• お酒全般の情報ブログ

     更新日:2022年12月5日

    文字数:約1600文字

    樽について

    樽
    bloomingmimosaによるPixabayからの画像

     蒸留された無色透明の蒸留液は、ニューポット
    またはニュースピリッツと呼ばれ、まだウイスキーとは呼ばれない。
    アルコール度数が65~70%程度あり、刺激が強く、荒々しい。

     樽詰めする際に仕込み水を加えて、アルコール度数を63%程度に落とす。
    このくらいの度数の時に、最も樽材成分がウイスキー中に溶出しやすくなる。

     樽で数年~数十年、熟成させることでまろやかな味わいと、
    美しい黄金色、琥珀色へと変化する

     樽の寿命は60~70年で、最初の詰めから20~30年で中を焼き直すなどの
    メンテナンスをし、さらに20~30年使われる。

    樽の材質

     樽に求められるのは、密度が高く密閉性に優れ
    香味に影響を与えるポリフェノールが豊富であること。

     冷涼な気候で育ったオークの木は、ゆっくり成長し密度が高くなる。
    樹齢100年前後の良質なものが樽に適しているといわれる。

     日本ではオーク(oak)は「カシ(樫)」と「ナラ(楢)」の両方に訳されるが、
    ウイスキー樽に使用されるものはほとんどが「ナラ」材である。

    • 北米産ホワイトオーク
       適度な硬度、強度、耐久性があり、樽材として最も代表的な品種。
    • ヨーロッパ産コモンオーク
       スペイン産のものはスパニッシュオークと呼ばれる。
    • 日本産ミズナラ
       主に北海道産のミズナラが使用される。
       ジャパニーズオークとも呼ばれる。
       オリエンタルなハーブ系の香りがつく。

    樽の大きさ

     ウイスキーに使われる樽は主に3種類ある。
    熟成は容量が大きいものよりも小さいもののほうが早く進む。

    • バレル
       容量180~200リットル。
       バーボンでよく使われるため、バーボンバレルと呼ばれる。
       容量が小さいので、熟成は早く進む。
       主にホワイトオークでつくられる。
    • ホッグスヘッド
       容量約250リットル。
       バーボンバレルを解体し、側板を増やして胴回りを太くした樽。
       この樽にウイスキーを詰めた時の重さが豚(ホッグ)一頭とほぼ同じことから、
       こう呼ばれた。
       ホッグとは食用の豚のこと。
    • バット
       容量約500リットル
       シェリー酒の貯蔵に使われるため、シェリーバットと呼ばれる。
       大きいを意味するラテン語に由来。
       主にスパニッシュオークでつくられる。

    樽の種類

    • バーボン樽
       アメリカンウイスキー、バーボンが詰められていた樽。
       ホワイトオークでつくられている。
       内側を焦がしていあるので、木の香りと甘いバニラのような香りが感じられる。
       色は薄めで金色がかった色味になる。
       現在スコッチの熟成に使われる樽の主流となっている。
    • シェリー樽
       スペインの酒精強化ワイン、シェリー酒が詰められていた樽。
       初期の熟成ではこのシェリー樽しか使われていなかった。
       しかし、近年シェリー樽が不足し、数の豊富なバーボン樽に
       目が向けられるようになった。
       色は濃い赤茶色になる。

    エンジェルズ・シェア

    エンジェル
    kalhhによるPixabayからの画像

     樽で熟成してる間に少しずつ、樽の中のウイスキーが減っていく
    この減った分を天使が飲んだとして、天使の分け前と呼ぶようになった。
    スコットランドでは年間1~2%、寒暖差がある地域ではさらに大きくなる。

     これは蒸散という現象で、夏は樽の中の空気が膨張し、冬は反対に収縮する。
    それに伴い、酒に含まれる水分やアルコール分が蒸気となって樽の外に出ていく。

     また、樽の香味成分が溶出したり、水とアルコールの分子が会合したり、
    このような化学反応が起きることで、風味豊かで美しい琥珀色の液体へと変化していく。
    天使の分け前が多いのは、熟成速度が速いことを意味する。

    あとがき

     最近は樽のバリエーションが増えてきて、挑戦的な試みが見られるようになった。
    熟成にはシェリー樽やバーボン樽が基本だが、後熟にはマルサラワインや
    ラム、テキーラなどの樽が使われる。
    それぞれのお酒の特徴がウイスキーに移り、とても面白いが、
    個人的には失敗したようなものもあるように感じる。
    小さい樽でもいいから、いつか自分で樽を持ちたいものだ。



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