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     更新日:2022年8月6日

    文字数:約900文字

     酒瓶によく「無濾過」などと書かれたラベルが貼られている。
    これがどのようなものかについて、説明する。

     日本酒は上槽(搾り)後、おり引きとろ過という作業が行われており、ろ過と無濾過に分類される。

    ろ過説明図

    ●澱引き(おりひき)

     上槽(搾り)によって得られた清酒は、澱(おり)と呼ばれる固形物が混ざっており、白く濁っている。
    この固形物を取り除くため、数日間静置して澱を沈め、上澄みだけを取り出す

     残った澱を含んだ部分は『おりがらみ』として商品にする。
    澱にはお米のうま味や香りが残っているため、濃厚な風味が味わえる。
    おりがらみは、「うすにごり」、「ささにごり」、「かすみ酒」とも呼ばれる。

    ●ろ過

    ろ過水
    PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

     澱引きされたものには、まだ細かい固形物(お米の破片や酵母のカス)や微生物が残っている。
    ここに醸造用活性炭素(粉末)を投入し、固形物を吸着させて、フィルターでろ過する。
    活性炭素には日本酒の異臭や雑味とともに、香味成分も吸着されてしまう。

     このため、本来の味わいよりもすっきりすることになる。
    また、活性炭素を入れ過ぎると日本酒に炭の匂いが移ってしまい、炭臭が出てしまうことがある。

     澱引きされたものをろ過しないことで、本来の味わいを残したのものが
    無濾過(むろか)と呼ばれるものである。

     無濾過は、活性炭素を使わずにフィルターを通した素ろ過(すろか)と、
    ろ過自体を行わない完全無濾過があるが、区別されて表示されることはほとんどない。

    ●SF(Super Fine)フィルター

    ろ過水
    Arek SochaによるPixabayからの画像

     ろ過技術の発達により、『精密ろ過』と呼ばれる方法が主流になりつつある。
    内部が空洞の中空糸繊維でできたフィルターを通すことで、一度に澱引きとろ過を行える方法である。
    活性炭素を使わないことでしっかり風味も残り、雑菌や微生物も除去できる

     殺菌のための火入れを1回減らすことが可能になる。
    よって、新鮮な風味を持つお酒を造ることができる。

    ●あとがき

     最近は飲食の分野で、素材本来の味を楽しむという傾向が強まっているようだ。
    日本酒でも無濾過や純米に人気が集まっている。
    悪いことではないが、醸造アルコール添加やろ過することの良さもある。
    なにごとも一点に偏り過ぎるのは良くない。