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ジンの定番商品【ビーフィーター】

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文字数:約1100文字

 ジンは他のお酒に比べて、日本での定番商品がはっきりしている。
これまで、あまり種類がなかったことが要因だろう。

 現在はクラフトジンも増えたが、ジントニックやマティーニなどの
クラシックカクテルには定番のジンが使われる
味、品質、流通が安定している
ことが重要である。
バーなどに常備されているジンを見てみよう。

基本情報

ビーフィーター
https://www.beefeatergin.com/en-EN

●ボタニカル

 ビーフィーターのボタニカルは、以下の9種である。

  1. ジュニパーベリー
  2. コリアンダーシード
  3. アンジェリカシード
  4. アンジェリカルート
  5. オリスルート
  6. リコリス
  7. アーモンド
  8. レモンピール
  9. セビルオレンジピール

 薬剤師であったジェームス・バローが選び抜いた材料である。
シトラス系(レモンやオレンジ)の材料を初めて取り入れたのが、
ビーフィーターだと言われている。

オレンジピール
https://beefeater.jp/gin/

 スペイン セビリアのオレンジは、バローが知り合いの貿易商から入手していた。
現在も伝統を守り、セビルオレンジが使われ続けている。

 これらのボタニカルは、蒸留液に24時間も浸漬され、成分抽出が行われる。
長時間かけて抽出されたものを再蒸留して、中心部(ハート)のみを取り出す。
蒸留の始めと終わりの部分をカットすることで、雑味のない安定した味わいが得られる。

名前の由来

ビーフィーター
https://www.beefeatergin.com/en-EN

 ビーフィーターの名前の由来は、「ビーフイーター(Beef Eater)」である。
ビーフイーターとは直訳して牛肉喰いのことである。

 ラベルに描かれているのは、ロンドン塔を守る衛兵であり、
ヨーマン・ウォーダーズと呼ばれている。

 この衛兵は、王室主催のパーティーで残った牛肉を持ち帰ることが許されていた
当時は貴重だった牛肉を食べれることをうらやましがられ、ビーフイーターと呼ばれた。
ロンドン塔を守り続ける衛兵に、自社のジンも守り続けてもらおうということで、
商品名をビーフイーターとしたのである。

●あとがき

 牛喰い(Beef Eater)という名前を付けたり、それまでなじみのなかったシトラスを使ったり、
ジェームス・バローはとてもユニークな人だったのだろう。
需要の増加に伴い、製造拠点を移し、ビーフィーターをどんどん大きくしていった。
いまだにロンドンでジンの製造を続けている大手はビーフィーターくらいである。
ビーフィーターは衛兵に守られ続けるのだろう。

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