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ラムの定番商品【バカルディ】

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文字数:約2000文字

 ラムの大定番であるバカルディ
バカルディの製造方法、激動の歴史、ブランドマークなどについて見てみよう。

●基本情報

  • 商品名 :バカルディ
  • 英 字 :BACARDI
  • 創業年 :1862年
  • 創業者 :ドン・ファクンド・バカルディ・マッソ
  • 日本取扱:バカルディ・ジャパン(株)

創始者ドン・ファクンド・バカルディ・マッソ

ドン・ファクンド・バカルディ・マッソ
https://www.bacardi.com/

 創始者であるファクンドは、1814年レンガ職人の子として
スペインのカタルーニャで誕生した。

 16歳の時にワイン商の兄が住むキューバへ移住する。
その後、1844年30歳の時に自身の店舗を持つが、地震や伝染病によって町が荒廃する。

 家族と共に一時、生まれ故郷のカタルーニャへ避難する。
キューバへ戻ると店舗は荒らされており、1855年に倒産した。

 ファクンドはラム産業に目をつけ、ラムの製造技術を研究し始める。
それまで粗く、滋味が強かったラムを、スムースで安定した品質で造ることに成功する。
1862年に共同経営者と蒸留所を購入し、バカルディラムの販売を開始する。

製造方法

バカルディ並行蒸留
https://www.bacardijapan.jp/

 ファクンドはそれまで空気中の野性酵母によって発酵されていたラムを、
サトウキビから発見した酵母を培養・開発することで、品質の向上と安定化に成功する。

 発酵液の蒸留は並行蒸留という方法を用いた。
発酵液を2つに分けて、1つは1回蒸留の風味が残る蒸留液を造り、
もう1つは5回蒸留のライトで高アルコールの蒸留液を造る。

 それぞれの蒸留液を木炭で濾過する(チャコールフィルター)
13種類の炭を使い、雑味を取り除き、これまでにないライトな仕上がりを得る。

 それぞれの蒸留液をアメリカンホワイトオークのバーボン樽で1年熟成させる。
熟成したものをブランドし、最後にもう一度濾過することで透明にする。

 こうしてできあがったバカルディラムは、ライトでスムースな仕上がりとなり、
多くのバーでカクテルのベースとして使われることとなる。

バット・デバイス

バット・デバイス
https://www.bacardijapan.jp/

 バカルディのシンボルとしてコウモリが使われている。
これはファクンド妻であるドーニャ・アマリアが、
蒸留所の垂木にコウモリがぶら下がっているのを見かけ、
シンボルマークしようと提案したのである。

 スペインではコウモリは健康、幸運、家族の団結を象徴する生き物であり、
キューバの先住民であるタイノ族にとっては財産の番人とされていた。

 当時のキューバは識字率が低く、ボトルに文字が書かれていても読めない人が多かった。
バット・デバイスのおかげで、バカルディは『コウモリのラム』として定着したのである。

 現在は生産拠点の自然環境を守るため、コウモリの保護などにも力を入れている。

エル・ココの予言

エル・ココ
https://www.bacardijapan.jp/

 1862年、ファクンドの息子であるエミリオ・バカルディ・モローは蒸留所の敷地内に
ココナッツの木(エル・ココ)を植える。
この木が蒸留所とともに火災や地震、ハリケーンに耐え抜いたのを見て、
バカルディ社はエル・ココが生きている限り、キューバで存続する」とバカルディが語った。

 1877年にファクンドは引退し、86年に亡くなった後も、
子供たちによってバカルディ社は経営が続けられ、
海外でもラム生産を拡大していく。

 創業100年を目前にした1960年にエル・ココが枯れてしまう。
1960年にキューバ革命が起こり、バカルディ社は全資産を革命軍に没収されてしまう。
バカルディがキューバでラムを生産できなくなってしまったのである。

 エル・ココが枯れたことでバカルディはキューバで存続できなくなった、
このことが『エル・ココの予言』といわれている。

 その後、商標と酵母株をキューバから持ち出し、海外拠点で事業を継続することとなる。
現代でもキューバでバカルディラムは見かけることがほとんどないといわれている。

バカルディブランド

バカルディ
https://www.bacardijapan.jp/

 現在バカルディラムのブランドは、ホワイト、ゴールド、ダーク、
長期熟成のリミターダまで多彩に展開されている。

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 ラムから始まった事業は、他の酒類も扱いうようになり、
テキーラのパトロン、ジンのボンベイ・サファイア、スコッチのデュワーズなど、
世界的な酒類販売企業に成長した。
2022年に創業160年を迎えたバカルディ社は、ラム以外にも世界中から注目されている。

あとがき

 バカルディによるラムへの貢献度は大きい。
カクテルにも大きな影響を与え、ラムが四大スピリッツと呼ばれるようになったのも、
ライトラムを造り出したバカルディの功績だろう。
世界の酒類業界でバカルディはなくてはならない存在となった。

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