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アルコールとコーヒーを合わせたコーヒーリキュールの認知度は高い。
しかし、人気が高いかといえば、それほどでもない。
お酒好き、コーヒー好きがこれほど多くいるにもかかわらず、
コーヒーリキュールが流行らないのはなぜだろうか。
コーヒーリキュールについての考える特集記事である。
●お酒、コーヒーの消費量
日本でお酒とコーヒーはどのくらい飲まれているのか。
それぞれの消費量を調べた(2022年のデータ)。
お酒(アルコール)の年間消費量は7,828千リットル(国税庁データより)。
コーヒーの年間消費量は豆ベースで423,703トン(全日本コーヒー協会データより)。
コーヒー豆10gで1杯(150㏄)として換算すると、6,355,545千リットルとなる。
単位を揃えたのだが、数値が大きすぎてよくわからない、、、
とりあえず、たくさん消費されているということである。
●コーヒーリキュールが流行らない理由
お酒を飲む人、飲まない人、コーヒーを飲む人、飲まない人の中で、
コーヒーリキュールを飲む可能性があるのはお酒を飲む人達と、
お酒は飲み、コーヒーは飲まないが、コーヒーリキュールは飲むという人達である。
お酒とコーヒーの消費量を考えると、
コーヒーリキュールがもっと消費されてもおかしくないはずだがそうなっていない。
その理由はやはり『コーヒーリキュールは甘いというイメージ』のせいだろう。
コーヒーリキュールの代表的な商品がカルーアリキュールである。
カルーアが甘いため、コーヒーリキュールは甘いというイメージが強く定着してしまっているのである。
甘くないコーヒーリキュールはたくさんあるのだが、甘いというイメージを払拭できていない。
カルーアはコーヒーリキュールの中でも最甘級である。
そのカルーアが代名詞的商品であることが問題なのである。
お酒好きもコーヒー好きも、複雑な味わいを求める人が多い。
甘さが強すぎると、相対的に他の味わいが感じにくくなる。
よってコーヒーリキュールを好んで頻繁に飲むことはないのである。
コーヒーリキュールを試してみる機会が少ないと、
甘くないコーヒーリキュールに出会える可能性も低くなってしまう。
・カルーア コーヒーリキュール
誰もが知るコーヒーリキュールの定番商品。
メキシコのベラクルス州産のアラビカ種のコーヒー豆を使用。
同州産のサトウキビから造られた蒸留酒に、
コーヒー液、バニラ、カラメルなどを配合してつくられる。
甘味が強いので度数20%を感じさせない。
1936年に誕生し、世界中で人気を博している。
カルーア(Kahlua)はアラビア語でコーヒーを表す俗語カワ(qahwah)に由来。
俗語はカワ以外にも、カフワ(kahua、kahwa、kaffa、kahoueh)等もある。
メキシコ産の原料だが、アメリカ企業が所有しており、生産もアメリカで行われている。
ヨーロッパ向けはデンマークのピーター・ヒーリング社がライセンス製造している
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
20% | サトウキビスピリッツ | メキシコ産アラビカ種 |
・コーヒーリキュールはなぜ甘いのか?
コーヒーリキュールの代表的な商品であるカルーア・リキュールは甘い。
他の商品も甘いものが多い。
なぜなのか。
答えはリキュールという名前にある。
リキュールは国ごとによってアルコール度数やエキス成分、糖分量などの
細かい規定がある。
かつてお酒の中心地であったヨーロッパでは、
糖分が1Lあたり100g以上含まれるものを「リキュール」、
250g以上含まれるものを「クレーム」と規定している。
ちなみに、「クレーム・ド・カシス」に限っては1Lあたり400g以上の糖分が含むことになっている。
この流れを汲み、多くのコーヒーリキュールは甘くつくられている。
あくまでもEUの規定なので、国によって糖分100g未満でもリキュールと名乗れるが、
EUに輸出する場合は名称変更しなければならなくなる。
リキュールの始まりは薬酒としての医薬品である。
薬草などの材料から出る苦味や渋味を砂糖などの甘さで誤魔化して飲みやすくする必要があった。
その名残が現代に続いているのである。
●甘くないコーヒーリキュール19選
甘くないコーヒーリキュールは、3つに分類できる。
- 糖類を使用していないもの
- 糖分が1Lあたり100g未満のもの
- 糖分が1Lあたり100g以上だが、苦味が強いもの
日本ではリキュールの糖分規定はないため、無糖でもリキュールと名乗れる。
100g未満でも同様である。
だが①と②はヨーロッパではリキュールと名乗れない。
EU規定をクリアしつつ、甘くないものが③である。
エスプレッソ(コーヒー)リキュールなどが該当する。
甘くないコーヒーリキュールをいくつか紹介しよう。
・カモク フレンチカフェリキュール
200年以上の歴史を持つフランスの老舗リキュールメーカー ヴリニョウ社がつくるコーヒーリキュール。
創業家から伝わる秘伝のレシピでつくられる。
こだわり抜いたコーヒー豆をグラインドし、穀物が原料のグレーンスピリッツに漬け込んで、
3年間樽で熟成させる。
しっかりとしたコーヒーの香りと、苦味とコクのある味わいに、
度数が40%のアルコール感、飲み応えがある。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
40% | グレーンスピリッツ | アラビカ種 |
・パトロンXOカフェ
テキーラ「パトロン」をベースとしたコーヒーリキュール。
テキーラ特有の風味と、コーヒーの苦味がマッチした甘くない味わい。
度数は35%で、しっかりしたアルコール感がある。
原産地はテキーラの本場メキシコである。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
35% | テキーラ [パトロン] | ?? |
・フロール・デ・カーニャ エスプレッソ
中米ニカラグアで造られるラム『フロール・デ・カーニャ7年』使用のエスプレッソリキュール。
7年間熟成されたフロール・デ・カーニャは甘く芳醇な香りと華やかな味わいと持つ。
エスプレッソリキュールにすることで、コーヒーの苦味が引き立つ。
コーヒーエッセンスを使用しているため、カフェインフリーなのが特徴のひとつ。
度数は25%で高め。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | 7年熟成ラム [フロール・デ・カーニャ] | ?? |
・シャマレル コーヒーリキュール
インド洋の島国モーリシャスでつくられるコーヒーリキュール。
サトウキビの搾り汁をそのまま使って造られるアグリコール製法のラムを使用。
アグリコール独特の風味にコーヒーの苦味が混ざり、他にない香りを放つ。
度数が35%あるので、ロックや水割りでもよい。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
35% | ホワイトラム [シャマレル] | モーリシャス産 |
・ラオディ マリアージュラムコーヒー
ラオスで日本人によって造られるラム ラオディを使用したコーヒーリキュール。
サトウキビの搾り汁をそのまま使って造られるアグリコール製法のラムを使用。
コーヒー豆は現地産で希少性の高いティピカ種を浸漬している。
ほどよい苦味とラムの風味が楽しめる。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | ホワイトラム [ラオディ] | ラオス産ティピカ種 |
・バイユ ゲーターバイト コーヒーリキュール
アメリカ ルイジアナ州のラムメーカーがでつくられるコーヒーリキュール。
ゲーターバイト(GATOR BITE)とは「ワニの一噛み」を意味し、
ワニの生息数が多いルイジアナらしいネーミングである。
自社のホワイトラムにブラックコーヒーをブレンドしてつくられる。
ブラックコーヒーの苦味をラムの風味がやわらげてくれている。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
26% | ホワイトラム | ?? |
・ルクサルド エスプレッソリキュール
ルクサルド(Luxardo)社は200年以上続くイタリアの大手老舗メーカーである。
『マラスキーノリキュール』が有名。
エスプレッソの本場イタリアのメーカーがつくるエスプレッソリキュールに間違いはない。
コーヒーの苦味、酸味、コクとほのかに甘味を感じる。
ブラジル、コロンビア、ケニアのアラビカ種を30日間、
甜菜スピリッツに浸漬している。
度数は27%あり、やや高め。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
27% | 甜菜スピリッツ | ブラジル、コロンビア、ケニア アラビカ種 |
・ボルゲッティ エスプレッソリキュール
イタリアの老舗メーカーであるフラテッリ ブランカ社のエスプレッソリキュール。
世界的に有名なビター・リキュール『フェルネット ブランカ』を手掛ける。
コーヒー豆を深煎りし、しっかりとした苦味とコクを出している。
度数は25%で高め。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | スピリッツ | アラビカ種、ロブスタ種 |
・ビヴロスト エスプレッソリキュール
ノルウェーにある世界最北端の蒸留所でつくられるエスプレッソリキュール。
大麦スピリッツにコスタリカ産のコーヒー豆を浸漬し蒸留することで、
無色透明な液体が得られる。
リキュールと名乗っているが、蒸留しているのでスピリッツだろう。
やさしいコーヒーの香りと、なめらかな味わいが特徴。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
35% | 大麦スピリッツ | コスタリカ産 |
・ミスターブラック・コールドブルー
ミスターブラックはオーストラリアでつくられるコーヒーリキュール。
オーストラリア産のウォッカを使用する。
コーヒー豆は味がぶれないように複数の産地から取り寄せてブレンドしている。
コールドブリューによって苦味や酸味を抑えて、豆本来の味わいを引き出している。
コーヒー抽出液とウォッカに、微量の砂糖を加えて味を調整する。
度数は25%あるので、しっかりとした飲み応えがある。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | ウォッカ | コロンビア、ケニア パプアニューギニア他 アラビカ種 |
・BB&R コーヒーリキュール
ロンドンの老舗商店ベリーブラザーズ&ラッドが手掛けるコーヒーリキュール。
ブラジル産のコーヒー豆を使用し、
コールドブリュー(低温抽出)することによって苦味や渋みを抑えた。
コーヒー本来の味わいと、度数35%のアルコール感が満足度を高める。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
35% | スピリッツ | ブラジル産アラビカ種 |
・シェリダンス ダブルリキュールコーヒー
2つのボトルが1セットになったユニークなコーヒーリキュール。
1つにはコーヒーリキュール、もう1つにはバニラクリームリキュールが入っている。
生産地であるアイルランドではアイリッシュコーヒーが有名。
2つの注ぎ口から同時に注げば、甘めのコーヒーミルクのカクテルができあがる。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
15.5% | スピリッツ | ?? |
・珈琲泡盛 コーヒースピリッツ
沖縄県で泡盛を製造する新里酒造が手掛けるコーヒーリキュール。
泡盛ベースで糖類を使わずにつくられている。
コーヒー豆はインドネシア産マンデリン種を使用。
苦味とコクの中にかすかにと感じられる甘さは泡盛由来のもの。
アルコール度数は泡盛と同等の30%ある。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
30% | 泡盛 | インドネシア産マンデリン種 |
・南都酒造 35リキュール泡盛コーヒー
沖縄県で観光運営を生業とする(株)南都の南都酒造が手掛けるコーヒーリキュール。
コーヒー豆の焙煎に風化した珊瑚を使用している。
砂糖の代替として還元水あめを使用し、甘さ控えめである。
ベースに泡盛を使い、度数は12%で飲みやすい。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
12% | 泡盛 | ?? |
・珈琲リキュールくろろ
熊本県の老舗焼酎酒蔵 深野酒造がつくるコーヒーリキュール。
ベースは自社製造の球磨焼酎(米焼酎)を使用。
こだわりの有機栽培コーヒー豆はグアテマラ産をキーコーヒー(株)から購入。
糖類を一切使わず、すっきりした味わいに仕上げた。
アルコール度数は20%で、ストレート、ロック、水割りなどお好みで。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
20% | 球磨焼酎 | 有機栽培グアテマラ産 |
・本格珈琲&焼酎 新黒
福岡県にある酒蔵 研醸がつくるコーヒーリキュール。
自社で造る焙煎麦焼酎をベースに、こだわりの3つの産地のコーヒー豆を使用。
コーヒーの苦味やコクの中に、焙煎麦焼酎の香ばしさがある。
度数は25%あり、芳醇な香りを楽しみたい。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | 焙煎麦焼酎 | グアテマラ産ブルボン酒 ブラジル産ムンドノーボ種 コロンビア産ティピカ種 |
・ベトナムコーヒー焼酎 CAFEKO
CAFEKOはコーヒー豆の生産大国ベトナムでつくられるコーヒーリキュール。
コーヒー豆はベトナム産ロブスタ種を使用。
ベースにはインディカ米で造ったベトナム焼酎(ライススピリッツ)を使い、
糖類無しでつくられている。
苦味と酸味とコクのバランスが良い。
度数は25%とやや高め。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | ベトナム焼酎 | ベトナム産ロブスタ種 |
・ハノイ・コーヒーリキュール
ハノイはコーヒー豆の生産が盛んなベトナムでつくられるコーヒーリキュール。
ベースにはベトナムの米で造られた焼酎を使用。
米焼酎なのですっきりとした味わいに、コーヒーの苦味が感じられる。
度数は25%。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | ベトナム焼酎 | ベトナム産 |
・老舗喫茶店の水出し珈琲のお酒
奈良県の酒蔵 奈良春日山酒造(旧八木酒造)が、
県内の老舗喫茶店 フジエダ珈琲のバリスタ監修のもとつくったリキュール。
水出しで時間をかけてコーヒーを抽出し、糖類は使わずこだわり持ってつくられた。
豆はバリスタによるオリジナルブレンド。
醸造アルコールをベースに、度数は6%と低め。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
6% | 醸造アルコール | オリジナルブレンド |
●苦甘いエスプレッソリキュール4選
コーヒーリキュールよりも苦味を強調したものがエスプレッソリキュールである。
エスプレッソとは加圧抽出法で淹れたコーヒーのことで、イタリア発祥。
・ベピ・トソリーニ EXPRÈ エスプレッソコーヒーリキュール
ベピ・トソリーニ(BEPI TOSOLINI)社はイタリアのメーカーである。
素材へのこだわりが強く、人工的な香料、着色料などの添加物を一切使わない。
自然の味わいを大事にしてつくられるエスプレッソリキュールである。
コーヒー豆本来の味わいを引き出すことで、自然な苦味やコクを感じられる。
度数は28%とやや高め。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
28% | スピリッツ | アラビカ種 |
・パッリーニ グラン・カッフェ・リクオーレ・ディ・エスプレッソ
イタリアのローマで唯一の蒸留所 パッリーニが手掛けるコーヒーリキュール。
45%のコーヒーを6ヶ月間熟成させてつくられる。
コーヒーの苦味とほどよい甘味が感じられる。
度数は29%とやや高め。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
29% | スピリッツ | ?? |
・エスプレッソコーヒーリキュール アレリカ
島根県の老舗酒蔵 一宮酒造がつくるエスプレッソリキュール。
看板清酒は『石見銀山』。
深煎りのコーヒー豆を使用してビターに仕上げている。
ベースに日本酒を使用しているのでまろやかな味わいになっている。
度数は12%で飲みやすい。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
12% | 日本酒、 醸造アルコール | ?? |
・久米仙 泡盛珈琲
沖縄県で泡盛を手掛ける酒蔵 久米仙酒造がつくるエスプレッソコーヒーリキュール。
自社の泡盛をベースに、沖縄県産の黒糖と、エスプレッソコーヒーをブレンド。
ほどよい甘味と苦味が味わえる。
キャラメルのような風味は黒糖由来か、香料か。
度数は12%で飲みやすい。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
12% | 泡盛 | ?? |
●その他のコーヒーリキュール【日本】11選
日本国内でつくられているコーヒーリキュールは他にもある。
ベースが日本酒や焼酎、みりん、泡盛であることが特徴。
・ゆきくら珈琲酒
新潟県の老舗酒蔵 玉川酒造がつくるコーヒーリキュール。
看板清酒は『玉風味』。
新潟市にある鈴木コーヒーの『雪室珈琲』を使用したコラボ商品。
まろやかな味わいと、豊かな風味が特徴。
度数は12%あるが、アルコールを感じさせない飲みやすさ。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
12% | 日本酒 | ?? |
・ブルーマウンテン入り 珈琲酒
鳥取県にあるコーヒー豆の専門店澤井珈琲が手掛けるコーヒーリキュール。
ブルーマウンテンを使用しており、香り高く、苦味、酸味、コクのバランスが良い。
鳥取県の老舗酒蔵が造る日本酒をベースにすることで風味がより広がる。
度数は16%。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
16% | 日本酒(純米酒) | ブルーマウンテン |
・銀座のすずめ 珈琲
大分県の老舗酒蔵 八鹿酒造がつくるコーヒーリキュール。
自社で造る麦焼酎にブラジル産のコーヒー豆を浸け込んだ。
麦焼酎がコーヒーの苦味を引き立てつつもまろやかな味わいにまとめている。
度数はやや高めの25%だが飲みやすい。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | 麦焼酎 | ブラジル産 |
・あいぼうコーヒーリキュール
オエノングループの秋田県醗酵工業がつくるコーヒーリキュール。
乙類焼酎をベースに、コーヒーエキスを加えてつくられている。
糖類も加えているが、甘さ控えめですっきりとした味わい。
度数は16%。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
16% | 焼酎乙類、 醸造アルコール | ?? |
・杜氏が淹れた珈琲
熊本県の酒蔵 堤酒造が手掛けるコーヒーリキュール。
自社で造る米焼酎にコーヒー豆を浸漬した。
砂糖を加えているが、すっきりとした味わい。
度数が8%でとても飲みやすい。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
8% | 米焼酎 | ?? |
・コーヒースペシャリテ
福岡県の酒蔵 天盃がつくるコーヒーリキュール。
自社の麦焼酎をベースに、ホンジュラス産のコーヒー豆と有機栽培の黒蜜を使用。
苦味、酸味、甘味のバランスが良く、しっかりとしたコクも感じられる。
度数は25%あるのでの、ゆっくりと飲みたい。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | 麦焼酎 | ホンジュラス産 |
・Rincha コーヒー×みりん
愛知県の九重味醂がつくるコーヒーリキュール。
自社で造る本みりんをベースに、深煎りのブラジル産コーヒー豆を浸け込んだ。
本みりんが持つやさしい甘さと、コーヒーの苦味が絶妙にマッチしている。
度数は13%と低めなので飲みやすい。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
13% | 本みりん | ブラジル産 |
・戸河内ウイスキーリキュール 珈琲
広島県のサクラオブルワリーアンドディスティラーが手掛けるコーヒーリキュール。
自社で造るブレンデッドウイスキー『戸河内』をベースに使用。
炭焼き焙煎されたコーヒー豆を使用しているため、香ばしい風味が漂う。
バランスの良いブレンデッドウイスキーが味わいをまろやかにまとめている。
ウイスキーを使っているが度数は18%でそれほど高くない。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
18% | ウイスキー | ?? |
・クレーム・ド・コーヒー モカ
製菓向け洋酒を手掛けるドーバー酒造がつくるコーヒーリキュール。
製菓向けであり、クレームと付いているので甘味が強い。
深煎りしたエチオピア産の豆の苦味は、甘さにも負けずに存在感を示す。
度数は25%で、しっかりとしたアルコール感もある。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | スピリッツ | エチオピア産 |
・珈琲酒<コーヒーチュウ>
麒麟麦酒がつくるコーヒーリキュール。
深煎りのコーヒー豆をアルコールに浸漬し、コーヒー成分を引き出した。
やさしい甘さと、苦味とコクが味わえる。
度数は17%。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
17% | スピリッツ | ?? |
・夜のCoffee コーヒーのお酒
サントリーがつくるコーヒーリキュール。
ベースにブランデーとラムを使用しているため豊かな香りが楽しめる。
度数が8%なので、食後に軽く飲むのにちょうどよい。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
8% | ブランデー、ラム | ブラジル産 |
●その他のコーヒーリキュール【世界】11選
海外でもコーヒーリキュールはたくさんつくられている。
日本で購入できるものを中心に紹介しよう。
・イェーガーマイスター コールドブリュー コーヒー
ドイツでつくられるハーブリキュール イェーガーマイスターに、
アラビカ種のコーヒーとカカオを加えたもの。
通常のイェーガーは56種のハーブやスパイスなどが使われており、
薬っぽい味わいがするので好みが分かれる。
このコールドブリュー コーヒーは、
ハーブリキュールの材料の一つとしてコーヒーを使っているものである。
香りや味わいもハーブに隠れてわずかにコーヒーが感じられる程度。
イェーガーの一味違った一面が体感できるだろう。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
33% | スピリッツ | アラビカ種 |
・フェア カフェ
フェアトレードによるお酒を扱うフランスのメーカー フェアがつくるコーヒーリキュール。
フェアトレードで購入したメキシコ産アラビカ種のコーヒー豆を、
ゆっくりと時間をかけて焙煎した後、ウォッカに7日間浸漬する。
加糖し、コニャック地方の水で度数を22%に調整する。
コーヒーが持つナッツ系の豊かな香りが感じられる。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
22% | ウォッカ | メキシコ産アラビカ種 |
・グランダッド ジャックス バーバーショップ コーヒーリキュール
オーストラリアでつくられるハンドクラフトのコーヒーリキュール。
ベースに葡萄の皮から造った蒸留酒を使うのは珍しい。
プロバリスタが焙煎した豆を使用し、
ココナッツ、ユーカリ、シナモン、バニラでフレーバーを加えている。
コーヒーの香りと、その他のフレーバーが混ざり、複雑さを増す。
温めるとブドウ由来の香りが良く感じられる。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | ブドウマルクスピリッツ (葡萄の皮の蒸留酒) | オリジナルブレンド |
・ベルタ ディ ネーロ クレマ アル カッフェ
イタリアのベルタ社が手掛けるコーヒーリキュール。
ベルタ社のグラッパ(ブドウの搾りかすから造る蒸留酒)は世界中で飲まれている。
ベースには自社製のグラッパを使用。
イタリアで日曜の午後をドルチェで楽しむ感覚でつくられているため甘め。
温めるとグラッパの香りが引き立つ。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | グラッパ | ?? |
・ジファール カフェ
フランスの老舗リキュールメーカー ジファールがつくるコーヒーリキュール。
コーヒーの香りとバニラ、ヘーゼルナッツの風味が感じられる。
使用する砂糖はこだわりのフランス産甜菜糖を使用。
度数は20%あるがそれほどアルコール感を感じない。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
20% | スピリッツ | ?? |
・サン オブ ア ガン コーヒーリキュール
イギリスのチャタムにあるコッパーリベット蒸留所がつくるコーヒーリキュール。
地元穀物から造るグレーンスピリッツをベースに使用。
深煎りアラビカ種をコールドブリューすることによってノーカフェインを実現したという。
味を調整するために少量の砂糖を加えている。
穀物の素朴な風味と、コールドブリューによるコーヒーの穏やかさがマッチしている。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | グレーンスピリッツ | アラビカ種 |
・メラーナー モカ・エーデル
ドイツ ザクセン州でつくられ、長く愛されているコーヒーリキュール。
挽きたてのコーヒーをスピリッツで丁寧に抽出される。
カカオ豆、バニラビーンズを使用することで、甘くコクのある風味を加える。
風味を十分に味わうには冷やし過ぎず、常温かホットがおすすめ。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
25% | スピリッツ | ?? |
・ウイリアム・ヒントン ラム カフェ リキュール
ポルトガル領であるマデイラ島でつくられるコーヒーリキュール。
島産サトウキビの搾り汁から造られるアグリコールラムに、
コーヒー豆と挽いた粉を6ヶ月間浸け込んだ。
さらにサトウキビから精製した糖蜜を加えている。
サトウキビの風味が残るアグリコールラムと、
糖蜜の甘味、コーヒーの苦味が絶妙に混ざり合っている。
ラム好き、コーヒー好きな人にはオススメ。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
23% | 3年熟成 アグリコールラム | ?? |
・フォーセイヴ コーヒーリキュール
アメリカにあるクラフト蒸留所 フォーセイヴと、
ニューヨークのカフェがコラボしたコーヒーリキュール。
ニカラグア産のコーヒーをコールドブリューによって、穏やかな味わいを引き出した。
ベースはサトウキビスピリッツを使用。
タービナドシュガー(精製を最小限に抑えた砂糖)を少量加えることで、味に立体感を出している。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
24% | サトウキビスピリッツ | ニカラグア産 |
・ティアマリア
ティアマリアはイタリアでつくられるコーヒーリキュール。
ジャマイカに移り住んだ欧州人のレシピを再現してつくられている。
コーヒーはコールドブリューで苦味や酸味を抑えてじっくりと抽出される。
さらにマダガスカル産のバニラを使用しており、甘い香りが漂う。
ホワイトラムを使用し、度数は20%。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
20% | ホワイトラム | ジャマイカ産アラビカ種 |
・ボルス コーヒーリキュール
オランダの老舗リキュールメーカー ボルス社がつくるコーヒーリキュール。
コロンビア産のコーヒー豆をラムに漬け込んでつくられる。
バニラも加えられており、甘い香りを放つ。
度数は24%でやや高め。
度数 | ベース | 豆 |
---|---|---|
24% | ホワイトラム | コロンビア産 |
●【超簡単】コーヒーリキュールを自宅で作る
コーヒーリキュールは簡単に自宅で作ることができる。
作り方を3つ紹介しよう。
- インスタントコーヒーを使う
- レギュラーコーヒーを使う
- レギュラー、又は豆を浸け込む
①インスタントコーヒーを使う
もっとも簡単なつくり方。
インスタントのコーヒー粉をお酒に溶かせば出来上がりである。
水と同様にお酒にもよく溶ける。
お酒はお好みでなんでもよい。
日本酒、焼酎(甲類、乙類)、泡盛、ウイスキー、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、、、
ビールに少量のコーヒー粉を混ぜて、スタウトっぽいコクを演出するのもアリである。
甘味も好みで、砂糖、黒糖、蜂蜜、シュガーシロップ、メープルなど、加えてもよい。
ミルクも牛乳、豆乳、穀物系(アーモンド、オーツなど)、クリーム、バニラなど。
簡単に作れるので、自由に好みを追求することができる。
②レギュラーコーヒーを使う
豆を挽いた粉をドリッパーにセットして、お湯の代わりにお酒を注ぐ。
アルコールはコーヒー成分を簡単に抽出することができる。
お酒の温度は常温で問題無い。
出来上がりはやや荒めの味わいになる。
もう少し落ち着いた味わいにしたいなら、
下記に③浸漬によって時間をかけてなじませるのとよい。
③レギュラー、又は豆を浸け込む
梅酒作りと同じような感覚。
用意する材料は以下である。
- コーヒー(レギュラー、又は豆)
- ホワイトリカー
- 氷砂糖
最初は少量から試して、出来ばえを探ったほうがよい。
作り方は容器に材料を入れて放置するだけである。
豆なら2週間、レギュラーなら3日くらいで十分抽出できる。
豆は最初は浮くが、時間が経つと沈む。
時間をかけるほどお酒とコーヒーの味わいがなじむ。
氷砂糖は溶けるのにある程度時間がかかる。
氷砂糖は使わず、ブラックで作って飲む時に加糖してもよいだろう。
とても簡単に作れるので、市販品に好みのものがなければ自作をオススメする。
コーヒー豆、焙煎度、粗さ、お酒、糖類、、、こだわり出すとキリがないが、
コーヒー好きはこだわる人が多いので苦にはならないだろう。
コスパも悪くないと思う。
●あとがき
意外と甘くないコーヒーリキュールはあるのだが、カルーアのシェアが強過ぎる。
コーヒーリキュールにはポテンシャルがあると思うのだが、
なかなか浸透しないのが現状である。
最近ではクラフトジンのボタニカルにコーヒー豆やコーヒーかすを使うものもある。
また、街のコーヒーショップや個人経営のカフェなどで、
オリジナルコーヒーリキュールがメニューに見かけることがある。
お酒なのでタイミングにもよるが、目にしたら注文してみるのもよいだろう。
思いがけない味わいに出会えるかもしれない。