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日本酒の温度

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文字数:約1000文字

 日本酒は飲む温度によって味わいも香りも大きく変わる
ここまで温度の変化を楽しめるお酒は他にはない。
温度帯によって呼び方があるのも、魅力のひとつだ。

温度計
Gerd AltmannによるPixabayからの画像

●温度帯、呼び名

温度呼び名よみ特徴
 55℃以上 飛び切り燗とびきりかん燗の中で最も高い温度。
徳利を持つと指が熱く感じる。
味わいはかなり辛口になる。
 約50℃  熱燗あつかん徳利から湯気が立ち、持つと熱さを感じる。
シャープな味わいと香りになる。
 約45℃  上燗じょうかん徳利を持つと暖かさを感じる。
ふくらみのある味わい
香りは引き締まりはじめる。
 約40℃  ぬる燗ぬるかん体温よりも少し高めの温度。
口に含むとじんわりと温かく感じる。
香りや味わいの広がりをもっとも感じられる
 約35℃  人肌燗ひとはだかん体温と同じくらいの温度。
口に含むと少しぬるく感じるくらい。
ふわりと香り、口当たりがやわらかい。
 約30℃  日向燗ひなたかん体温より少し低い温度。
ノドをするりと流れる。
香りはやや立ちはじめ、味わいはなめらか
 約20℃  常温(=冷や)じょうおん室温での温度。
”冷や”と”冷酒”は違う
香り、味わいともにバランスが良い
 約15℃  涼冷えすずびえ冷蔵庫に入れられているものが冷酒。
冷蔵庫から出して、少し置いた温度。
香りは華やかで、ややとろみがある
 約10℃  花冷えはなびえ冷蔵庫から取り出してすぐの温度。
香りは抑えられ、キリッとした味わいに。
時間ともに温度変化が楽しめる。
  約5℃  雪冷えゆきびえ瓶に霜が付く温度。
香りはほぼ感じられず、すっきりした味わい

●温度変化の特徴

・温かくする

 香りが開き、味わいに幅が出てくる。
 まろやかになり、ふんわりとしたイメージ。

 温度を体温に近いため、内臓にも優しく、アルコールの吸収も早い。
 このため、時間差であとから酔いが回ることにならない
 血管が拡張し、血行が良くなり、身体を温める即効性の効果がある。

・冷たくする

 香りは引き締まり、味わいはシャープになる。
 クリアで、キリッとしたイメージ。
 繊細な料理のジャマをしない



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●あとがき

 温度を変えておいしく飲めるのは日本酒の大きな魅力である。
特に寒い日の熱燗は五臓六腑にしみわたるという表現にぴったりだ。
さらに温度によって酒器を変えるのも楽しい。
冷たさをキープするものや、お燗をつけるための商品があるのもすばらしい。


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