更新日:2022年6月8日
文字数:約1400文字
ジンの製造でもっとも重要となるのが、ボタニカルからの成分抽出である。
原料となるボタニカルによって、抽出方法を変えるなどの工夫が凝らされている。
ニュートラルスピリッツは、専門業者から購入する場合がある。
上記の1~3を飛ばすことができる。
購入のメリットは、高品質、安定生産、低コストである。
自社でニュートラルスピリッツを製造するには、設備や原料調達、ノウハウが必要となる。
ジン製造の要である、ボタニカル成分の抽出に注力するのも一つの手である。
ボタニカルの成分抽出は、ジンを造るうえで肝心要の工程であり、
材料や求める香り、味わいによっていくつかの方法を使い分けている。
また、材料ごとに抽出方法を変えて、最後にブレンドする場合もある。
ボタニカルをアルコールに浸け込むことで、成分が溶け出す。
浸漬時間は数時間から24時間くらい。
多くの成分が抽出され、はっきりとした香味となるが、
好ましくない成分まで抽出されることがあるので注意が必要。
抽出後に蒸留をするかどうかでジンの分類が決まる。
蒸留せずに完成すると、ただのジンに区分される(コンパウンドジン)。
蒸留すると、蒸留ジン、またはロンドンドライジンとなる。
蒸留器の上部にボタニカルを置き、下部からニュートラルスピリッツを加熱する。
発生したアルコール蒸気がボタニカルを通り抜ける際に、香味成分が抽出される。
繊細な香りの抽出に向いている。
この製法で造られているジンは、「ボンベイ・サファイア」が有名である。
蒸留器の上部にバスケットをセットできるものは、カーターヘッドスチルと呼ばれている。
ボタニカルを入れたバスケットを出し入れするだけなので、扱いが容易である。
浸漬法、ヴェイパーインフュージョン法と組み合わせて使われる。
蒸留器内の圧力を下げることで、液体の沸点を下げることができる。
香味成分には熱によって分解されてしまうものもあり、高温は厳禁なものがある。
他にも高温による焦げ臭を防止する効果もある。
ボタニカルの成分抽出は、もっともこだわりが出せる工程だろう。
ボタニカルを分けるorまとめる、浸漬or蒸気、常圧or減圧、さらに温度、時間など、、、
ボタニカルの状態によっても抽出条件は変わる。
とても大変だが、とても面白い工程である。
それらを知って飲むジンはまた一味違って感じるだろう。
シュセです。
普段は居酒屋やバーを飲み歩いています。
好んで飲むのはラムですが、テキーラやアブサンなどもあれば飲みます。
ハードリカーが多いですが、蒸留酒、醸造酒、混成酒なんでもアリです。
このブログでは、お酒の基礎知識、数値データ、酒類比較などを書いていきます。
長文記事は読んでて疲れるので、できるだけ短くまとめます。
よろしくお願いします。