【Q&A】ウイスキーの疑問解決【基礎編】

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文字数:約4800文字

 ウイスキーに興味を持ち始めた人や、
なんとなく飲んでいるけどよく知らない、という人の疑問に答える。

 よくある疑問を中心に基礎的な内容をまとめた。
さらに深く知りたい人には【中級編】【データ編】を参考にしていただければと思う。

疑問
ChenによるPixabayからの画像

ウイスキー疑問【基礎編】

Q1 アルコール度数は?

A1 40%以上

 ウイスキーの主要生産国では40%以上と定義されている
例えば、『ジャパニーズウイスキー』と名乗るには、
40%以上のアルコール度数でなければならない。

 しかし市販されているウイスキーの中には37%などのものもある
これは『ジャパニーズ』とは名乗れないが、ウイスキーという品目ではあるので問題ない

Q2 ウイスキーの原料は?

A2 穀物(モルト(大麦麦芽)、小麦、ライ麦、コーンなど)、酵母、水

 ウイスキーは穀物と酵母と水を原料として造られる。
(例外があり、サトウキビの糖蜜を使ったものもウイスキーと呼ぶ国がある)

 穀物の種類によって、呼び名が変わる。
モルト(大麦麦芽)を使うとモルトウイスキー
ライ麦を使うとライウイスキー。
コーンを使うとコーンウイスキー。
複数の穀物を混ぜたものを使うとグレーンウイスキー。

Q2-1 モルトウイスキーとは?

A2-1 モルト(大麦麦芽)を使って造られたウイスキー

 多くの国ではモルトを100%使用したもののみをモルトウイスキーと呼ぶ。
主に単式蒸留器が使われるが、連続式蒸留機を使ったモルトウイスキーも存在する。

大麦麦芽

Q2-2 グレーンウイスキーとは?

A2-2 複数の穀物を使って造られたウイスキー

 複数の穀物をブレンドして造られたものをグレーンウイスキーと呼ぶ。
主に連続式蒸留機が使われるが、単式蒸留器を使ったグレーンウイスキーも存在する。
国によっては、穀物の原料配合比で呼び名が変わることがある。

Q2-3 ブレンデッドウイスキーとは?

A2-3 モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたもの

 世界中で消費されるウイスキーの8割以上がブレンデッドウイスキーである。
日本でも消費量の大半の割合を占めるのがブレンデッドウイスキーである。

Q3 ウイスキーの主要国はどこ?

A3 スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本

ウイスキー5大生産国

 ウイスキーの5大生産国がスコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本である。
それぞれに特有の呼び名がある。
『スコッチ』『アイリッシュ』『バーボン』『カナディアン』、『ジャパニーズ』である。
これらを名乗る(表記する)ための定義が制定されている。

Q4 ウイスキーの語源は?

A4 『生命の水』を意味するラテン語

 ラテン語で『生命の水」を意味する『アクアヴィテ』が
ゲール語に置き換わた『ウシュクベーハ』や『ウスカバッハ』に由来する。
ゲール語は現在のイギリス周辺で使われていた。

Q5 ウイスキーの発祥地はどこ?

A5 スコットランド or アイルランド

 正確な発祥地は定かではない
スコットランドかアイルランドが発祥とされているが、
お互いに決定的な証拠が見つかっていない。

Q6 ウイスキーはいつ頃から造られ始めた?

A6 15世紀後半には造られていた

 スコットランドの文献に、1494年にウイスキーが造られていた記述がある。
つまり造られ始めたのは1494年よりも以前となる。

 1170年には、イングランド兵が『アクアヴィタ』をアイルランド人が飲んでいたとの報告が残る。
しかしこの『アクアヴィタ』がウイスキーのことを指すかは不明。

Q7 Whisky』と『Whiskey』、綴りの違いは?

A7 スコッチ系がWhisky、アイリッシュ系がWhiskey

ウイスキーの綴り

 アイリッシュウイスキーがスコッチウイスキーとの
差別化を図るための広告戦略として、”e”を付けた。

 19世紀後半、世界中で人気が高まっていたスコッチウイスキーに対抗して、
差別化と独自性を強調するためにアイリッシュウイスキーは『Whiskey』と表記し始めた。
そして、アメリカでもアイルランド移民が手掛けるウイスキーには『Whiskey』と表記された。

 しかし、現在ではアイリッシュウイスキーでも『Whisky』と表記するものや、
アメリカンウイスキーでも『Whiskey』を『Whisky』に変更したブランドもある。

Q8 ウイスキーの飲み方は?

A8 ストレート、ロック、水割り、ハイボール、、、

 飲み方は自由である。
そのままストレートで飲んでも良いし、氷を入れてロックでも良い。
ウイスキーと水を1:1で割るトワイスアップ、水割り、お湯割り、
ハイボール、カクテルなど好みの飲み方で良い。

 ただし、高級なウイスキーはまずストレートがオススメである。
ウイスキー本来の香りや味わいを感じてから、好みの飲み方で飲む。

Q9 国ごとのウイスキーの違いは?

A9 それぞれの国で定義がある

 国によってウイスキーの定義が違う。
各国の違いを知ることで、ウイスキーの素性を把握できる。
以下の定義に準じていなくても、ただの『ウイスキー』と表記はできる

Q9-1 スコッチとは?

A9-1 スコットランドで造られるウイスキー

 以下に準ずるものが『スコッチ』と名乗れる。
(さらに細かい決まりがあるが、以下が主なものである)

  • 原料:穀物、酵母、水
  • 製造:スコットランド
  • 熟成:オーク樽で3年以上
  • 度数:40%以上

Q9-2 バーボンとは?

A9-2 アメリカで造られるウイスキーのひとつ

 以下に準ずるものが『バーボン』と名乗れる。
(さらに細かい決まりがあるが、以下が主なものである)

  • 原料:コーン(50%以上80%未満)、穀物、酵母、水
  • 製造:アメリカ
  • 熟成:内側を焦がしたオークの新樽で2年以上
  • 度数:40%以上

 アメリカではバーボン以外にも、
テネシーやライ、コーンなどが多く造られている。

Q9-3 アイリッシュとは?

A9-3 アイルランドで造られるウイスキー

 以下に準ずるものが『アイリッシュ』と名乗れる。
(さらに細かい決まりがあるが、以下が主なものである)

  • 原料:穀物、酵母、水
  • 製造:アイルランド
  • 熟成:木樽で3年以上
  • 度数:-

Q9-4 カナディアンとは?

A9-4 カナダで造られるウイスキー

 以下に準ずるものが『カナディアン』と名乗れる。
(さらに細かい決まりがあるが、以下が主なものである)

  • 原料:穀物、酵母、水
  • 製造:カナダ
  • 熟成:木樽で3年以上
  • 度数:40%以上

Q9-5 ジャパニーズとは?

A9-5 日本で造られるウイスキー

 以下に準ずるものが『ジャパニーズ』と名乗れる。
(さらに細かい決まりがあるが、以下が主なものである)

  • 原料:大麦麦芽、穀物、酵母、水
  • 製造:日本
  • 熟成:3年以上
  • 度数:40%以上

Q10 賞味期限は?

A10 無し

 アルコール度数が高いため、腐敗することはないし、カビも生えない。
適切に保管すれば、数十年でも問題なく飲める。

Q11 保管方法は?

A11 冷暗所に保管する

 日光の当たるころに置かないこと。
温度変化の激しいところに置かないこと。
瓶内の残量が少なくなると、酸化が進みやすくなるので、
飲み切るか、小さな瓶に移す。

Q12 ウイスキーの製造方法は?

A12 製麦→糖化→発酵→蒸留→熟成

 これはモルトウイスキーの製造方法である。

  • 製麦:大麦を発芽させる
  • 糖化:製麦した大麦のデンプンを糖に分解する
  • 発酵:酵母を加えて糖をアルコールに分解する
  • 蒸留:発酵液を蒸留してアルコール度数を高める
  • 熟成:蒸留液を樽で熟成させる

Q13 ウイスキーができるまでどのくらいかかる?

A13 蒸留までが1カ月弱、熟成は最低3

 おおよその目安は以下の通りである。
製麦に1~3週間。
多くの蒸留所が製麦業者から製麦済みの大麦麦芽を購入している。
糖化に1~2日、発酵に2~4日、蒸留に1日。

Q14 蒸留器(ポットスチル)はなぜ銅製?

A14 銅が硫黄化合物を吸着する

 マイナス面の多い臭い成分の硫黄化合物を銅が吸着する。
硫黄化合物が減少することで、相対的に好ましい香り成分が増える。
銅製でない蒸留器もある。

Q15 ポットスチルの形状の種類は?

A15 ストレート型、ランタン型、バルジ型(ボール型)など

ポットスチルの形状

 蒸留所によってポットスチルの形状は様々である。
さらに大きさやラインアームの角度など、全く同じものは1つもない。

Q15-1 ポットスチルの形状で何が変わる?

A15-1 香りに大きな影響を与える

 形状は蒸気の対流に大きな影響を与える。
ストレート型は重厚でリッチに、
ランタン型、バルジ型は軽快で華やかな、フルーティな香りが得られやすい。

Q15-2 ポットスチルの大きさで何が変わる?

A15-2 香りに大きな影響を与える

 大きさは蒸気が上部に到達するまでの時間に影響を与える。
ポットスチルが大きいほど軽やかでフルーティな香りとなり、
小さいと原料由来の重厚な香りとなる。

Q15-3 ラインアームの向きで何が変わる?

A15-3 上向きになるほど香りは軽快になる

 ラインアームが上向きだと、下部に戻される蒸気の割合が増える。
つまり、よりフルーティーな香り成分が得られる。

Q16 単式蒸留はなぜ2回以上行う?

A16 蒸留1回ではアルコール度数が低いため

 1回目の蒸留では25%前後のアルコール度数が得られる。
2回目の蒸留で68%前後のアルコール度数が得られる

Q17 なぜ樽熟成させる?

A17 樽由来の風味を付与するため

樽熟成

 樽熟成することで、樽由来の風味を付与することができ、複雑味が増す。
樽の種類によって、個性が大きく変わる。
主に使わる樽の種類にはバーボン樽とシェリー樽がある。

Q18 シェリー樽とバーボン樽の違いは?

A18 付与される香りが違う