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ビールは何からできているのか。
身近な飲み物だが、その原料と役割を正確に理解している人は多くない。
ここでは、ビールを構成する基本の原料を整理する。
ビールの主な原料は、麦芽・ホップ・酵母・水の4つ。
それぞれが異なる役割を持ち、味や香り、色合いに大きく影響している。
例えば、麦芽は甘みやコク、ホップは苦味や香り、
酵母は発酵によるアルコールと風味を生み出す。
また、ビールによっては副原料が使われることもあり、
これによって味わいに違いが生まれる。
こうした原料の役割を理解すると、ビールの種類や個性の違いも見えてくる。
ビールの基本原料である麦芽・ホップ・酵母・水の役割を中心に、
わかりやすく解説する。
●麦

麦には大麦・小麦・ライ麦・燕麦などがある。
主に大麦が使われるが、大麦にも二条大麦と六条大麦がある。
特に使われるのが二条大麦で、
その理由はアミラーゼの含有量が多いことが挙げられる。
麦から麦芽をつくる目的は、麦に含まれるデンプンやタンパク質を
糖やアミノ酸に分解するための酵素を生み出すこと。
糖は酵母に分解されることで、アルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)になる。
また、アミノ酸は酵母が生きるために必須の栄養素である。
麦芽は乾燥の仕方によってさまざまな種類があり、
ビールの色や香りに変化が出る。
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●ホップ

アサ科のつる性多年草。
雄株と雌株があり、ビールの原料に用いられるのは、
雌株の未授精の毬花(まりばな、またはきゅうか)と呼ばれる部分である。
種子のまわりについている「ルプリン」と呼ばれるものは、
種子が地面に落ちた時に、カビなどの微生物に狙われないように、
抗菌作用を持っているといわれている。
ビール特有の苦味や香りを生み出す成分は、このルプリンのなかにある。
ホップの成分にはビールの泡の形成や泡持ちを良くする作用や抗菌作用がある。
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●酵母

直径5~10ミクロンの微生物。
麦汁をアルコールと炭酸ガスを含むビールに変える役目をするのが酵母である。
酵母の種類によって、ビールスタイルは大きく異なる。
ビール酵母には、上面発酵酵母(エール)、下面発酵酵母(ラガー)、
また自然に存在する野生酵母がある。
用いる酵母により、ビール香りや味は大きく特徴づけられる。
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●水

ビールの原料は9割以上が水。
醸造用水だけでなく様々な工程で水を使うため、
ビール1リットルを造るのに、およそ5~10リットルの水が必要となる。
水にはミネラル成分の含有量を表す硬度と、水素濃度指数を
表すpH(ペーハー、またはピーエイチ)があり、
設計したビールを造るためにこれらを調整することもある。
●副原料
日本では酒税法でビールの副原料として使用できるものを
「麦その他政令で定める物品」として定めている。
何をどれくらい使うかによって、
ビールの味を調整するなどの特徴を出すことができる。
- 麦(大麦、小麦、ライ麦)
- 米
- トウモロコシ
- 糖類(コーンシロップなど)
- デンプン(ばれいしょデンプン、コンスターチなど)
- 着色料(カラメル)
- 苦味料(イソアルファー苦味酸、カフェイン(抽出物)、ホップ抽出物など)
●あとがき
水については醸造所の近くにある水源をそのまま使っていると思っている人が多い。
大手メーカーは日本各地に工場があるが、水源が統一されているわけではない。
また、海外のビールを日本で委託製造していることからも現地と日本では水質が違うはずである。
おそらく日本酒が名水の水源近くに醸造所を建ているからビールもそうだろうと
勘違いしているのだろう。
ちなみに日本酒の鑑定士のなかには、
日本酒を飲めばどこの水を使ったかわかる人もいるらしいが、
ビールではプロの鑑定士でも全くわからないらしい。



