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     更新日:2022年10月21日

    文字数:約2100文字

     テキーラには明確な定義がある。
    テキーラは、メキシコの強いお酒というイメージだけで、原料を知らない人も多い。
    定義を知れば、ぼんやりとしたイメージを払拭でき、興味が深まるだろう。

    テキーラ
    Xavier EspinosaによるPixabayからの画像

    テキーラの定義

     テキーラの定義として、以下7つの条件を満たさなければならない。

    1. 原料は竜舌蘭(リュウゼツラン)の一種、「アガベ・アスル」のみを使用。
    2. メキシコの指定産地5州の「アガベ・アスル」を使い、製造する。
    3. アルコール度数は35~55%。
    4. メタノール含有量3mg/ml以下。
    5. ラベルにNOM番号を記載。
    6. 添加物は1%以下。
    7. 「100%アガベ・テキーラ」は原産地で瓶詰め、
      「テキーラ」は国内外の認定業者で瓶詰め可。

    ①原料は「アガベ・アスル」のみ

    アガベ
    Efrain HernandezによるPixabayからの画像

     200種類以上あるといわれる竜舌蘭という植物の一種、「アガベ・アスル」のみ使う。
    「アガベ・アスル」の学名は、「アガベ・テキラーナ・ウェベル・バリエダ・アスル」である。
    他の種類の竜舌蘭を使ったものは、「テキーラ」と名乗れない。

     テキーラは、「アガベ・アスル」の使用量で二つに分けられる
    「アガベ・アスル」を100%使用したものを「100%アガベ・テキーラ」
    51%以上使用したものを「テキーラ」とされる。

     混ぜる原料としては、サトウキビの糖廃蜜やトウモロコシなどの糖分がある。
    アガベ以外を混ぜることから、「ミクスト・テキーラ」と呼ばれることもある。

    メキシコの指定産地5州の「アガベ・アスル」を使い、製造する

     メキシコの指定産地5州は以下である。

    • ハリスコ州
    • グアナファト州
    • ミチョアカン州
    • ナヤリ州
    • タマウリパス州
    メキシコ地図

     この5州で条件を満たして造られるもののみが「テキーラ」と名乗ることができる。
    これはシャンパンやコニャックなどと同様の原産地呼称である。

     5州での「アガベ・アスル」の栽培・育成から発酵・蒸留までを厳しく管理されている。
    「アガベ・アスル」の生産の9割がハリスコ州である。

    アルコール度数は3555

     出荷時の最終的なアルコール度数が35~55%でなければならいない
    この度数を得るためには、単式蒸留器では2回以上、
    連続式蒸留機では1回以上の蒸留が必要。

     クリアな味を求めて、単式蒸留を3回、4回行う製品もある。
    蒸留後の度数が高くなっても、加水して最終的に範囲内に収まればよい。

    メキシコ
遺跡
    WalkersskによるPixabayからの画像

    メタノール含有量3mg/ml以下

     メタノール(メチルアルコール)は人体に有害で、悪酔いの原因にもなる。
    国や地域によって許容量が違い、日本を含むアジアでは比較的厳しい(1mg/ml)。

     「100%アガベ・テキーラ」では、アジアの1mg/mlの規格を外れるものが多い。
    伝統製法を変えて対策するよりも、混ぜものをして「テキーラ」として
    規格をクリアする手段をとる場合もある。

    ラベルにNOM番号を記載する

     NOMとは、メキシコ公式規格(Norma Oficial Mexicana)のことで、
    テキーラに限らず、法的規制をクリアした生産者にメキシコ政府から
    認定の生産者番号が与えられる。

     テキーラのラベルには4桁のNOM番号が記載されている。
    複数ブランドを展開していても、メーカーは同じなので、
    番号を見ればどのメーカーのものがわかる。

    メキシコ
祭り
    Ernesto RodríguezによるPixabayからの画像

    添加物は1%以下

     水以外の添加物は1%以下でなければならいない。
    添加物は味や香り、風味、色などを調整するためのものである。

    「100%アガベ・テキーラ」は原産地で瓶詰め、
     「テキーラ」は国内外の認定業者で瓶詰め可

     「100%アガベ・テキーラ」は、メキシコでしか瓶詰めできない

     「テキーラ」は、当然原産地で瓶詰めすることもできるが、
    大半が樽に詰められた状態で他地域、他国に移動され、
    正式な認定を受けた瓶詰め業者で瓶詰めされる

     現地で瓶詰めするよりも、販売先や移動しやすい場所で瓶詰めしたほうが
    効率的なのである。

    テキーラ規制委員会(CRT)

     テキーラの定義を策定し、厳正な管理、保証を行っているのが、
    テキーラ規制委員会(CRT:Consejo Regulador del Tequila)である。

     「全国テキーラ産業会議所」が、1994年にCRTを設立した。
    CRTは、非営利団体(NPO)として、テキーラの普及に務めている。

     アガベの栽培から、テキーラ製造の各工程をチェックし、
    規制を管理している。
    国外にも拠点を置き、異物混入や偽造防止を行うことで、品質を保証している。

    テキーラとは

     簡単にまとめると以下のようになる。

    • メキシコの蒸留酒
    • 原料は竜舌蘭(アガベ)という植物
    • 造られる場所はメキシコの指定地域
    • 度数は3555(多くの製品が38%か40)
    • アガベの使用量が100%か、そうでないかで分けられる

     あまり難しく考えずに、気楽にこのくらいを知っていればよいだろう。
    楽しく飲むのが一番である。

    ●あとがき

     お酒の原料の栽培・育成から管理しているのは、テキーラとワインくらいだろうか。
    日本酒の場合は、米は米で管理基準があるだけで、日本酒の原料としてのものではない。
    ビールやウイスキーでも、麦とお酒の管理は別々である。
    メキシコが国をあげてテキーラの普及を進める本気度がうかがえる。



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