ビールとホップ

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ホップの概要

ホップ
Łukasz SiwyによるPixabayからの画像

 ホップはアサ科のつる性多年草で、最成長期には1日約30㎝も育つ。
雄株と雌株があり、ビールの原料に用いられるのは、雌株の未授精の
毬花
(まりばな、またはきゅうか)と呼ばれる部分である。

 この毬花の中にあるルプリンという黄色い粒に、ビール特有の苦味や香りの
もとになる樹脂や精油が含まれているのである。

 ルプリンは種子が地面に落ちた時に、カビなどの微生物に狙われないように
抗菌作用を持っているといわれている。

 ホップには泡持ちをよくしたり、抗菌作用もあるので、重要な原料とされている。
現在は品種改良が進み、100種類以上のホップが栽培されている。
大きく分けて、ビターホップ(苦味を加える)アロマホップ(香り付け)がある。

●ホップの大別

ホップ
klickblickによるPixabayからの画像

ビターホップ

 ホップに含まれる苦味の素はアルファ酸である。
しかし、アルファ酸は水に溶けにくいうえ、それほど苦く感じない。

 これが加熱されることによって科学的な性質が変化して、
イソ・アルファ酸になることで水溶性の苦味成分となる
苦味を出すためのホップは、麦汁の煮沸の初期段階で投入される

アロマホップ

 ホップの香りに寄与する成分は油分である。
この油分は、200種類以上の化学物質からできていて、様々な香りを演出する。

 煮沸の火を止める前後に、アロマホップを投入する。
油分は揮発性のため、煮込むと香りが蒸発してしまうので、煮沸終了時に投入される

●ホップの効能

泡持ち

ビールの泡
4666192によるPixabayからの画像

 一般的なビールの泡持ちの良さは、ホップの苦味の成分と、
モルトから抽出されるタンパクとが結合することで起こる。
副原料を添加して泡持ちをよくしているものもある。

抗菌作用

 ホップに含まれるアルファ酸には抗菌作用があり
細菌や微生物の繁殖を抑制する。

 現代のビール醸造では、ホップの抗菌力以上の洗浄・殺菌処理を行って
ビール製造を行っている。

 昔ながらの製造方法でビール造りしている醸造所では、
ホップの抗菌作用は重要視されている。

あとがき

 ホップの使用状態は生や乾燥、ペレット、粉末など各社が創意工夫している。
設計通りのビールを造るために、ホップの投入タイミングも調整されている。
これらの違いがビールの香りや苦味に影響するのか、飲み比べてみたいものだ。
ホップを気軽に買える国が海外にはあるらしい。
市販のビールを自分好みにアレンジできたら、最高だろう。


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