ポートワインの原料

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文字数:約1500文字

 ポートワインの原料となるブドウ品種は多数あるが、
主な品種は、黒ブドウでは5品種、白ブドウでは3品種ある。

ブドウ栽培規定

ポルトガル
ドウロ地域
Mario ZoghebによるPixabayからの画像

 ポートワインが造られるドウロ地域では、ワイン用のブドウが栽培できる土地は決められており、品種によってその区画で栽培できる割合も決まっている

 最低でも60%は栽培しなければならない品種と、最大40%までしか栽培できない品種である。
ポートの原産地呼称を得るためには、多くの決まりごとを守らなければならない。

白ブドウ品種
最低60%
白ブドウ品種
最大40%
黒ブドウ品種
最低60%
黒ブドウ品種
最大40%
エスガナ・カォンアリントバスタルドコルニフェスト
フォルガサォンボアルムーリスコ・ティントドリゼーニョ
ゴウヴェイオセルシアルティンタ・アマレラマルヴァジア
マルヴァジア・フィナコデガティンタ・バロッカペリキータ
ラビガトマルヴァジア・コラーダティンタ・フランシスカルフェテ
ヴィオジーニョモスカテル・ガレゴティンタ・ロリスティンタ・バルカ
//////ドリゼーニョ・ブランコティンタ・カォン//////
//////サマリリョトウリガ・フランカ//////
////////////トウリガ・ナショナル//////

 以下で紹介する黒5種、白3種はいずれも最低60%栽培しなければいけない品種である。

黒ブドウ品種

 主な5品種は、以下の通りである。
これらの品種は、ポルトガルで伝統的に栽培されている。

  • トウリガ・ナショナル (Touriga Nacional)
  • トウリガ・フランカ (Touriga Franca)
  • ティンタ・ロリス (Tinta Roriz)
  • ティンタ・バロッカ (Tinta Barroca)
  • ティント・カォン (Tinto Cão)
黒ブドウ
GutifeによるPixabayからの画像

・トウリガ・ナショナル

 ポルトガルを代表する品種
皮が厚く、濃い色で、タンニンが豊富。
凝縮感のある味わいになる。

・トウリガ・フランカ

 フローラル系の香りが特徴。
害虫や病気に強い品種。
以前は、トウリガ・フランセーザ(フランスという意)と呼ばれていたが、
フランスと関係ないのでフランカと改名した。

・ティンタ・ロリス

 色は薄めだが、タンニンが豊富で、スパイシー。
スペインを代表するテンプラニーリョの別名で、イベリア半島で多く栽培されている。

・ティンタ・バロッカ

 皮が薄いため、タンニンはそれほど強すぎず、ベリー系の味わい。
成熟が早く、糖度が高いため、長期熟成に向く。

・ティント・カォン

 皮が厚く、タンニンが豊富で、フローラル系の香りが特徴。
トウリガ・ナショナルとトウリガ・フランカを合わせたような品種。
成熟がやや遅く、収量が少ないため、希少。

白ブドウ品種

 主な3品種は、以下の通りである。

  • マルヴァジア・フィナ (Malvasia Fina)
  • ゴウヴェイオ (Gouveio ou Verdelho)
  • ヴィオジーニョ (Viosinho)
白ブドウ
Pedro FiguerasによるPixabayからの画像

・マルヴァジア・フィナ

 フレッシュで、軽めなのが特徴。
主にポルトガル北部で栽培されている。
成熟は早いが、病気になりやすく、扱いが難しい。

・ゴウヴェイオ

 フレッシュで、酸がしっかりしており、シトラスの香り。
ポートワインを造るドウロ地方ではヴェルデーリョと呼ばれていたが、
マデイラ島のヴェルデーリョと混同されるため、ゴウヴェイオと呼ぶようになった。

ヴィオジーニョ

 フレッシュで、華やかな香りを持ち、しっかりした味わい。
熟成は早いが、病気に弱い。

あとがき

 ポートワインは、ブドウ品種も大事だが、酒精強化のタイミングと、
熟成期間によって、特徴が決まる。
ブドウ品種が多いのは、栽培や収穫に適してものを取り入れてきたことがうかがえる。
今は原産地呼称制度によって、決められたなかから選ばなければならなくなった。

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