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     更新日:2022年10月6日

    文字数:約1500文字

     ポートワインの造り方のポイントは、なんといってもの酒精強化にある。
    酒精強化するタイミングでワインの甘さが決まる
    ポートワインの造り方を見てみよう。

    製造フロー

     ポートワインは以下の工程順で造られる。
    発酵までは通常のワインと同じである。

    1. ブドウ栽培/収穫
    2. 除梗(じょこう)/破砕/搾汁
    3. 発酵
    4. 酒精強化
    5. 熟成

    ブドウ栽培/収穫

     ポートワイン用のブドウ栽培は原産地呼称制度のもと、
    ドウロ地域内の約26,000ヘクタールに限られている
    ドウロ川周辺の栽培地は傾斜が多い。

     その栽培地はさらに3つの地域に区分されている。
    下流側から「バイショ・コルド」、「シマ・コルド」、「ドウロ・スペリオール」である。

     収穫は8月下旬から10月中旬にかけて行われる。

    ドウロ地域
    https://www.ivdp.pt/pt

    ・バイショ・コルド

     バイショとは「低い(Lower)」の意味。
    3地域の中でもっとも東側にあり、大西洋からの海風によって涼しい

     面積は小さいが、面積当たりのブドウ畑の割合は多い
    もっとも古くからポートワインのブドウを栽培している。

    ・シマ・コルド

     シマは「高い(Upper)」の意味。
    3地域のなかでは2番目に大きい面積があり、ブドウ栽培面積は最大である。
    古くからブドウを栽培しており、ポートワイン用のブドウ栽培の中心地域

    ・ドウロ・スペリオール

     一番西側の地域であり、スペインとの国境に面している。
    面積は一番広いが、面積当たりのブドウ栽培面積は小さい。
    土地の開発が遅れたのが原因だが、現在は他の地域よりも大規模な農場が多い

    除梗(じょこう)/破砕/搾汁

    除梗/破砕/搾汁
    https://www.ivdp.pt/pt

     ブドウについている茎や果梗(かこう)も取り除く。
    同時に、収穫したブドウを軽く潰すことで、果汁(モスト)を得る。

     現在では、機械で行われることが多いが、昔ながらの製法にこだわる生産者もいる。

    伝統的な製法では、「ラガール」という石でできた桶(プール)のなかで、足踏みして行われる。

     通常のワインと同様に、黒ブドウは皮や種はそのままに、白ブドウは果汁だけを使う。

    発酵

     得られた搾汁液(モスト)を容器に入れて発酵させる。
    酵母は生産者によって、自然酵母だったり、培養酵母だったりする。

    酒精強化

    酒精強化イメージ
    Engin AkyurtによるPixabayからの画像

     ポートワインの特徴である甘さは、発酵を途中で止めることで得られる。
    発酵は、酵母がブドウの糖分をアルコールと二酸化炭素に分解して行われる。

     糖分がすべて分解される前に、蒸留酒を加えて発酵(酵母の働き)を止める。
    酵母はアルコール度数が高い環境では失活(死滅)してしまうのである。

     残された糖分のおかげで、ブドウの甘さが保たれる
    添加されるのは、アルコール度数は約77%のブドウの蒸留酒(グレープ・スピリッツ)である。

     発酵液4に対して、蒸留酒1の割合で添加される。
    これによりアルコール度数は17~20%程度にする。

     酒精強化の目的はシェリーと同様に、アルコール度数を高めることで、
    長い航海に耐えるためとされている。
    ワインが航海中に酸っぱくなってしまうのを防ぐために、スピリッツが足されたとされる。

    熟成

    熟成庫
    https://www.ivdp.pt/pt

     ポートワインは、最低3年の熟成が必要とされる。

     熟成はブドウ生産地のドウロ地域か、ドウロ川河口の町ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアで行われる。
    輸出用はガイアで熟成されることがほとんどである。

     ポルトやガイアには、「ロッジ」と呼ばれる、ポートワインの貯蔵熟成庫が多数ある。
    各メーカーのロッジでは、倉庫見学ができ、試飲や購入もできる。

    あとがき

     ポートワインの貯蔵熟成庫であるロッジには一度行ってみたいものだ。
    倉庫を見学した後は、テラス席でドウロ川を眺めながら、ポートワインをいただき、優雅に過ごす。
    ポルトガル観光の人気ツアーである。

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