日本酒の発酵

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文字数:約700文字

 日本酒は発酵方法は同じ醸造酒の中でも他よりも複雑だ。
醸造酒とは、穀物や果実などを原料として、アルコール発酵させたお酒のことである。

 日本酒、ビール、ワインなどが当てはまる。
焼酎やウイスキーなどは蒸留酒に分類される。

 醸造酒それぞれの原料は日本酒は米、ビールは大麦、ワインはブドウであり、発酵方法が違う。

発酵の種類

 アルコール発酵は糖を分解して行われる。
原料に糖がなければ、糖をつくらなければならない

●ワイン

ワイン
Photo MixによるPixabayからの画像

 ワインは原料のブドウの中に糖が含まれているので、ブドウを潰して酵母で発酵させればよい。
もっとも簡単な単行発酵である。

●ビール

ビール
carolineandradeによるPixabayからの画像

 日本酒とビールの原料である米と大麦には糖が含まれていないため、糖をつくる必要がある。
ビールは大麦を発芽させて酵素をつくり、その酵素にデンプンを分解させて糖をつくる。

 つくられた糖を酵母によって発酵させる。
糖化と発酵を順におこなう、単行複発酵である。

●日本酒

日本酒
Kohji AsakawaによるPixabayからの画像

 日本酒は米を蒸して、麹菌にデンプンを分解させて糖をつくる。
その糖を酵母によって発酵させる。

 この糖化と発酵の作業を同じタンク内で同時に行うので、並行複発酵と呼ばれる。
並行複発酵は繊細な管理が必要で、世界的にみても珍しい。
韓国のマッコリや中国の黄酒が並行複発酵による製造である。


鶏プル発酵鍋

●あとがき

 日本酒をビールと同様の単行複発酵でアルコール発酵させることはできないのか、
と疑問に思われる方がいるかもしれない。
ビールと同程度のアルコール度数(5%)ならば問題無いが、
度数が20%近い醸造酒を造ろうとすると並行複発酵が選ばれる。
アルコール度数を高めるために糖度を高くすると、酵母が活動できなくなる。
糖をつくるのと並行して分解することで低糖度を保ち、酵母を活動させ、
アルコール度数を高めることができる、というわけである。


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