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     更新日:2022年7月31日

    文字数:約1600文字

     ジンの特徴を決定づけるのはボタニカルである。
    原料となるボタニカルに何を用いるかによって、ジンの9割が決まると言っても過言ではない。

    ボタニカルとは

     ジンの原料としてのボタニカルとは、香草や薬草の草根木皮、花や葉、果物や種子などを指す。
    蜜や樹液、海藻、貝殻なども用いられ、ジンの原料としてのボタニカルに決まり事はない。

     ボタニカルの状態も、乾燥させたもの、のもの、粉末冷凍などさまざまである。
    さまざまな状態のボタニカルから、どのようにして香りや味わいを抽出するかが、
    ジンの醍醐味の一つである。

    ボタニカル
    Bruno /GermanyによるPixabayからの画像

    ボタニカルの種類

     ジンに使われるボタニカルの種類は何百とあり、さらに産地の違いもある。
    その中でも特によく使われているものが以下となる。
    ちなみに、ジュニパーベリーはジンに必須の材料である。

    ・ジュニパーベリー(Juniper Berry

    ジュニパーベリー
    Pirkko SeitsenpisteによるPixabayからの画像

     ジンには欠かせない最重要材料
    ジュニパーの香りがないものは、ジンと呼べない。

     和名では西洋杜松(セイヨウネズ)と呼ばる、常緑高木の針葉樹。
    ジュニパーベリーは青い実から黒く熟すまで、2~3年かかる。
    黒く熟した実を採取し、乾燥させてから使われることが一般的。
    イタリアやマケドニアのものが良質とされている。

     ジン以外では、ジビエなどの臭みの強い肉料理に香り付けとして使われたり、
    エッセンシャルオイルとしても利用されている。

    ・コリアンダー(Coriander)

    コリアンダー
    Григорий КалюжныйによるPixabayからの画像

     ジュニパーベリーに次いで、多く使われている。
    コリアンダーは英語だが、タイ語ではパクチーである。

     パクチーの香りは葉や茎からのもので、種からはレモンのような香りがする。
    ジュニパーとの相性が良く、主に種(シード)が使われる

     葉や茎はタイ料理などによく使われるが、種もスパイスとして利用されている。

    ・アンジェリカ(Angelica)

     セリ科の植物で、主に根(ルート)が使われる
    アンジェリカルートを使うことで、他のボタニカルとの一体感を得ることができる。
    ボタニカルを多く使うジンには、まとめ役として用いられることが多い。

     ジン以外ではアロマオイルとして、鎮静作用を得るために用いられている。

    根
    PicographyによるPixabayからの画像

    ・オリス(Orris)

     アヤメ科の植物で、イリスやアイリスと呼ばれることもある。
    主に根(ルート)が使われる
    オリスルートは、他のボタニカルの香りをまとめる役割を果たす。
    アンジェリカルートと同様の働きだが、まとめるボタニカルの種類が違う。

     オリスの根は収穫までに2~3年かかり、さらに乾燥・熟成にも2~3年かかる。
    このため、希少価値が高く、高価な材料となる。

    ・リコリス(Liquorice)

     マメ科の植物で、スペインカンゾウ(甘草)とも呼ばれる。
    甘草という名の通り、強い甘味がある。
    主に根(ルート)が使われる

     ジンに甘みを加えて味を調節し、まろやかにする。
    香りは新鮮な緑の爽やかさがある。

    ・シナモン(Cinnamon)

    シナモン
    Theo CrazzolaraによるPixabayからの画像

     クスノキ科の常緑高木で、主に樹皮が使われる
    別名として、桂皮、ニッキ、ニッケイと呼ばれる。
    近縁種に、インドシナ半島に分布するカッシアや、日本のヤブニッケイなどがある。

     ジンに、甘くスパイシーな香りを与える。
    よく見かけるシナモンスティックは樹皮を丸めたもので、
    蒸留には粉末にしたものを使う。

    ・柑橘系ピール(Citrus Peel)

    柑橘系
    PublicDomainPicturesによるPixabayからの画像

     レモンオレンジ、グレープフルーツなどの柑橘系フルーツの皮がよく使われる
    これらの皮を乾燥させたものから香り成分を抽出する。
    それぞれの香りは想像通りである。

    ●あとがき

     ジンの自由度の高さが、さまざまな材料を受け入れている。
    さまざまな材料に対して、適切な方法で成分を抽出する。
    材料が多くなればそれらをまとめる難易度が上がる。
    自由度が高いと、選ぶのも一苦労だろう。
    製造者の腕の見せ所である。