多さだけで
ウォッカの品質を判断することはできない。
製造方法を比較するときは、
蒸留方式や濾過素材なども含めて見る必要がある

ウォッカに水を加えて仕上げる

水
AnjaによるPixabayからの画像

 蒸留・精留や濾過を終えたウォッカは、そのまま瓶詰めされるわけではない。
一般的には、水を加えてアルコール度数を調整してから製品として仕上げる。

・加水してアルコール度数を調整する

井戸
mh-grafikによるPixabayからの画像

 蒸留・精留によって得られるエタノールは、
製品として販売されるウォッカよりも
はるかに高いアルコール濃度になっている。
そのため、水を加えて40%前後など、
製品ごとに定められたアルコール度数まで下げる。

 このときに使用する水も、ウォッカの製造における重要な要素である。
メーカーによって、地下水や湧水、天然水など
それぞれ異なる水を使用している。

 なお、水源から取った水をそのまま使用するとは限らない。
例えばGREY GOOSEでは、フランス・コニャック地方の
自社井戸から採取した湧水が石灰岩によって自然に濾過された後、
さらに二重の逆浸透膜処理を施してからウォッカに加えている。
水源だけでなく、その後の水処理方法もメーカーによって異なる。

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・加水後に濾過する場合もある

分かれ道
MichaによるPixabayからの画像

 水を加えてアルコール度数を調整した後、
さらに濾過してから瓶詰めする製品もある。

 一方で、濾過をどの段階で行うかは製品によって異なる。
蒸留後に濾過する場合もあれば、
加水後に最終的な濾過を行う場合もあるため、
「ウォッカは必ずこの順番で濾過する」とは決まっていない。

 ここまで見てきたように、ウォッカの製造工程は、
原料を発酵させ、蒸留・精留によってエタノールの純度を高め、
必要に応じて濾過などの処理を行い、
水を加えて製品として仕上げるという流れである。

 メーカーによって蒸留方式や回数、濾過方法、
使用する水などが異なるため、
同じウォッカでも製造方法にはさまざまな違いがある。

まとめ

ウォッカ
Shiuli DebnathによるPixabayからの画像

 ウォッカは、小麦やジャガイモ、トウモロコシなどの原料を
発酵させてエタノールを造り、蒸留・精留によってアルコールの純度を高め、
濾過や加水などの工程を経て仕上げられる。

 蒸留回数は製品によって異なり、
3回、5回などの蒸留回数を公表している商品がある一方、
連続式蒸留によって回数を単純に示さない商品もある。
また、フィンランディアのように
200回を超える蒸留工程を公表している商品もある。

 濾過についても、白樺活性炭、竹炭、セルロース、石灰岩など、
さまざまな方法や素材が使われており、
濾過回数を公表している商品もあれば、
具体的な回数を公表していない商品もある。

 したがって、「何回蒸留すればウォッカになる」
「何回濾過すれば良いウォッカになる」という決まった基準はない

蒸留や濾過の回数だけで品質を判断するのではなく、
蒸留方式、濾過方法、原料、水などを含めて製造方法を見ることが重要である。

あとがき

 日本酒の無濾過や、ウイスキーのノンチルフィルタードなどあるが、
ウォッカの濾過はその商品を決定づける重要な工程である。
他の酒類よりもその意味合いが重い。
ウォッカを知りたければ、蒸留と濾過を知るべし。