ウイスキー蒸留所【スコットランド オークニー島】スキャパ

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文字数:約1100文字

 スコットランドの蒸留地域は、大きく6つに分けられる。
アイラ、アイランズ、キャンベルタウン、ローランド、ハイランド、スペイサイドである。
地域の環境や歴史から特徴が見えてくる。

●スキャパ

・基礎データ、場所

オークニー島地図
スキャパ蒸留所場所
  • 蒸溜所名:スキャパ蒸溜所
  • 英字:SCAPA
  • 意味:ノース語(ヴァイキングの言葉)で「貝床」という意
  • 創業:1885年
  • 仕込み水:リングロ・バーンの小川から引かれた泉
  • 蒸留器:ローモンド型、ストレート型
  • 現所有者:ペルノリカール
  • 輸入元:サントリースピリッツ(株)

 オークニー諸島のメインランド島にある蒸溜所。
ハイランドパーク蒸留所から南へ2キロほどの場所にあり、最北の名を逃した。
「オークニー」はノース語(ヴァイキングの言葉)で、「アザラシの島」という意味。
もともとヴァイキングの領土であったため、英国よりも北欧意識のほうが強いといわれている。

スキャパ蒸留所
https://www.whiskyadvocate.com/go-beyond-islay-to-scotlands-other-whisky-islands/

・特徴

・味わい

 アイランドモルトらしくない、繊細で軽やかな風味、バーボン樽由来のバニラの香り
そしてほんのりとソルティな味わいがある。
ピートは一切焚いていないため、スモーキーさはほとんどない

 同じオークニーのハイランドパークとは対照的な、おとなしい印象。
蒸留所も2キロほどしか離れていないのに、明らかな違いがある。

仕込み水(ハイランドパークは硬水、スキャパは軟水)、ピートの使用有
ポットスチル、樽(ハイランドパークはシェリー、スキャパはバーボン)などによる違いが、
全く異なる味わいを生み出している。

・ローモンドスチル

ローモンドスチル
https://keepersofthequaich.org/?p=58

 スキャパ蒸留所では初留釜にローモンドスチルという、蒸留器が使われている。
ローモンドスチルとは、カナダのハイラムウォーカー社が開発した連続式蒸留機である。
この連続式蒸留機の内棚を取り外して、連続蒸留できないように改造したものを、
単式蒸留器として利用している。

 通常の単式蒸留器はヘッド部が円錐形をしているが、ローモンドスチルは円筒形である。
連続蒸留機だったこともあり、この形状がすっきり軽やかな風味に仕上げている。

・ブレンド

 スキャパ蒸留所は主に「バランタイン」向けのブレンデッド用原酒を造っているが、
1997年以降はオフィシャルのシングルモルトをリリースするようになった。
それまではボトラーズが樽買いしたものを販売するのみであった。
ブレンデッド用であったことが、個性を抑えた味わいを造り上げたのだろう。

●あとがき

 同じオークニーのハイランドパークと、近隣のスキャパで全く違う味わいなのは面白い。
近場の蒸留所で、ここまで個性がはっきり分かれるのは珍しい。
スキャパの繊細さはウイスキーの初心者よりも玄人好みである。
日本人にも合うような気がする。

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