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世界情勢の不安定さが続く2024年。
ウイスキーの販売量にはどのような影響を与えたのか。
世界のウイスキー販売量ランキングと、その推移をグラフで見てみよう。
データはイギリスのDrinks Internationalのものを基にした。
1ケースは9リットルで、以下の単位は百万ケースである。
●ウイスキーの販売量ランキング2024

まず世界での販売量ランキングTOP10を記した。
TOP10のうち半数の5ブランドがインディアンウイスキーである。
スコッチとアメリカンが各2ブランド、アイリッシュが1ブランド。
インディアンの強さが一目でわかる。
2024年の世界ウイスキー販売量1位はMcdowell’s。
これで6年連続の1位獲得である。
前年よりも3%増加だが、2位との差はわずか。

2位はRoyal Stagである。
3年連続の2位だが、首位に手が届く位置まできている。
前年よりも11%増加で、勢いがある。
3位はImperial Blueが1ランクアップだが、
他のブランドが減少したので繰り上がりである。
前年から販売量は横ばいで伸び悩んでいる。
TOP3をインディアンウイスキーが独占している。
大きく経済発展を続けるインドのウイスキーは勢いが違う。
4位はJohnnie Walkerが1ランクアップ。
スコッチNo.1ブランドがここで登場する。
Imperial Blueと同様、他のブランドが減少したので繰り上がりである。
前年比で-2%だが、4位に入れた。
5位はOfficer’s Choiceが2ランクダウン。
前年から-9%も販売量が大きく減少した。
2015年の最盛期には3,500万ケースという圧倒的な販売量を誇ったが、
減少傾向はいまだ止まらず。
TOP5中4ブランドがインディアンウイスキーである。
唯一4位に食い込んだのがスコッチウイスキーであり、流石。
スコッチもまだ伸びしろがあることの証明である。
6位はJack Daniel’sで、前年と変わらずキープ。
アメリカンNo.1ブランドだが、販売量は横ばいが続いており、
前年比では-1%である。
7位はJamesonが1ランクアップ。
アイリッシュNo.1ブランドで、前年比6%増である。
前年の減少分の多数を取り戻した。
8位はJim Beamが1ランクダウン。
僅差でJamesonに抜かれてしまった。
前年比3%増だが、1,000万ケース付近で横ばいが続く。
9位はBlenders Prideで、前年と変わらず。
前年よりも5%増と緩やかだが確実に販売量を増やしており、
遂に1,000万ケースを突破した。
10位はBallantine’sが2ランクアップ。
前年比13%増の大幅な伸びでTOP10に返り咲いた。
スコッチで2ブランド目となる1,000万ケース越えまであと一歩。
●ウイスキーの販売量 推移

TOP10ブランドの10年間の販売量グラフである。
2024年は前年比で7ブランドが増加し、3ブランドが減少した。
1位のMcdowell’sに2位のRoyal Stagが接近しているのがわかる。
Royal Stagは2023年に勢いが鈍化したが、2024年には回復した。
2025年は首位交代があるかもしれない。
3位はOfficer’s Choiceが減少したことで、
Imperial BlueとJohnnie Walkerの三つ巴状態だったが、
Officer’s Choiceが5位までダウンした。
6位との差はまだ大きいが、今後が気になる。
7位以下は混戦状態である。
今回ランク外となったが3ブランドと合わせて、
7ブランドがしのぎを削っている。
どのブランドが抜け出すのか、注目したい。
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TOP20までの販売量データも見てみよう。
20ブランド中14ブランドが販売量を伸ばしている。
特に注目なのが16位のIconiq Whiteである。
2024年に100万ケース以上を販売したブランドは55ある。
その中でもっとも大きく成長したのがIconiq Whiteである。
増加率は驚異の281%。
この急成長が続けばTOP10入りも近いかもしれない。
ちなみにIconiq WhiteのオーナーはOfficer’s Choiceと同じ
Allied Blenders & Distillersである。
Officer’s Choiceが減少を続ける中で、
Iconiq Whiteの急成長は何を意味するのだろうか。
もう一つ気になるブランドがある。
TOP20のランク外だが、49位のFowler’sである。
前年比220%で2番目に高い成長率である。
2023年50万ケースから110万ケースへの増加なのだが、
数値よりもロシアンウイスキーということが興味深い。
日本未入荷なのでどのような味なのか気になる。
ブラックニッカが角瓶に迫りつつある。
両者の2024年販売量は明暗がハッキリ表れた。
角瓶は5%減なのに対して、ブラックニッカは21%増である。
角瓶のほうが価格帯が高いが、それは関係なさそうだ。
その証拠にブラックニッカと同価格帯がトリスは5%減である。
アサヒがサントリーの販売戦略を上回ったのだろう。
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●あとがき
2024年もインディアンウイスキーの強さが健在だった。
ただしインディアンウイスキーの中でも好調、不調がある。
本当に力のあるブランドだけが生き残ることができる。
スコッチやアメリカンもインディアンほどの勢いはなくとも、
堅実に販売量を伸ばしている。
新たに台頭するブランドもあり、これから面白くなりそうだ。