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ウォッカの定義とは?EU・アメリカ・日本の定義から詳しく解説

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 ウォッカは、穀物やじゃがいもなどを原料とする蒸留酒。
無色透明でクセの少ないお酒として知られるが、その定義は国によって異なる。

 ここでは、EU・アメリカ・日本におけるウォッカの定義と扱いを比較しながら、
ウォッカとはどのようなお酒なのかを詳しく解説する。

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●ウォッカとは何か?

ウォッカ
MałgorzataによるPixabayからの画像

 ウォッカは、穀物やじゃがいもなどの農産物を原料として造られる蒸留酒である。
高いアルコール度数と、原料由来の香味を抑えたニュートラルな酒質が特徴となる。

 EUでは、ウォッカを以下のように定義しており、最低アルコール度数は37.5%とされている。
「じゃがいも・穀類、またはその他の農産原料から得た農業由来エチルアルコールを原料とするスピリッツ」

 日本では、ウォッカは酒税法上の独立した品目ではなく、
「スピリッツ」に分類される。

 このように、ウォッカは一般的なお酒の分類と、
各国の法令上の定義を分けて考える必要がある。
ここではまず、原料や色、種類などウォッカの基本的な特徴を見ていく。

・ウォッカは何から造られる?

穀物
congerdesignによるPixabayからの画像

 ウォッカの原料には、穀物やじゃがいもなどの農産物が使われる。
代表的なものは小麦、ライ麦、トウモロコシ、じゃがいもなど。

 ただし、ウォッカの原料を「じゃがいも」と限定するのは誤りである。
EUの規則でも、じゃがいもや穀類のほか、
その他の農産原料から造られるウォッカが定義されている。

 原料はまず発酵によってアルコールを生成し、
その後の蒸留によってウォッカのベースとなるアルコールが造られる。
原料の種類だけでなく、蒸留や精製の方法も最終的な酒質に関係する。

 -穀物やじゃがいもが主な原料

とうもろこし
Robert BalogによるPixabayからの画像

 ウォッカの原料には、小麦やライ麦、トウモロコシなどの穀物や、じゃがいもが使われる。
ほかの農産原料を使うこともある。

 EUでは、ウォッカの原料となる農業由来エチルアルコールについて、
じゃがいも・穀類、またはその他の農産原料を認めている。
つまり、ウォッカの原料は特定の一種類に限定されない。

 原料に含まれるデンプンなどを発酵可能な糖に変え、
酵母によってアルコールを生成した後、
蒸留によってウォッカのベースとなるアルコールを高める。
そのため、「ウォッカ=じゃがいもの蒸留酒」というイメージは正確ではない。

 -ウォッカはじゃがいもから造るお酒なのか?

じゃがいも
マサコ アーントによるPixabayからの画像

 「ウォッカ=じゃがいもから造るお酒」というイメージは強いが、
じゃがいもはウォッカの原料の一つにすぎない。
ウォッカには小麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物も使われる。

 そのため、ウォッカを原料だけで定義することはできない。
何を原料にするかだけでなく、
発酵・蒸留によって原料や発酵副産物の香味を選択的に低減し、
ニュートラルな酒質に仕上げることもウォッカの重要な特徴となる。

・ウォッカはなぜ無色透明なのか?

無色透明
ClaudiaによるPixabayからの画像

 ウォッカは、無色透明なお酒として知られている。
これは、蒸留によって原料や発酵で生じた成分の香味を抑え、
ニュートラルな酒質に仕上げるためである。

 さらに、蒸留後に追加の蒸留や適切な処理を行うことがあり、
EUの定義では活性炭による処理も認められている。
こうした工程によって、原料由来の香りや味わいがさらに抑えられる。

 ただし、「ウォッカは無色透明」という特徴と「ウォッカの定義」は同じではない。
EUではウォッカを着色してはならないと定めている一方、
国や法制度によってウォッカの扱いは異なる。

 近年は樽熟成によって木材由来の色や風味を持たせたエイジドウォッカも登場している。
こうした製品は、通常のウォッカとは法的な扱いが異なる場合がある。

・蒸留によって酒質を整える

水滴
ElisaによるPixabayからの画像

 ウォッカの蒸留では、発酵によって生じたアルコールを濃縮するとともに、
原料や発酵に由来する香味成分を取り除いていく。
高い純度まで蒸留することで、クセの少ないニュートラルな酒質に近づけられる。

 ただし、蒸留だけですべての香味成分が取り除かれるわけではない。
そこでウォッカでは、蒸留後にろ過などの精製工程を行い、さらに酒質を整える。
ろ過にはさまざまな方法があり、活性炭を使ったろ過もその一つである。

 ちなみに蒸留回数やろ過回数の規定はないが、アルコール度数の規定はある。

 -活性炭ろ過にはどんな役割がある?

炭
HansによるPixabayからの画像

 活性炭は、表面にさまざまな物質を吸着する性質を持つ。
ウォッカの製造では活性炭を利用した処理によって、
蒸留後に残る香味成分などをさらに取り除き、
よりニュートラルな酒質に整えることができる。

 EUの規則でも、ウォッカの製造では追加蒸留や適切な処理剤による処理が認められており、
その例として活性炭処理が明記されている。

 ただし、活性炭処理によってすべてのウォッカが完全に無味無臭になるわけではない。
蒸留方法や精製方法などによって酒質には違いがあり、
ウォッカの中にも原料や製法に由来する個性を持つものがある。

 ウォッカは白樺炭でろ過したものだと勘違いしている人が多いが、
白樺炭でのろ過はロシアやポーランドなどの伝統的な製法・文化であり、
現代の法的定義が混同されている部分が大きい。
白樺炭によるろ過はウォッカの絶対条件ではない。

・ウォッカにはどんな種類がある?

フレーバードウォッカ
PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

 ウォッカには、香味を加えていないプレーンタイプと、
果実やスパイスなどの風味を加えたフレーバードタイプがある。
また、原料や製法によっても香りや味わいに違いが生まれる。

 EUでは「ウォッカ」と「フレーバードウォッカ」を区別しており、
フレーバードウォッカは原料とは異なる特徴的な風味を与えたものと定義されている。

 一方、プレーンなウォッカにも、使用する原料や蒸留・精製方法によって個性がある。
そのため、「ウォッカ=すべて無味無臭」というわけではない。

 ウォッカの種類や、それぞれの特徴については、別の記事で詳しく解説する。

●ウォッカの定義とは?

文章
Jan MateboerによるPixabayからの画像

 ウォッカは世界各地で造られているが、
その定義や法的な扱いは国や地域によって異なる。
特にEUではウォッカを独立したスピリッツのカテゴリーとして定義している一方、
日本では酒税法上「スピリッツ」の一つとして扱われる。

 ここでは、EU・アメリカ・日本の規定を比較しながら、
それぞれがウォッカをどのようなお酒として定義しているのかを見ていく。

・EUにおけるウォッカの定義

EU旗
RalphによるPixabayからの画像

 EUでは、スピリッツを製品ごとにカテゴリー分けしており、
ウォッカは「カテゴリー15」に位置づけられている。
EU規則では、ウォッカについて原料、製造方法、最低アルコール度数などの
基準を具体的に定めている。
ちなみにウイスキーはカテゴリー2である。

 -EUではウォッカをどう定義している?

 EU規則ではウォッカを、
じゃがいもや穀類、その他の農産原料を酵母で発酵させて得た農業由来の
エチルアルコールから造るスピリッツと規定している。

 さらに、原料や発酵によって生じる香味を選択的に低減するよう蒸留することが求められ、
追加の蒸留や活性炭などによる処理も認められている。
最低アルコール度数は37.5%で、着色は禁止されている。

 この定義からも、EUではウォッカを単に「無色透明な蒸留酒」としてではなく、
原料・製造方法・酒質・アルコール度数まで具体的な基準を設けたスピリッツとして
扱っていることが分かる。

 -ウォッカに求められるアルコール度数と表示

ブドウ
Matthias BöckelによるPixabayからの画像

 EUでは、ウォッカの最低アルコール度数を37.5%と定めている。
また、ウォッカへの着色は認められていない。
一方、最終的な味を整える目的での甘味付けは認められているが、
使用できる甘味料は一定量以下に制限されている。

 また、じゃがいもや穀類以外の農産原料、
たとえばブドウなどを原料としたウォッカには、
使用した原料を「produced from 〇〇」と表示することが求められる。
つまりEUでは、ウォッカという名称だけでなく、
特定の原料以外を使用した場合には、その原料も表示する仕組みになっている。

 このようにEUでは、ウォッカについてアルコール度数や色だけでなく、
甘味付けや原料表示まで細かく規定している。

 -EUの定義から分かるウォッカの特徴

 EUの定義では、ウォッカは単に高アルコール度数の無色透明な蒸留酒ではない。
原料を発酵・蒸留して得た農業由来のエチルアルコールを使い、
原料や発酵による香味を選択的に低減することが求められている。
最低アルコール度数は37.5%で、着色は認められていない。

 また、ウォッカの法的名称として「vodka」を使用できることも
EU規則に明記されている。
つまりEUでは、ウォッカを単なる一般的なお酒の呼び名ではなく、
一定の条件を満たしたスピリッツに与えられる法的な名称として位置づけている。

 この「法的な名称」という点は、
次に見るアメリカや日本との違いを理解するうえでも重要になる。

・アメリカにおけるウォッカの定義

アメリカ国旗
AlexaによるPixabayからの画像

 アメリカでは、蒸留酒を「クラス」と「タイプ」に分類しており、
ウォッカは「ニュートラル・スピリッツ(Neutral Spirits)」という
クラスの一つのタイプとして位置づけられている。

 -ウォッカはニュートラル・スピリッツの一種

 アメリカの規則では、ニュートラル・スピリッツとは、
適切な原料からアルコール度数95%以上まで蒸留した蒸留酒と定義されている。
その中でウォッカは、蒸留または蒸留後の処理によって、
特徴的な香り・味・色を持たないものとして定義されている。

 この点はEUとの大きな違いとなる。
EUではウォッカを「カテゴリー15」という
独立したスピリッツカテゴリーとして定義しているのに対し、
アメリカでは「ニュートラル・スピリッツ」という
大きな分類の中にウォッカを位置づけている。

 -アメリカのウォッカに求められる基準

グラスに入ったウォッカ
Kawita ChitprathakによるPixabayからの画像

 アメリカでは、ウォッカのベースとなるニュートラル・スピリッツは、
アルコール度数95%以上まで蒸留することが基準となっている。
瓶詰めする場合は、40%以上のアルコール度数が必要となる。

 ウォッカについては、蒸留または蒸留後の処理によって、
特徴的な香り、味、色を持たないことが重視される。
また、一定量までの糖やクエン酸の使用が認められている。

 なお、活性炭で処理・ろ過したウォッカは、
一定の条件を満たせば「charcoal filtered」と表示できる。
これは活性炭処理そのものをウォッカの必須条件としているわけではない点にも注目したい。

 -EUの定義との違い

 EUではウォッカそのものを一つのカテゴリーとして定義しているのに対し、
アメリカでは「ニュートラル・スピリッツ」というクラスの中に
「Vodka」というタイプを設けている。

 また、EUではウォッカの最低アルコール度数を37.5%とするのに対し、
アメリカではニュートラル・スピリッツを95%以上で蒸留し、
瓶詰め時は40%以上とする基準が設けられている。

 この違いからEUとアメリカでは、
ウォッカを定義する際の着眼点が異なることが分かる。
EUはウォッカを独立した製品カテゴリーとして規定し、
アメリカは高度に蒸留されたニュートラル・スピリッツを基礎としてウォッカを位置づけている。

・日本におけるウォッカの定義

日本国旗
joronoによるPixabayからの画像

 日本の酒税法には、「ウォッカ」という独立した酒類の品目は設けられていない。
ウォッカは酒税法上の「スピリッツ」に含まれ、
国税庁もスピリッツの代表的なお酒として「ウオッカ」を挙げている。

 ただし、「ウォッカ=スピリッツ」という意味ではない。
ウォッカはお酒の種類を示す一般的な名称であるのに対し、
「スピリッツ」は日本の酒税法における酒類の品目を示す。
実際、酒税法上のスピリッツにはウォッカのほか、ジンやラムなども含まれる。

 -酒税法に「ウォッカ」という区分はある?

 日本の酒税法では、酒類を4種類に分類し、その下に17の「品目」を設けている。
ウォッカは、この17品目の一つとして独立して定められているわけではない。

 ウォッカは「スピリッツ」に含まれる酒類として扱われ、
国税庁の資料でも「いわゆるウオッカ」をスピリッツの代表例として挙げている。
つまり日本では、ウォッカというお酒そのものに独立した品目名を与えるのではなく、
酒税法上はスピリッツという品目に分類している。

 -ウォッカは「スピリッツ」に分類される

TAX
tontygammyによるPixabayからの画像

 日本の酒税法では、スピリッツを以下のように定義している。
「ほかの酒類の品目に該当しない酒類で、エキス分が2度未満のもの」
ウォッカには独立した品目がないため、
酒税法上の要件を満たすものはスピリッツに分類される。

 スピリッツにはウォッカのほか、ジンやラムなども含まれる。
つまり日本では、ウォッカ、ジン、ラムを同じ「スピリッツ」
という酒税法上の品目で扱っている。

 この分類は、ウォッカそのものの性質を定義したものではなく、
日本で酒税を課すための法的な分類である点に注意が必要である。

 なぜウォッカやジンは独立した品目ではないのだろうか。
明確な理由を示した資料は確認できないが、
酒税法が制定された当時の日本では、
ウイスキーやブランデーの流通・課税が大きな位置を占めていたことなどが
背景にあるのではと考えられる。

 -ウォッカとスピリッツは同じものなのか?

 「スピリッツ」はウォッカそのものを指す言葉ではない。
ウォッカはスピリッツの一種であり、
スピリッツがすべてウォッカというわけではない。
これは「ウォッカ」というお酒の種類と、
日本の酒税法における「スピリッツ」という品目を区別すると分かりやすい。

 なお、国税庁の通達では、一定の条件のもとで酒類の表示を
「スピリッツ」に代えて「ウオッカ」「ラム」「ジン」とすることも認められている。
つまり、酒税法上の品目は「スピリッツ」だが、一定の条件を満たせば、
商品には「ウオッカ」「ジン」「ラム」などと表示できる。

・ロシア・ポーランドのウォッカの定義

 ウォッカの本場として知られるロシアとポーランドにも、
ウォッカに関する独自の規定がある。
ただし、両国ではその考え方が少し異なる。
ロシアでは「ウォッカ」という酒そのものを法律で定義しているのに対し、
ポーランドでは「Polska Wódka(Polish Vodka)」
という名称を使うための条件を定めている。

 -ロシアではウォッカそのものを法律で定義

ロシア国旗
http://megapixel.click – betexion – photos for freeによるPixabayからの画像

 ロシアでは、法律の中でウォッカを明確に定義している。
ウォッカは、食品原料から造られたエチルアルコールと水をベースとする酒類で、
完成品のアルコール度数は38~56%と定められている。

 EUのウォッカは最低アルコール度数を37.5%としているため、
ロシアの基準とは下限が少し異なる。
また、ロシアではウォッカそのものにアルコール度数の範囲を設けている点も特徴的。

 -ポーランドでは「Polish Vodka」を地理的表示として保護

ポーランド国旗
nie podajeによるPixabayからの画像

 ポーランドでは、「Polska Wódka / Polish Vodka」という名称を
使用できるウォッカについて、原料と製造場所に明確な条件が設けられている。

 原料として認められるのは、
ライ麦、小麦、大麦、オーツ麦、ライ小麦、じゃがいものいずれかで、
これらはポーランド国内で栽培されたものでなければならない。
また、ウォッカの製造工程もすべてポーランド国内で行うことが求められる。

 つまりポーランドでは、単に「ウォッカ」と呼べるかどうかだけでなく、
「Polish Vodka」という名称を名乗るための原料と産地、製造場所まで保護している。
なお、ポーランドの規定では、一定の条件を満たすフレーバードウォッカも
「Polish Vodka」に含めることができ、場合によっては着色も認められている。

 地理的表示の代表的なものとして、
コニャック、シャンパーニュ、テキーラなどがある。
ブランデーのなかの条件を満たしたものが「Cognac」を名乗れる。
ウォッカのなかの条件を満たしたものが「Polish Vodka」を名乗れる。
このようなイメージである。

・EU・アメリカ・日本の定義を比較

 ウォッカはどの地域でも「ニュートラルな酒質を持つ蒸留酒」
という共通点がある一方、法的な位置づけは異なる。
EUでは独立したカテゴリーとして、
アメリカではニュートラル・スピリッツのタイプとして、
日本ではスピリッツという酒税法上の品目に含まれる形で扱われている。

項目EUアメリカ日本
法的な位置づけ「Vodka」カテゴリーありニュートラル・スピリッツの一種スピリッツの一種
主な原料じゃがいも、穀類、その他の農産原料適切な農産原料ウォッカ独自の規定なし
蒸留・製造香味を抑えるように蒸留95%以上まで蒸溜したのニュートラル・スピリッツが基本ウォッカ独自の規定なし
最低アルコール度数37.5%40%(瓶詰め時)ウォッカ独自の規定なし
活性炭処理認められている認められているウォッカ独自の規定なし
着色不可※不可※ウォッカ独自の規定なし

※通常のウォッカ(プレーンウォッカ)について。
 EUでは「フレーバードウォッカ」、
 アメリカでは「フレーバード・ウォッカ」など、
 別の扱いになるものには着色された製品もある。

 EUではウォッカそのものについて原料や製造方法、
最低アルコール度数などを細かく規定している。

 一方、アメリカでは95%以上のニュートラル・スピリッツを基本とし、
その中で「Vodka」というタイプを定めている。

 日本ではさらに考え方が異なり、ウォッカを独立した酒類の品目とはせず、
「スピリッツ」に分類している。

 この違いから分かるのは、「ウォッカ」という世界共通の名前があっても、
その法的な定義まで世界共通ではないということである。

●まとめ

積まれた本

 ウォッカは、穀物やじゃがいもなどの農産物を原料として発酵・蒸留し、
原料や発酵に由来する香味を抑えてニュートラルな酒質に仕上げた蒸留酒である。
じゃがいもだけで造られるわけではなく、
小麦、ライ麦、トウモロコシなどさまざまな原料が使われる。

 通常のウォッカは無色透明だが、フレーバードウォッカには着色されたものもある。
また、活性炭処理などの精製方法や原料の違いによって、
プレーンなウォッカにもそれぞれ個性がある。

 ウォッカの法的な定義は、国や地域によって異なる。
EUでは「Vodka」という独立したカテゴリーが設けられ、
原料、製造方法、アルコール度数などが細かく定められている。
アメリカでは「ニュートラル・スピリッツ」の中に「Vodka」を位置づけ、
日本では酒税法上の「スピリッツ」に含めている。

 さらに、ウォッカの本場であるロシアでは
「ウォッカ」そのものが法律で定義され、
ポーランドでは「Polish Vodka」という名称を使うための原料や産地、
製造場所などが定められている。
このように、本場の国でもウォッカの定義や名称の扱いにはそれぞれ特徴がある。

 ウォッカは単に「無色透明でアルコール度数の高いお酒」と考えるだけでは、
その特徴を十分に理解できない。
原料、蒸留・精製方法、そして各国の法的な定義まで見ることで、
ウォッカがどのような酒なのかがより明確になる。

 なお、ウォッカの定義では、蒸留やろ過の回数までは定められていない。
何回蒸留したか、何回ろ過したかは、ウォッカであるための法的な条件ではなく、
メーカーごとの製法上の特徴となる。

●あとがき

 「ウォッカ」という言葉は多くの人が知っているが、
「ウォッカ」とは何かを明確に答えるには定義を知る必要がある。
そしてその定義が日本の酒税法ではスピリッツに含まれる扱いになっている。
日本と海外のウォッカに対する定義を比べるととても興味深い。