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ビールを変えた三大発明とは?近代ビールの技術革新を解説

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文字数:約1300文字

 現在のビールは、なぜ安定した品質で造られ、
世界中で同じように楽しめるのか。
その背景には、近代に生まれた重要な技術革新がある。
ここでは、ビールを大きく変えた三大発明に注目し、その役割を整理する。

 かつてのビールは、品質が不安定で保存も難しく、
地域や季節によって味わいが大きく左右されていた。
しかし、低温殺菌法アンモニア冷凍機酵母の純粋培養
といった技術の登場によって、
ビールは安定して大量生産できる飲み物へと進化した。

 これらの発明がどのようにビールを変えたのかを理解すると、
普段何気なく飲んでいるビールの見方も大きく変わる。

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●低温殺菌法

顕微鏡
Konstantin KolosovによるPixabayからの画像

 1865年、フランスの微生物学者 ルイ・パスツールによって
「低温加熱殺菌法」が発明される。

 パスツールは酵母という微生物が活動することで
アルコールができることを突き止めたのである。

 また、ビール腐敗の主な要因は細菌の存在であるとし、
その解決する方法として、
1876年に「ビールに関する研究」とと題して論文を発表した。

 それまでのビールは、味がしだいに劣化・腐敗し、
長期には品質を保つことができなかったが低温殺菌法によって、
ビール生産における最後の難関だった発酵を制御できるようなった。

 その低温殺菌法とは、
摂氏100℃以下(60℃前後)の温度で長時間(20~30分間)加熱することで、
雑菌の繁殖を抑えるとともに酵母の働きも止めることができる技術。

 この技術は世界各地のビール醸造所に広がり、
保存期間や輸送範囲が広がった

●アンモニア冷凍機

氷
BrunoによるPixabayからの画像

 1873年、ドイツ人技術者のカール・フォン・リンデによって
「アンモニア式冷却機」が開発された。

 ラガービールに代表される下面発酵酵母を用いたビールは、
低温で発酵させる必要があるため、造られる季節や場所が限られ、
ラガーを味わえる人も限られていた。

 これを解決するべく開発されたのが、
大量の氷をつくることができる冷凍機である。

 その後改良が加えられ、アンモニア式となった冷凍機によって、
従来、醸造の季節は冬だったものが、一年中可能になった。

 この発明で、発酵・貯蔵中のビールを冷やすことができるようになった。

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酵母の純粋培養

カールスバーグ
KEN KAMINAGAによるPixabayからの画像

 1883年、デンマーク コペンハーゲンのカールスバーグ醸造所で、
エミール・クリスチャン・ハンセンによって「酵母の純粋培養」に成功。

 ハンセンはビールの腐敗原因が、
パスツールが解明した細菌の繁殖によるものだけでなく、
野生酵母の繁殖によるものであると考え、良い酵母だけを取り出し、
それを純粋に培養して増殖させる純粋培養法を確立した。

 つまり、ビール造りに適した酵母を選び、増やすことができるようになった。
純粋な酵母は均一で良質なビールの大量生産を可能にし
価格を下げ、大衆飲料への道を切り開いた。

●あとがき

 低温殺菌法で保存期間と輸送範囲を広げ、
アンモニア冷凍機で一年中生産できるようなり、
純粋培養で品質が上がり大量生産できるようになって、
値段が下がり大衆化した。
日本でも明治時代(1868年~)はコース料理が約6銭に対して、
瓶ビール大が約26銭という記録から、かなりの高級品だった。
三大発明によって安くはなったが、その後日本では酒税によって海外よりも
2倍程の価格になっているのが現状である。
産業革命時代の技術革新を経て、今後のビール産業の変化が楽しみである。