『トロピカル・カクテルの双璧』【チチとピニャ・コラーダ】

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文字数:約2200文字

 トロピカル・カクテルは南国感を味わうことができる。
そのなかでも『チチ』『ピニャ・コラーダ』は双璧を成す定番のカクテルである。

 トロピカル・カクテルの王様と呼ばれるチチ女王と呼ばれるピニャ・コラーダ
チチとピニャ・コラーダはごっちゃになっている人も意外と多い。
それぞれのレシピや誕生背景の紹介と、比較表をまとめた。

南国のビーチ
Rudy and Peter SkitteriansによるPixabayからの画像

レシピ

・チチ

材料/レシピ

  • ウォッカ・・・・・・・・・・30ml
  • パイナップル・ジュース・・・80ml
  • ココナッツ・ミルク・・・・・45ml
  • 各種フルーツ・・・・・・・・適量
  1. シェーカーにフルーツ以外の材料を入れ、シェークする
  2. グラスにクラッシュド・アイスを詰め、ドリンクを注ぐ
  3. 各種フルーツを飾り、ストローを挿す
    フルーツは、カット・パイナップル、スライス・オレンジ、
    マラスキーノ・チェリーが一般的
    蘭の花を飾ってもよい

 ウォッカはクリアなため、味わいはパイナップル・ジュースの甘味と酸味、
ココナッツ・ミルク独特の甘味とクリーミーさが合わさり、
トロピカル・ジュース感がある

ピニャ・コラーダ
stokpicによるPixabayからの画像

 飾られたフルーツを食べながら、カクテルとのマリアージュを楽しめる。
アルコール感がほとんどないので、飲みやすい。
アルコール感を強めたい場合は、ココナッツ・ミルクをココナッツ・リキュールに替えるとよい


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・ピニャ・コラーダ

材料/レシピ

  • ホワイト・ラム・・・・・・・30ml
  • パイナップル・ジュース・・・80ml
  • ココナッツ・ミルク・・・・・30ml
  • 各種フルーツ・・・・・・・・適量
  1. シェーカーにフルーツ以外の材料を入れ、シェークする
    ラムはプエルト・リコ産のもの
    ココナッツ・ミルクは『ココ・ロペス』を使うと本格的
  2. グラスにクラッシュド・アイスを詰め、ドリンクを注ぐ
  3. 各種フルーツを飾り、ストローを挿す
    フルーツは、カット・パイナップル、スライス・オレンジ、
    マラスキーノ・チェリーが一般的
    蘭の花を飾ってもよい

 ラム独特の風味と、パイナップル・ジュースの甘味と酸味、
ココナッツ・ミルク独特の甘味とクリーミーさが合わさり、
カリブを感じられる。

 ラムはフルーツとも相性が良く、味わいに相乗効果が生まれる。
ラム独特の風味があるため、チチよりも濃厚な味わい。
ココナッツ・ミルクが15mlだけ少ないのは、ラムの風味を活かすため。

誕生背景

・チチ

ビーチの夕日
Rod BorkenhagenによるPixabayからの画像

 1950年代半ばにハワイで誕生したとされるが、詳細は不明。
チチの由来は、女性のブラウスのフリルを意味するフランス語の「シシ」にあるという。
そのシシがアメリカに伝わり、「粋な」「カッコイイ」の意味合いのスラング(俗語)に変化した。

 そしてこのカクテルを「粋な」を意味する『チチ』と呼ぶようになったという。

・ピニャ・コラーダ

パイナップル
Scott WebbによるPixabayからの画像

 ピニャ・コラーダは1954年のプエルト・リコで誕生したとされる。
ピニャは「パイナップル」し、コラーダは(ココナッツを)「濾した」を意味する。
安易に直訳してピニャ・コラーダは「濾したパイナップル」とよくいわれるが、
実際は「濾したココナッツとパイナップルというのが正しい解釈である。

 プエルト・リコのサン・フアンにあるカリブ・ヒルトン・ホテルのバーテンダー、
ラモン・マローレ・ペレスが1954年に考案したという。
『ピニャ・カラーダ』とも呼ばれる。

 ピニャ・コラーダがきっかけとなり、カクテルの新たなスタイル『コラーダ』が生まれた。
コラーダは蒸留酒とフルーツ・ジュースとココナッツ・ミルクを使い、
シェーカーまたはブレンダーで作る。

 プエルト・リコでは1974年にピニャ・コラーダが国の公式ドリンクとして登録されている。
当然ラム、ココナッツ・ミルク、パイナップル・ジュースはプエルト・リコ産のものが使われる。


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・ココナッツ・ミルク

ココナッツ
IloによるPixabayからの画像

 ココナッツ・クリーム(ミルク)を最初に市販化したのは
プエルト・リコのラモン・ロペス・イリザリーだとされている。

 ココナッツ自体は東南アジアやインド、中南米で昔から使われていた。
実や果汁、ミルクやクリームにして料理や飲料に使用されてきた。

 家庭で使われていたココナッツ・クリームを大量に生産して缶詰で市販化したのは
ラモン・ロペスであり、1950年前後のことである。
現在も『ココ・ロペス』という商品名で、世界中で販売されている。
日本ではあまり見かけない。

 そして、ココナッツ・ミルクを使ったトロピカル・カクテルの元祖が『ピニャ・コラーダ』なのである。
その後、ココナッツ・ミルクがハワイに伝わり、『チチ』が誕生した。


比較表

 チチとピニャ・コラーダの違いがわかるように比較表にまとめた。

    チチ     ピニャ・コラーダ 
ベースウォッカホワイト・ラム
度数約7.7%約8.6%
発祥地ハワイプエルト・リコ
誕生年1950年代半ば1954年
味わいすっきりやや濃厚

 ココナッツ・ミルクとパイナップル・ジュースを使うことは共通しているので、
味わいが近くなる。
しかし、ベースの違いで味わいがかなり変わってくる。
飲み比べる機会があれば、ぜひ違いを確かめてほしい。

あとがき

 チチとピニャ・コラーダはトロピカル・カクテルの双璧といっても過言ではない。
トロピカル・カクテルは南国のビーチで、パラソルのもと、優雅に味わうというイメージがある。
しかし、いつどこで飲んでもよいのである。
真冬にマティーニを飲むように、チチやピニャ・コラーダを氷やフルーツなしで飲んでもよいのである。
夏に定番のカクテルであるが、夏限定のカクテルである必要はない。

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