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     更新日:2022年8月16日

    文字数:約1200文字

    製麦(麦芽化)する理由

    麦芽
    sirmarkdavidによるPixabayからの画像

     麦を製麦する理由は、酵母が作用できる大きさの糖に、デンプンを分解するため
    また、タンパク質を分解して酵母の栄養源であるアミノ酸をつくるため

     麦は冬を越すためにデンプンを蓄えている。
    デンプンは大きな分子構造をしていて、エネルギーとして使いやすい糖に分解してから、
    芽、根、茎、葉などを作る。

     デンプンを糖に分解する酵素がアミラーゼである。
    麦を冷蔵庫に入れて強制的に『冬』の環境をつくりだしてから、
    暖かいところに移して『春』と勘違いさせて水を与える。

     そうすることで麦は発芽し、酵素がデンプンを分解し始める。
    芽をどんどん成長させてしまうと糖が減ってしまうので、
    酵素の働きを止めるために焙燥する。

    麦芽の焙燥

     麦芽は発芽した麦を焙燥したものであり、焙燥温度が低いと薄い色の麦芽となり、
    温度が高いと濃い色の麦芽となる。

     乾燥のさせ方により様々な種類の麦芽があり、「色麦芽」と呼ばれ、
    ビールの色や香りの特徴づけに使用される。

    • ペールモルト(淡色麦芽)
      80℃くらいの温度で時間をかけて焦がさないように焙燥させた麦芽。
      最も多くのビールに使用されている基本の麦芽
       
    • ウィートモルト(小麦麦芽)
      小麦の麦芽。タンパク質を多く含むためビールを白濁させる作用がある
      フルーティーで泡持ちの良いビールを造ることができる。
       
    • ウィンナーモルト
      色麦芽。ペールモルトよりやや高温で乾燥させたもの。
      赤みがかった色みと、ナッツのような香ばしさが特徴。
       
    • カラメルモルト
      色麦芽。麦芽に水を含ませてから乾燥させたもの。
      カラメル香の強い、甘みのあるビールになる。
       
    • チョコレートモルト
      色麦芽。100℃以上の高温で焙燥する。
      名前の通り、チョコレートのような色。
      ウィンナーモルトと同じく、香ばしいナッツの風味を持つ。
       
    • ブラックモルト(黒麦芽)
      色麦芽。高温(120℃くらい)で焦がしたもの。
      スモーク臭がつくものもあり、スタウトなど、黒いビールに使われる。

    ●ビールの色

    ビールの色
    Alexander LesnitskyによるPixabayからの画像

     ビールの色は使用する麦芽の色によって決まる
    色麦芽を使うことによって、色は濃いのにさっぱりしたビールや、
    色は薄いのに味わい深く、アルコール度数の高いビールなど
    バリエーション豊富にビールを設計することができる。
    このため、色から味やアルコール度数などを判断するのはナンセンスである。

    ●あとがき

     世界的にみて、ビールやウィスキーの生産量が年々増えているため、
    異常気象などで大麦生産に影響が出れば、ビール価格の高騰に繋がる。
    小麦の高騰による麺類やパンなどへの影響はニュースでよく見かけるが、大麦はあまり見かけない。
    大麦は主食になるものが少ないため(麦ごはんくらい?)、あまり話題にならないのだろうか。
    何にせよ、ビールやウィスキーを飲むものとしては価格高騰などせず、安定供給であることが望ましい。



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