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    文字数:約1200文字

     シードルのつくり方は、同じ果実酒のワイン(特に白)のつくり方と基本は同じである。
    ワイン造りの流れと比較したものが以下のようになる。

    シードルのつくり方

    シードルのつくり方

    リンゴ収穫
    judymccleeryによるPixabayからの画像

     上図をもう少し詳しく説明する。

    1. 収穫・選果
      大量につくる場合は、木を揺らしてシートの上にリンゴを落として、一気に収穫する。
      完熟したものを使いたい場合は、熟して自然に落下したものを拾い集める。
      高付加価値や少量生産の場合は、一つ一つ手摘みする。
      どの作業でも、リンゴに外傷や病気がないか確認する。
       
    2. 洗浄リンゴの表面に付いたホコリやゴミ、農薬、虫を洗い落とす。
      いくつかのリンゴを割り、内部に虫が入り込んでいないか、
      病気になっていないか確認する。
      ここがワインと大きく違う工程で、ブドウは基本的には洗浄しない。
      洗浄で残った水分が果汁を薄めることを極端に嫌うのである。
       
    3. 破砕破砕して、粗くすりつぶすことで搾汁をしやすくする。
      皮や種も一緒に破砕することで、ポリフェノールなど多くの栄養価を得る。
      生産者によってリンゴの品種をブレンドすることもある。
       
    4. 搾汁(さくじゅう)
      破砕したリンゴをプレス機にかけて、果汁を搾り出す。
      目指す味によって、搾汁方法や圧力は生産者によって違う。
      また、生産者によってリンゴの品種をブレンドすることもある。
       
    5. 一次発酵
      搾った果汁をタンクに移し、酵母を加えて発酵させる。
      天然酵母によって発酵させる場合もあるが、純粋酵母を添加したほうが安定する。
      酵母の働きにより、糖がアルコールと二酸化炭素に分解される
      ここまでの工程で無発泡シードルができる
       
    6. 二次発酵
      生産者によって一次発酵後にオリ引きを行う場合と、そうでない場合がある。
      そして、二次発酵にはいくつかの方法がある。
      ・瓶内二次発酵方式
       シャンパンと同じ方式で、瓶詰め後に瓶内で発酵させる。
       管理やオリ引きに手間がかかるが、きめ細かな泡ができる。
      ・密閉タンク方式
       密閉タンク内でまとめて発酵させてから瓶詰めする。
       オリ引きもまとめてでき、製品ばらつきが小さく、泡は細かい。
      ・炭酸ガス注入方式
       一次発酵後のシードルに直接炭酸ガスを注入する。
       二次発酵するわけではないので、時間がかからず、安価に大量生産できるが、泡は粗い。
       
    7. 貯蔵・出荷
      発酵を終えたものはオリ引き・ろ過・瓶詰めされて、
      数カ月貯蔵することで味を落ち着かせる。
      オリ引きやろ過を行わないものもある(無濾過品)。

    ●あとがき

     シードルの製造工程に洗浄があることに、ワイン生産者は驚くのではないだろうか。
    ブドウは伝統的に洗浄しないが、ホコリや虫も含めてテロワールということなのか。
    そしてワインを飲む人たちはこのことを知らない。
    現代では洗浄乾燥できる設備があるので、伝統優先の考え方を改めても良いと思う。
    シードルはワインほど規制が厳しくないので、新しい考え方を取り入れてさらに洗練されていく。
    これから面白くなりそうだ。