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梅酒の健康効果

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文字数:約2200文字

 梅酒は健康に良いというイメージを持っている人が多い。
具体的にどのような健康効果があるのか説明しよう。

 また、梅酒を飲む時の注意点も合わせて紹介する。
梅酒の健康効果は、梅干や生梅などとごっちゃにされることがあるが、
ここでは梅酒についての話をする。

梅
DerWegによるPixabayからの画像

梅酒の4つの健康効果

 主に以下の4つが梅酒の健康効果として知られている。

  1. 疲労回復
  2. カルシウムの吸収促進
  3. カリウムによる高血圧抑制
  4. 香りでリラックス

 梅はクエン酸とカリウムを多く含む。
梅酒には梅の持つクエン酸やカリウムが多く溶け出している
クエン酸とカリウムが健康に大きく寄与しているのである。

 梅のクエン酸含有量は食品の中でもレモンに次ぐ多さである。
100gあたりの果実でレモンは約3.0g、梅は約1.6gのクエン酸を含む
梅干に加工すると100gあたり約3.4gのクエン酸を含む。

 梅のカリウムは100gあたり240㎎含まれている
バナナ(360mg)、キウイ(300mg)には敵わないが、
梅は果実の中では上位にある。

クエン酸による疲労回復効果

疲労回復
Okan CaliskanによるPixabayからの画像

 クエン酸の2つの働きが疲労回復に関係している。
1つは、疲労物質である乳酸を素早く分解する働き。
もう一つは、糖分解によるエネルギー生産を助ける働き。

 疲れを感じるときは、体内に疲労物質である乳酸が蓄積している。
クエン酸が乳酸を水と炭酸ガスに分解して、体外に排出する。

 さらに疲労回復に必要なエネルギーは糖を分解して得らえる。
糖は唾液に含まれる酵素によって分解される。
クエン酸が唾液の分泌を促進し、糖の分解を助けるのである。

 つまり梅酒を飲むことで、クエン酸が疲労物質である乳酸を分解し、
疲労回復に必要なエネルギーを作り出す助けをするというサイクルができる。

カルシウムの吸収促進

骨

 カルシウムはそのままでは体内への吸収率がよくない。
しかし梅酒の持つクエン酸はカルシウムと結合することで、
吸収率上昇に貢献する。

 カルシウムを効率的に吸収することで、歯や骨を丈夫にしたり
骨粗しょう症の予防や、精神の安定化などに効果がある。

 ヨーグルトやチーズなどのカルシウムの多い食品と合わせて、
梅酒を飲めば効果的である。

カリウムによる高血圧抑制

血圧
Narupon PromvichaiによるPixabayからの画像

 カリウムは血液中の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果がある。
高血圧になると動脈硬化の進行が早まり、心筋梗塞や脳卒中などの病気につながる。
梅酒を飲んでカリウムを摂取することで、血圧上昇を抑えることができる。

 他にも、余分な水分を排出することで、むくみ予防や改善
筋肉や神経の機能維持も期待できる。

香りによるリラックス効果

香り
Jiradet InrungruangによるPixabayからの画像

 梅には甘酸っぱい独特の香りがある。
梅酒にしてもその香りは健在であり、健康効果がある。

 梅の芳香成分は、主にクエン酸とベンズアルデヒドによるものである。
ベンズアルデヒドが嗅覚を刺激すると脳内でα波が発生し、
リラックス効果が得られる。

 梅酒の香りによって、ストレス状態からリラックス状態に移行し、
精神の健康を手にすることができる。

健康的に梅酒を飲むための注意点

注意
OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像

 梅酒の健康効果を上述したが、いくつか注意点がある。
それは飲む量とカロリー、添加物である。

・飲酒量

 梅酒はお酒なので、飲酒量に注意しなければならない。
厚生労働省が作成した飲酒ガイドライン2024年版では、
一日の純アルコール摂取量を、
男性は40.0g未満女性は20.0g未満に抑えることを推奨している。

 梅酒のアルコール度数は商品によってかなり幅がある。
7%のものもあれば、20%を超えるものもある。
ロック(80ml)で10%、15%、20%の梅酒の純アルコール量を計算すると以下のようになる。

度数[%]量[ml]alc比重純alc量[g]
10800.86.4
15800.89.6
20800.812.8

 梅酒の一日の飲酒量は1杯程度にとどめておけば、問題無いだろう。

・カロリー

 梅酒は砂糖などの糖類が使われているため、カロリーが高い
梅酒100ml当たりの糖質が20.7gの場合、カロリーは155kcalとなる。
1杯(80ml)では124kcalとなり、これはご飯1膳(160g)当たり250kcalの半分である。

 健康に良いからといって飲み過ぎれば、カロリーの過剰摂取につながる。
ラベルの成分表示を見て、どの程度のカロリーなのか確認しよう。
商品によって、カロリーオフのものもあるので、探してみるとよい。


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・添加物

 梅酒は梅、お酒、砂糖で作られているが、
商品によっては酸味料や香料などの添加物が使われているものがある。
添加物を気にする人は、原料表示を確認する必要がある。

 また、添加物を使用しない梅酒は『本格梅酒』とする自主基準がある。
本格梅酒と表示されているものは添加物が使われていないので安心できる。
しかし本格梅酒と表示されていないものでも、添加物を使っていないものあるので、
やはり原料表示を確認することが確実である。

あとがき

 梅酒を飲むことによって、肉体的にも精神的にも健康効果が得られる。
ここで紹介した健康効果以外にも、民間伝承的なものや経験則的なものもある。
梅酒の健康効果はまだまだ研究段階であり、これからも新しい発見が期待されている。
梅酒もお酒なので、上手な付き合いかたが重要である。