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     更新日:2022年9月24日

    文字数:約1000文字

     シェリーの原料は3品種の白ブドウのみと決められている。
    パロミノモスカテルペドロ・ヒメネスである。

     辛口用にはパロミノ極甘口用にはモスカテルとペドロ・ヒメネスが使われる。
    シェリー用ブドウ栽培の約90%をパロミノが占め、
    ペドロ・ヒメネスが約9%モスカテルは約1%程度である。
    それぞれの特徴を見ていこう。

    パロミノ Palomino

    パロミノ
    SergioによるPixabayからの画像

     辛口シェリーのすべてにこのパロミノ種が使われる
    パロミノ種のなかにも、パロミノ・フィノやパロミノ・デ・ヘレスなどの種類がある。
    アンダルシアの土壌に適しているパロミノ・フィノが、主に栽培されている。

     718~1492年まで、スペインで行われた国土回復運動(レコンキスタ)で活躍した兵士が、
    褒美に畑をもらい、ブドウ栽培を始めた。
    この兵士の名前が「フェルナン・ヤニャス・パロミノ」であり、名の由来となった。

     辛口シェリーである、フィノ、オロロソ、アモンティリャード、などは、
    すべてこのパロミノのみで造られている。

    ペドロ・ヒメネス Pedro Ximénez

    ペドロ・ヒメネス
    pearly- peachによるPixabayからの画像

     極甘口シェリーに使われる。
    ペドロ・ヒメネスは収穫後に、「ソレオ」という天日干しの工程を経て、甘さが凝縮される。
    干しブドウの状態から果汁を搾ると、ドロッとした粘度の高い、濃厚な果汁が得られる。

     似た製法として、イタリアの「パッシート」や「レチョート」があるが、これらは陰干しであり、
    シェリーの場合は、天日干しであるという違いがある。

     ペドロ・ヒメネスもパロミノと同様に、兵士の名前に由来する。
    神聖ローマ皇帝カール5世に仕えたドイツ人傭兵「ペーター・シーメンス(Peter Siemens)」の名のブドウが、
    イベリア半島に伝わる頃には「ペドロ・ヒメネス」となったとされている。

    モスカテル Moscatel

    モスカテル
    GutifeによるPixabayからの画像

     極甘口シェリーに使われる。
    マスカット系の白ブドウで、各地で古くから栽培されている。

     同じ極甘口用に使われるペドロ・ヒメネスと比べると、モスカテルのほうが軽めで、爽やかさがある
    こちらも収穫後に天日干しされた後、搾汁される。

     モスカテルは、その甘さに虫が引き寄せられることから、
    「ムスカ」(ラテン語で小さな虫の意)と呼ばれたのが語源とされる。

    あとがき

     白ブドウ3品種だけで、数十種のシェリーが造られているのは驚きである。
    辛口、極甘口、それらをブレンドした甘口が、3品種のみから造られているのである。
    土地に適したものを突き詰めていく姿勢が、素晴らしいシェリーを生み出している。



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