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楽しくお酒を飲んだ翌日にお腹が痛み、下痢になる人は意外と多い。
半日から1日くらいで回復することがほとんどだが、できることなら避けたいと思うだろう。
ここでは、お酒によって下痢になった時に、
すぐできる対処法、下痢になる原因、その予防法を紹介する。

●今すぐできる対処法(重要順)
お酒を飲んで下痢になってしまったらどうするか。
だいたい半日から1日で下痢は治まるので我慢して安静にするのが一般的である。
それ以外に別の対応策を紹介しよう。
- まずは水分補給
- 胃腸を休ませる
- 刺激物・脂肪分は完全に避ける
- 下痢止め薬を飲む
- 病院へ行く
①まずは水分補給(最重要)

下痢の時は体内の水分と電解質(ナトリウム、カリウムなど)が不足気味になる。
そうなると下痢に加えて脱水症状を引き起こす可能性がある。
一度に大量に摂取することはせず、こまめに少量ずつ摂取することが大切である。
スポーツドリンクや経口補水液などの電解質が含まれているものが最適。
冷えたものよりも常温か温かいほうが良い。
②胃腸を休ませる
食べない選択もOKだが、下痢により体内の栄養分が失われている。
このため、エネルギーを補給したほうが良い。
消化吸収の良いのは、以下のようなものである。
水分補給と同様に、冷たいものよりも温かいもののほうが良い。
- おかゆ
- 煮込みうどん
- 豆腐の味噌汁
- リンゴのすりおろし
- 鶏ササミ
- 卵
- ヨーグルト などなど
このような事態を想定して、備蓄しておくと良いだろう。
災害時の非常食にもなるし、普段の食事としても使える。
③刺激物・脂肪分は完全に避ける
下痢によって、腸の粘膜はダメージを受けている。
そこへ、消化の悪いものや刺激物は避けよう。
消化の悪いものは、食物繊維や高脂質なものである。
食物繊維の多いものは、玄米、そば、海藻、野菜、キノコなど。
普段は健康に良いとされる食物繊維もこの時だけは避けたほうがよい。
高脂質のものは、肉、魚、ラーメン、ケーキなど。
腸に刺激を与えるものは、コーヒー、酢の物、
辛いもの(カレー、キムチなど)、当然お酒など。
④下痢止め薬を飲む
市販されている下痢止め薬にはいくつもあるが、
飲酒を想定しているものはライオンの『ストッパNOM』である。

爽やかなレモン味で、水なしで飲める。
さらにウコンエキス配合のため、食べ物の消化を促進してくれるのもうれしい。
薬を飲む場合は、必ず説明書を読んで副作用を確認しなければならない。
下痢を止めるために飲んだ薬で、大事があっては本末転倒である。
⑤病院へ行く
普通の下痢とは違うと感じたら、迷わず病院へ行こう。
体調がいつまでも回復しない場合や、
一緒に飲んでいた人が同じ症状の場合は、食中毒の可能性がある。
専門医にしっかりと診てもらうことが良いだろう。
●お酒を飲むと下痢になる原因
お酒を飲み過ぎると下痢になる。
アルコールによる下痢の多くが、浸透圧性下痢に分類される。
ではアルコールはどのような働きで下痢を引き起こすのだろうか。

アルコールは胃腸で吸収されるが、
胃で1~2割、小腸で8~9割が吸収されるといわれている。
アルコールの大半が小腸で吸収されており、下痢の原因も小腸に関係してくる。
アルコールは水分よりも吸収速度が速い(浸透圧が高い)。
腸ではアルコールが優先的に吸収されて、
水分や電解質(ナトリウム、カリウムなど)の吸収が不十分になる。
この水分が残った状態が下痢を引き起こすのである。
つまり、アルコールの吸収が優先されて、
水分の吸収が後回しにされることが原因である。
●お酒を飲んでも下痢にならないための予防法
予防法の最たるものは、過剰摂取をしないことである。
しかし、それがわかっていてもできないことはよくあるので、別の方法を紹介しよう。
やはり、お酒と一緒に食事をすることである。
早食いや大食いはせず、ゆっくりと食事とお酒を味わうことが重要。
ポイントはゆっくりである。
上述したが、アルコールは胃よりも小腸での吸収のほうが断然多い。
よって小腸にアルコールが到達すると一気に吸収が始まる。
アルコールをなるべく胃に留めておくと、吸収がゆっくり進む。

胃での滞在が時間が長い食物としてはバターが挙げられる。
50gのバターを食べると12時間も胃に滞在するといわれている。
最初のおつまみに、コーンバターや、ほうれん草のバター炒め、
じゃがバターなどを食べると、アルコールが胃に留まりやすく、
小腸への進行がゆっくりになる。
チーズも胃に長時間留まる。
○種のチーズや、カプレーゼなどを胃に入れておくと良いだろう。
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●あとがき
せっかく楽しくお酒を飲むのなら、翌日にツライ思いはしたくない。
楽しかった記憶のまま、日常生活を送りたいと思うのは当然のことである。
下痢になる原因を知って、食べるものを注意すれば、予防はできる。
ただし、限度はあるので飲み過ぎないようにしたい。



