• お酒全般の情報ブログ

     更新日:2022年8月3日

    文字数:約1400文字

     テキーラの原料は、竜舌蘭(リュウゼツラン)の一種である、アガベ・アスルである。
    テキーラには、アガベ・アスルの葉を切り落とした球茎の部分が使われる。
    テキーラに使えるサイズに成長するには、5~8年ほどかかる

    アガベ畑
    Efrain HernandezによるPixabayからの画像

    アガベ・アスルとは

    ・学名

     アガベ・アスルの正式な学名は、「Agave tequilana Weber variedad azul」である。
    Weberは、ドイツの植物学者フランツ・ウェーバーからきている。
    アガベの分類を行い、学会で発表する際に、自分の名を学名を付けたのである。

     和名の竜舌蘭は、最初に見た人が「竜の舌のようだ」と感じたのだろうか。
    よく見た目を表していて覚えやすい。

     アスル(azul)は、青の意味で、アガベ・アスルはブルーアガベとも呼ばれる。

    ・サボテンではない

    サボテン
    Ty JohnsonによるPixabayからの画像

     アガベはサボテンの仲間だと思われていることが多いが、ユリ科の植物である。
    確かにサボテンとの類似点は多いが、部類としてはアスパラガスに近い。

     ポルフィディオの瓶内にサボテンのオブジェがあることなどが、
    誤解を広めているのだろうか。

    ・生息環境

     アガベ・アスルの生育条件は、海抜600~2500mの標高に、年間250日以上の晴天日、
    平均気温20℃以上とされている。

     メキシコの適正地以外では、オーストラリアや南アフリカの一部のみで
    栽培可能だといわれている。

     ただし、栽培できたとしてもそこで造られた蒸留酒はテキーラとは名乗れず、
    アガベスピリッツとなるのである。

    ・アガベの花

    アガベの花
    meineresterampeによるPixabayからの画像


     アガベ・アスルは7年ほど経つと、
    キオーテという花茎を伸ばす

     その高さは5m以上になることもある。
    花茎の上部に小さく黄色い花を複数咲かせ、受粉する。

     しかし、花茎を伸ばすには蓄えたエネルギーを使うため、
    テキーラに使用するのものは花茎を伸ばす前に収穫するか、
    花茎が伸び始めると切り落としてしまう。



    ・球茎(ピニャ)

    ピニャ
    CamiloCoteによるPixabayからの画像

     テキーラに使うのは球茎の部分で、葉を切り落とした状態が
    パイナップルに似ていることから、ピニャ(パイナップルの意)と呼ばれる。
    ピニャの重さは30㎏以上となり、トラックがなければ大量に運べない。

     ラムベースのカクテルで、ピニャ・コラーダとというものがあるが、
    パイナップルジュースを使うことからピニャの言葉が使われている。

    ・繁殖

    アガベ別の種
    OscarによるPixabayからの画像

     テキーラ用のアガベをどのように繁殖させるかというと、一般的には受粉はさせない
    受粉させない理由は2つある。
    1つは、自然受粉では別の種のアガベと交雑してしまう可能性がある。
    もう1つは、アガベは変異が発生しやすいためである。

     では、どのように繁殖させるのかというと、子株を使うのである。
    アガベは、竹と同じように地下茎を伸ばして株を増やす。
    この子株(イフエロス)を収穫して、栽培するのである。

     こうすることで、アガベ・アスルが交雑することもなく、
    また、変異種が発生することもなく、栽培ができる。

     ただし、クローン栽培のようなものなので、病気や害虫などに侵されると
    一気に広まるというデメリットもある。

    ●あとがき

     テキーラの原料は他のお酒と比べてかなり特殊である。
    まず、生育期間が5年以上かかるという、異常な長さだ。
    他のお酒の原料は、1年で収穫できるものがほとんどである。
    生育可能な環境も狭い範囲に限られている。
    特殊な原料で造られたテキーラが世界中に広まっているのは、奇跡的といえる。



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