• お酒全般の情報ブログ

     更新日:2022年9月14日

    文字数:約2200文字

     お酒は大きく、『醸造酒』『蒸留酒』『混成酒』に分類される。

    醸造酒蒸留酒混成酒
    概略原料をアルコール発酵
    させたもの
    醸造酒を蒸留したもの醸造酒や蒸留酒に
    副原料を加えたもの
    度数5~14%40%ピンキリ
    代表例ビール、日本酒、ワインウイスキー、焼酎、
    ブランデー、ウォッカ、
    ラム、テキーラ、ジン
    梅酒、リキュール、
    ヴェルモット、みりん

    ●醸造酒

     穀物や果実などを酵母によって、アルコール発酵させたものが醸造酒である。

    ・原料

    醸造酒の原料は、果実や穀物、蜂蜜などの糖やデンプンを含むもの
    ビールは大麦、日本酒は米、ワインはブドウを原料としている。
    他にもシードルはリンゴ、ミードは蜂蜜、馬乳酒は馬乳などがある。

    ・発酵方法

     発酵方法は、『単発酵』『単行複発酵』『並行複発酵』の3つがある。
    原料が糖分を持っているかどうかで発酵方法が決まる。

    ・単発酵

     原料が糖分を持っている場合、酵母によってアルコール発酵がすぐにできる
    果実やサトウキビ、蜂蜜などの原料は糖分を含んでるので単発酵が可能。
    ワインやシードル、ミード、乳酒などが単発酵で造られる。

    ・単行複発酵

     原料が糖分を持っていない場合、糖分をつくる必要がある
    原料が持つデンプンを酵素の力で分解し、糖化する
    得られた糖を酵母によってアルコール発酵させる。
    糖化と発酵を分けて行うため、単行複発酵という。

     主に穀物からお酒を造る際に、単行複発酵が使われる。
    ビールは大麦の麦芽酵素を使って糖化している。

    ・並行複発酵

     単行複発酵と同様に、糖化と発酵が必要。
    糖化と発酵を同時に並行して行うため、並行複発酵という。
    主に日本酒や東アジアのお酒を造る際に、使われる。
    日本酒は麹菌を使って糖化している。

    発酵
泡
    chenspecによるPixabayからの画像

    ・アルコール度数

     酵母は糖を、アルコールと二酸化炭素に分解する
    糖が多ければアルコール度数は高まるが、限界がある。
    酵母はアルコール度数が高まると失活(死滅)してしまう。
    高アルコール環境で活動できる酵母でも22%程度が限界とされている。

     醸造酒のアルコール発酵には限界があるが、他の方法で度数を高めることができる。
    酒精強化ワインのように蒸留酒を混ぜるとか、ボックビールのように氷結法を使うなど。
    どこまでを醸造酒と呼ぶかの意見はさまざまでる。

    ・歴史

     すべてのお酒の起源とされるのが、蜂蜜酒のミードである。
    1万年以上前に偶然できたと言われている。
    蜂蜜と水と自然酵母によって偶然できたものを口にしたことが、お酒の始まり。

    蜂蜜
    Piotr EliaszによるPixabayからの画像

    ●蒸留酒

     原料をアルコール発酵させたものを、蒸留して度数を高めたものが蒸留酒である。
    代表的なものとしてジンが含まれるが、個人的にはジンは混成酒に含まれるのではと考えている。

    ・蒸留

     蒸留とは、沸点の差を利用して水とアルコールを分離する方法。
    水の沸点は100℃に対して、アルコール78.3℃である。
    醸造酒(もろみ)に熱を加えると、沸点の低いアルコールが先に蒸気になる。
    その蒸気を集めて冷やすと液体になり、アルコール度数の高い蒸留液が得られる。
    蒸留方法には主に『単式蒸留』と『連続式蒸留』の2つがある。

    蒸留

    ・単式蒸留

     蒸留器を使い、一回の蒸留を行う方法。
    一度の蒸留では高アルコール化できないが、原料由来の香りや味わいが多く残る
    求めるアルコール度数によって、蒸留を繰り返し行う。

    ・連続式蒸留

     蒸留機を使い、一度に複数回の蒸留を行う方法。
    一度の蒸留で高アルコール化が可能で、無味無臭に近くなる
    安価に大量生産する際に用いられることが多い。

    ・アルコール度数

     蒸留後のアルコール度数はかなり高くなるが、製品化する際に加水して調整される。
    蒸留によるアルコールの限界は96%である。
    通常の蒸留ではこれ以上、水とアルコールを分離することができない。

    ・歴史

     蒸留方法自体は紀元前から存在し、主に薬作りに使われていた。
    その後、中世の時代に錬金術師によって、金の錬成や不老不死の研究の過程で、
    香水や薬草酒が造られるようになった。
    醸造酒、混成酒に比べると歴史は浅い。
    蒸留時の蒸気が、(精霊、幽霊)のように見えることからスピリッツと呼ばれた。

    蒸気
    Gerd AltmannによるPixabayからの画像

    ●混成酒

     醸造酒や蒸留酒に香料や糖分などを添加したもの。
    添加するものは、香草薬草など草根木皮や、果汁などの液体、合成調味料などさまざまである。
    さらに添加物からの香料やエキスの抽出方法も多々あり、
    お酒としてのバリエーションがとても豊富である。
    アブサンやハブ酒も混成酒に入る。

    ハーブティー
香草薬草
    scymによるPixabayからの画像

    ・リキュール

     リキュールの定義は国によってバラバラであるが、主に蒸留酒を使ったもののことを指す。
    混成酒=リキュールではなく、混成酒の中の一つの分類になる。
    蒸留酒を使う理由は、アルコール濃度が高いほうが抽出しやすい成分があることと、
    水よりもアルコールのほうが混ざりやすい材料・成分があるためである。

    ・歴史

     歴史は紀元前4世紀ごろと考えられている。
    昔のお酒はさまざまな味付けがされていた。
    ビールもホップが使われる前は、何種類もの香草を使っていたことが知られている。
    混成酒という分類が後追いでできたため、例外的な扱いのお酒があるのが現状。

    ●あとがき

     世界中でさまざまなお酒が造られている。
    新しい技術を使って、新しい材料から、新しいお酒が造られる。
    将来的には現在の3分類では対応できなかるかもしれない。
    例えば、現在でもビールの最高アルコール度数は67.5%のものを、ビールに分類するのか、
    などの議論があったりする。
    人が決めた分類に全てを当てはめることは困難であろう。