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ベルギービールの特徴と種類|多様なスタイルの魅力を解説

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文字数:約2200文字

 ベルギービールは、世界的に見ても特に多様なスタイルを持つことで知られている。
ここでは、その特徴と種類を軸に、
なぜこれほど多彩なビール文化が生まれたのかを整理する。

 ベルギーでは、修道院で造られる伝統的なビールや、
自然発酵によって造られるランビックなど、
他国にはない独自の製法が発展してきた。
それぞれが異なる味わいや個性を持ち、
同じ「ビール」でもまったく異なる楽しみ方ができる。

 こうした背景を踏まえながら、ベルギービールの特徴と種類、
そして多様なスタイルの魅力をわかりやすく解説する。

ベルギービール
Victoria Al-TaieによるPixabayからの画像
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●特徴 [ドイツに並ぶビール大国]

 九州よりも小さな国土に約140もの醸造所があることを考えると、
面積密度では世界一かもしれない。

 公用語がドイツ語、オランダ語、フランス語と3つあり、
多彩な文化を持つことから、銘柄は1000以上あるといわれ、
ビール造りへの寛容さがみられる。

 地域は南北に2分されており
北部はフランデレン(フランダース)地方、
南部はワロン地方で、それぞれで造られるビールの傾向が違う。

●種類 [個性あふれるバリエーション]

 ベルギービールは、ハーブやスパイスを使ったものが多くあり、
独特の風味を味わえる。
スタイルとしては主にエール(上面発酵)で、
ビールに対して専用グラスや専用コースターがあるのも楽しい。

 以下、ベルギーの代表的な種類の一部を記述する。

◆エール(上面発酵)

ベルギービール
Doris PeckaによるPixabayからの画像

 エール(上面発酵)とは、発酵中に酵母が液面付近に集まり
比較的高い温度で短期間に発酵が進むビールの製法。
フルーティーで香りが豊かになりやすいのが特徴。

ベルジャンスタイル・ホワイトエール

 小麦をそのまま使ったいるため、白濁している。
 コリアンダーとオレンジピールで香り付けしており、
 スパイシーでフルーティーなのが特徴。
 ドイツのヴァイツェンは小麦麦芽しているところに違いがある。

ベルジャンスタイル・ペールエール

 ホップのキャラクターが良くて出ている銅色のエールビール。
 フルーティーで飲みやすい。

フランダース・レッドエール

 フランデレン(フランダース)地方の西部で造られる赤みを帯びたビール。
 甘味と酸味の調和を楽しめる。

フランダース・ブラウンエール

 フランデレン(フランダース)地方の東部で造られる赤みを帯びた褐色のビール。
 香ばしさと酸味の融合を楽しめる。

セゾンビール

 農民が夏の農作業中に飲むために、冬に仕込んだ自家醸造が起源のビール。
 防腐のためにホップを大量に投入していることで、苦みが強いものが多い。

修道院ビール

 トラピストとアビイに分類される。
 個々の修道院には独自のレシピがあり、
 味わいも様々だが、あえて共通点を述べると、
 香りもアルコール度も高めのどっしりとした味わい。
 詳細下記参照。

◆自然発酵

ランビック

 野生の酵母を使った、酸味の強いビール。
 詳細下記参照。

●修道院ビール [トラピストとアビイ]

ベルギー修道院
Andreas H.によるPixabayからの画像

 トラピストは『トラピスト会修道院』で造られるビールのみを呼び
アビイはそれ以外の修道院で造られたビールや、
修道院から委託された民間醸造所が造るビールのことを指す。

 わざわざ分けて呼ぶようになったのは、
トラピスト修道会が商標権を守るために政府に要請し、
それが認められたためである。

 トラピストビールには厳格な決まりがある。

  • トラピスト会修道院の敷地内の施設で、修道士によって、
    あるいは修道士の指導のもとで醸造されること
     
  • 利益を追求せず、売上から醸造にかかる経費を差し引いた収益は
    すべて慈善活動に使われること
     
  • ビールそのものが非の打ちどころのない品質であること

 これらの基準を満たして選ばれた7か所のトラピスト修道院醸造所のうち、
6か所はベルギーにあり、残り1か所はオランダにある。

  • ベルギー:アルン、シメイ、オルヴァル、ロシュフォール、
         ウェストマレ、ウェストフレテレン
  • オランダ:ラ・トラップ

 ウェストフレテレンは修道院でのみ販売されるため、
「幻のトラピストビール」と呼ばれている。

●ランビックビール [自然発酵]

ランビック
PublicDomainImagesによるPixabayからの画像

 空気中や木樽に宿っている野生酵母を使って自然発酵させたもの。
ブリュッセル近郊だけで造られるベルギー特有の伝統的なビール。

 ベルギーでは19世紀になるまで自然発酵製法が主流だった。
昔ながらの日本酒でいう「蔵付酵母」を使うようなもの。

 1年以上貯蔵した古いホップと野生酵母を、
2年以上の時間をかけてゆっくり自然発酵、熟成させる。

 樽で熟成したものと新酒をブレンドする「グーズ(グース)」や、
クリーク(サクランボ)やフランボワーズといったフルーツを漬け込んだ
「フルーツランビック」が有名。

●あとがき

 日本ではベルギービールウィークエンド(BBW)というビールイベントが
毎年数か所で行われているため、ベルギービールの認知度は高まってきていると感じる。
飲食店でもベルギービールを多く取り揃えているお店を見かけるようになってきた。
食事と合わせるのも良いが、アルコール度数の高い、フルボディなものは、
チーズやドライフルーツ、スイーツとも良く合うので、食後にゆっくりと味わいのもオススメ。