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ブラッディ・メアリーは、トマト・ジュースを使った少し変わったカクテル。
見た目から「どんな味?」「まずいのでは?」と気になる人も多いはず。
実際の味は、トマトの旨味をベースに、
レモンの酸味とスパイスが重なった“食事に近い”タイプ。
甘いカクテルとは大きく異なり、人によって好みが分かれる。
アメリカの文豪アーネスト・ヘミングウェイもお気に入りのカクテル。
ヘミングウェイが香港にブラッディ・メアリーを広めたといわれている。
ここでは、ブラッディ・メアリーの味を解説しつつ、
まずいと言われる理由や、美味しく飲むコツ、
レシピや誕生背景とともに、人気のバリエーションも紹介しよう。
●ブラッディ・メアリーはどんな味か?

ブラッディメアリーは、トマト・ジュースの旨味にレモンの酸味、
スパイスの刺激が重なったカクテルである。
甘いカクテルとは方向性が大きく異なり、
食事に近い感覚の味わいが特徴。
ウォッカベースだがアルコール感は比較的穏やかで、
トマト・ジュースが味の中心になる。
一方で、青臭さやスパイス感が苦手な人には
「まずい」と感じられることもあるなど、好みは分かれる。
・トマト・ジュースそのままではない
ブラッディ・メアリーはトマト・ジュースを使うカクテルだが、
味は単純な「トマト・ジュースのお酒割り」ではない。
レモンの酸味や塩味、黒こしょう、タバスコなどの
スパイスが加わることで、より複雑で刺激的な味になる。
特にセロリソルトやウスターソースを使うレシピでは、
スープのような旨味を感じることもある。
・スパイスと酸味が特徴

ブラッディ・メアリーは甘さがかなり控えめで、
塩味・酸味・スパイス感が前に出やすい。
そのため、『カクテルは甘い』というイメージで飲むとギャップを感じやすい。
一方で、黒こしょうやタバスコの刺激によって、
普通のトマトジュースよりも引き締まった味わいになるため、
食事と合わせやすいカクテルとして好む人も多い。
・まずいと言われる理由
ブラッディ・メアリーがまずいと言われる最大の理由は、
「カクテルらしい甘さ」がほとんどないため。
トマトの青臭さや塩味、スパイス感が強く、
人によっては野菜ジュースに近い印象を受けることもある。
特に、甘いカクテルや炭酸系を想像して飲むと、
イメージとの違いから苦手に感じやすい。
・美味しいと感じる人、苦手な人
ブラッディ・メアリーは、
トマト・ジュースやスパイス系の味が好きな人にはかなり相性が良い。
ビールのトマトジュース割りや、
辛味のある料理が好きな人ならハマりやすいカクテルである。
逆に、甘口カクテルやジュース感の強いお酒を好む人には、
やや飲みにくく感じられることもある。
●ブラッディ・メアリーのレシピ
材料/レシピ
- ウォッカ・・・・・・・40ml
- トマト・ジュース・・・120ml
- レモン・ジュース・・・1tsp
- 氷を入れたグラスに材料を注ぎ、ステアする
- お好みでスライスレモン、セロリスティックを飾ってもよい
ウスターソース、タバスコ、コショウなどで味を調整してもよい
ブラッディ・メアリーは作り手、飲み手によってさまざまである。
ウォッカはクリアなので、トマト・ジュース感覚で飲める。
ウォッカの度数は40%あるが、カクテルの度数は10%弱で飲みやすい。
トマトの成分が二日酔い予防に効果的とされている。
・美味しく飲むコツ

ブラッディ・メアリーは、スパイスの調整でかなり印象が変わる。
タバスコを増やすと刺激が強くなり、
黒こしょうを効かせると引き締まった味わいになる。
一方で、レモンを少し多めにすると、重さが減って飲みやすくなる。
また、トマト・ジュースの種類によっても味が変化しやすい。
濃厚タイプは旨味が強く、さらっとしたタイプは軽めに仕上がる。
好みに合わせて塩味や酸味を調整しやすいのも、
ブラッディ・メアリーの特徴である。
●ブラッディ・メアリーの誕生背景

諸説あるが、有力な説として1921年にフランスで誕生したとされる。
創作者は、パリの名門ハリーズ・ニューヨーク・バーのバーテンダー
フェルナンド・ピート・プティオである。
彼はをブランチメニューのオムレツとともに楽しむために、
トマト・ジュースのカクテルであるブラッディ・メアリーを作り出した。
その毒々しい赤色からブラッディ・メアリーと名付けたのである。
ブラッディ・メアリーの名は、「血まみれのメアリー」という意味である。
メアリーは16世紀のイングランド女王メアリー1世に由来する。
在位はわずか5年(1553-1558年)だが、
その間に約300人のプロテスタントを処刑したことから、
このような悪名が付いた。
ちなみに缶入りトマト・ジュースが世界で初めて製品化されたのは
1923年のアメリカである。
このことからブラッディ・メアリーはアメリカで誕生したとする説があるが、
トマト・ジュースはトマトを潰して濾せばよいので、フランスでも作れる。
・結局悪名に戻る

ブラッディ・メアリーはこれまでに二度名前が変わっている。
アメリカの富豪ジョン・ジェイコブ・アスターはブラッディ・メアリーを気に入り、
創作者のフェルナンドをアメリカの自店に引き抜いた。
セント・レジス・ホテルのキング・コール・バーの支配人に任命されたフェルナンドは、
ブラッディ・メアリーの改名を命じられる。
「ブラッディ(血まみれ)」というのは世界が戦争に突き進む時勢には
そぐわないと判断されたのだろう。
1939年には『メアリー・ローズ』の名でレシピを公開する。
さらに1946年に『レッド・スナッパー』に改名。
しかし1949年に『ブラッディ・メアリー』に戻す。
やはり最初に考えた名前に愛着があったのだろうか。
『ブラッディ・マリー』とも呼ばれることがある。
フランス語では「マリー」と発音するが、
イングランド女王であることを考えると英語での発音「メアリー」が妥当だろう。
●バリエーション
ブラッディ・メアリーから派生したカクテルは多数ある。
その中でも有名なものの材料とレシピを紹介しよう。
- ブラッディ・シーザー
- ブラッディ・ブル
- ブラッディ・サム
- ストロー・ハット
- バージン・メアリー
・ブラッディ・シーザー

材料/レシピ
- ウォッカ・・・・・・・・40ml
- クラマト・ジュース・・・120ml
- ウスターソース・・・・・1tsp
- タバスコ・・・・・・・・1,2滴
- 氷を入れたグラスに材料を注ぎ、ステアする
- お好みでスライスレモン、セロリスティックを飾ってもよい
トマト・ジュースをクラマト・ジュースに替えたもの。
クラマト・ジュースとは、はまぐりエキス入りのトマト・ジュースのこと。
ブラッディ・メアリーが「トマト+スパイス」の味わいなら、
ブラッディ・シーザーはさらに旨味が加わった、
より濃厚でクセのある味わいである。
アメリカのモッツ社(MOTT’S)によって
クラマト・ジュースは1969年に商品化された。
同年に、カナダ アルバータ州のレストランバーテンダーである
ウォルター・チェルがブラッディ・シーザーを創作する。
現在、ブラッディ・シーザーはカナダで大人気のカクテルとなっている。
カクテル誕生の地であるカルガリーでは町の公式ドリンクとされ、
2009年には40周年を記念して「シーザー・デー」を制定するほど。
海外ではブラッディを付けずに『シーザー』のカクテル名が一般的。
・ブラッディ・ブル
材料/レシピ
- ウォッカ・・・・・・・40ml
- トマト・ジュース・・・60ml
- ビーフ・ブイヨン・・・60ml
- レモン・ジュース・・・1tsp
- 氷を入れたグラスに材料を注ぎ、ステアする
- お好みでスライスレモン、セロリスティックを飾ってもよい
ブラッディ・メアリーにビーフ・ブイヨンを加えたもの。
ビーフ・ブイヨンを使っているから、「ブル(雄牛)」なのだろう。
・ブラッディ・サム
材料/レシピ
- ジン・・・・・・・・・40ml
- トマト・ジュース・・・120ml
- レモン・ジュース・・・1tsp
- 氷を入れたグラスに材料を注ぎ、ステアする
- お好みでスライスレモン、セロリスティックを飾ってもよい
ウォッカをジンに替えたもの。
アメリカではブラッディ・メアリーが伝わった当初、
ウォッカは手に入りづらかった。
このため、ウォッカをジンで代用してブラッディ・サムが誕生した。
別名「ブラッディ・マーガレット」。
・ストロー・ハット

材料/レシピ
- テキーラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40ml
- トマト・ジュース・・・・・・・・・・・・・・・・120ml
- レモン・ジュース(またはライム・ジュース)・・・1tsp
- 氷を入れたグラスに材料を注ぎ、ステアする
- お好みでスライスレモン(またはカットライム)、セロリスティックを飾ってもよい
ウスターソース、タバスコ、コショウなどで味を調整してもよい
ウォッカをテキーラに替えたもの。
別名「ブラッディ・マリア」「ブラッディ・マタドール」とも。
・バージン・メアリー
材料/レシピ
- トマト・ジュース・・・160ml
- レモン・ジュース・・・1tsp
- ウスターソース・・・・1tsp
- タバスコ・・・・・・・3,4滴
- 氷を入れたミキシンググラスに材料を注ぎ、ステアする
- ストレーナーで濾しながらグラスに注ぐ
- お好みでスライスレモン、セロリスティックを飾ってもよい
塩やコショウなどで味を調整してもよい
トマト・ジュースベースのノンアルコールカクテル。
「ホーリー・メアリー」「ブラッディ・シェイム」などの別名がある。
●あとがき
ブラッディ・メアリーはホントに作り手によって千差万別である。
トマトを自分で搾ったり、和風だしや醤油を隠し味に入れたり、
かき氷にかけたり、ホットにしたり、、、
バリエーションも多く、世界中で愛されているカクテルである。
基本はトマト・ジュースとウォッカなので、自宅で理想の
ブラッディ・メアリーを作ってみるのも楽しいだろう。


