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アメリカビールは、クラフトビールの発展によって大きく変化してきた。
ここでは、その特徴と種類を軸に、
なぜアメリカでクラフトビールが広がったのかを整理する。
アメリカでは、かつて禁酒法によってビール文化が大きな制約を受けたが、
その後の復興とともに、多様で自由なスタイルが生まれていった。
特にクラフトビールの台頭により、ホップを強調したIPAなど、
個性の強いビールが数多く登場している。
こうした歴史的背景を踏まえながら、アメリカビールの特徴と種類、
そしてクラフトビール文化が発展した理由をわかりやすく解説する。

●特徴 [最先端を行く小規模醸造所 ]
ヨーロッパからアメリカにビールが伝わえられて400年強。
現在は大手3社「バドワイザー」「クアーズ」「ミラー」の
ライトラガーが多く飲まれている一方で、
小規模醸造所が造るクラフトビールが大人気。
小規模ならではの自由で挑戦的なビールスタイルは、消費者に新たな価値を提供している。
●種類 [アメリカンラガーと多様なクラフト]

アメリカンラガーは根強く飲まれ続けている大手メーカービール。
1970年代には大手3社で80%以上のシェアを占めていた。
それに対抗するようにアンカーブルーイングのスチームビアを先駆けに、
様々な小規模醸造所が誕生している。
その数は2000以上といわれ、特に西海岸に集中している。
以下、アメリカの代表的な種類の一部を記述する。
◆エール(上面発酵)
上面発酵とは、発酵中に酵母が液面付近に集まり、
比較的高い温度で短期間に発酵が進むビールの製法。
フルーティーで香りが豊かになりやすいのが特徴。
・アメリカンスタイル・ペールエール
イギリス発祥のペールエールを、
柑橘系の香りがあるアメリカ産ホップで仕上げたもの。
イギリスのものよりも、色が薄く、
ホップ由来の苦味やフルーティーな香りが強い。
・アメリカンスタイル・IPA
アメリカ産ホップを大量に使用することで、
柑橘系の香りと苦味を強烈にしたもの。
クラフトビールブームで人気に。
◆ラガー(下面発酵)
・アメリカンラガー
他国のラガービールと比べて、色や味は薄めだが、炭酸が強い。
大手3社「バドワイザー」「クアーズ」「ミラー」の代表的なスタイル。
・スチームビア(カリフォルニアコモンビール)
下面発酵酵母を上面発酵に近い温度で発酵させる特殊な製法で造る。
開栓時に泡が蒸気のように噴き出すことからスチームビアと呼ばれる。
●禁酒法 [13年間の苦難]

一般的にいわれる禁酒時代は1920~1933年だが、背景としてはもっと深い。
1826年にボストンで全米禁酒促進協が結成された。
その後、様々な禁酒運動が行われ、
初の禁酒法が1846年にメイン州で制定された。
続く10年間でいくつかの州が追随した。
1920年に「ヴォルステッド法」によって、
連邦禁酒法がアメリカ全州に効力を持つようになった。
この法律では低アルコール飲料は許されていたため、
醸造所は法律限度内のきわめてアルコール含有の低い「ニアビール」を造るしかなかった。
しかし、酒類の密造、密輸、もぐり酒場がはびこり、
禁酒制度の反対運動は組織化の一途を辿った。
このような活動を受けて、1933年に国家的禁酒法が廃止となった。
ただし、州独自の禁酒を続けるかは各州に委ねられた。
禁酒法廃止により大手メーカーは世界的に活躍する大企業に成長した。
●あとがき
アメリカのビールの歴史は日本と大体同じくらいで、ヨーロッパに比べて浅い。
しかもアメリカと日本は大手ラガーが主流の環境も似ている。
アメリカのクラフトビールの浸透は半世紀を経て全土に広まり、
販売量の10%以上を占めるまで成長している。
日本では1994年の酒税法改正から約30年が経った現在、販売量の1%程度しか獲得できていない。
アメリカのようにこれからの日本の小規模醸造所の取り組みに期待したい。



