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     更新日:2022年10月2日

    文字数:約1200文字

     シードルのつくり方は、同じ果実酒のワイン(特に白)のつくり方と基本は同じである。
    ワイン造りの流れと比較したものが以下のようになる。

    シードルのつくり方

    シードルのつくり方

     上図をもう少し詳しく説明する。

    収穫・選果

    リンゴ収穫
    judymccleeryによるPixabayからの画像

     大量につくる場合は、木を揺らしてシートの上にリンゴを落として、一気に収穫する。
    完熟したものを使いたい場合は、熟して自然に落下したものを拾い集める。

     高付加価値や少量生産の場合は、一つ一つ手摘みする。
    どの作業でも、リンゴに外傷や病気がないか確認する。

    洗浄

    洗浄
    Nathan CopleyによるPixabayからの画像

     リンゴの表面に付いたホコリやゴミ、農薬、虫を洗い落とす。
    いくつかのリンゴを割り、内部に虫が入り込んでいないか、
    病気になっていないか確認する。

     ここがワインと大きく違う工程で、ブドウは基本的には洗浄しない。
    洗浄で残った水分が果汁を薄めることを極端に嫌うのである。

    ③破砕

     破砕して、粗くすりつぶすことで搾汁をしやすくする。
    皮や種も一緒に破砕することで、ポリフェノールなど多くの栄養価を得る。
    生産者によってリンゴの品種をブレンドすることもある。

    搾汁(さくじゅう)

    リンゴの搾汁
    Franz W.によるPixabayからの画像

     破砕したリンゴをプレス機にかけて、果汁を搾り出す。
    目指す味によって、搾汁方法や圧力は生産者によって違う。

     また、生産者によってリンゴの品種をブレンドすることもある。

    一次発酵

     搾った果汁をタンクに移し、酵母を加えて発酵させる。
    天然酵母によって発酵させる場合もあるが、純粋酵母を添加したほうが安定する。
    酵母の働きにより、糖がアルコールと二酸化炭素に分解される

     ここまでの工程で無発泡シードルができる

    二次発酵

    発酵
    AndrásによるPixabayからの画像

     生産者によって一次発酵後にオリ引きを行う場合と、そうでない場合がある。
    そして、二次発酵にはいくつかの方法がある。

    • 瓶内二次発酵方式
       シャンパンと同じ方式で、瓶詰め後に瓶内で発酵させる。
       管理やオリ引きに手間がかかるが、きめ細かな泡ができる。
    • 密閉タンク方式
       密閉タンク内でまとめて発酵させてから瓶詰めする。
       オリ引きもまとめてでき、製品ばらつきが小さく、泡は細かい。
    • 炭酸ガス注入方式
       一次発酵後のシードルに直接炭酸ガスを注入する。
       二次発酵するわけではないので、時間がかからず、安価に大量生産できるが、泡は粗い。 

    貯蔵・出荷

     発酵を終えたものはオリ引き・ろ過・瓶詰めされて、
    数カ月貯蔵することで味を落ち着かせる。
    オリ引きやろ過を行わないものもある(無濾過品)。

    ●あとがき

     シードルの製造工程に洗浄があることに、ワイン生産者は驚くのではないだろうか。
    ブドウは伝統的に洗浄しないが、ホコリや虫も含めてテロワールということなのか。
    そしてワインを飲む人たちはこのことを知らない。
    現代では洗浄乾燥できる設備があるので、伝統優先の考え方を改めても良いと思う。
    シードルはワインほど規制が厳しくないので、新しい考え方を取り入れてさらに洗練されていく。
    これから面白くなりそうだ。

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