Public Relations

日本酒の種類とは?特定名称酒から生酒まで一覧で解説

HOME

文字数:約2000文字

 日本酒の種類は「純米」「吟醸」といったグレードだけではない。
原料、精米歩合、酒母、搾り方、火入れ回数、ろ過方法、熟成など、
複数の分類軸が存在する。

 ここでは、それらを横断的に整理し、
日本酒の種類を一覧で俯瞰できるようにまとめる。

日本酒各種
MLbayによるPixabayからの画像
G-ad

●日本酒の種類一覧(早見表)

種 類特 徴分 類
普通酒特定名称酒に該当しない一般的な清酒制度分類
純米酒米・米麹のみで造る日本酒特定名称酒
純米吟醸酒精米歩合60%以下の純米酒特定名称酒
純米大吟醸酒精米歩合50%以下の純米酒特定名称酒
吟醸酒精米歩合60%以下でアルコール添加あり特定名称酒
大吟醸酒精米歩合50%以下でアルコール添加あり特定名称酒
本醸造酒少量の醸造アルコールを添加した酒特定名称酒
特別純米酒特別な製法や基準を満たす純米酒特定名称酒
特別本醸造酒特別な基準を満たす本醸造酒特定名称酒
生酒火入れを一切行わない日本酒火入れ
生貯蔵酒出荷前に一度だけ火入れを行う酒火入れ
生詰め酒貯蔵前に一度火入れし出荷時は火入れしない酒火入れ
原酒加水せずアルコール度数を調整しない酒仕上げ
無濾過酒濾過を最小限または行わない酒仕上げ
無濾過生原酒無濾過・生・原酒を組み合わせた酒仕上げ
にごり酒米の固形分を残した白濁した酒仕上げ
おりがらみ澱を残したまま瓶詰めした酒仕上げ
発泡性日本酒炭酸ガスを含むスパークリングタイプ仕上げ
袋吊り圧力をかけず滴下させて搾る方法搾り
槽搾り(ふなしぼり)槽で圧力をかけて搾る伝統的手法搾り
薮田式(やぶたしき)機械で効率的に圧搾する方法搾り
あらばしり搾りの最初に出る部分搾り
中取り(中汲み)搾りの中盤の安定した部分搾り
責め搾りの最後に強く圧をかけた部分搾り
速醸(そくじょう)乳酸を添加して短期間で造る酒母酒母
山廃(やまはい)乳酸菌を自然に育てる酒母製法酒母
生酛(きもと)伝統的手法で乳酸菌を育てる酒母酒母
貴醸酒(きじょうしゅ)仕込み水の一部を日本酒に置き換えて仕込む酒特殊仕込み
ひやおろし夏を越して秋に出荷する熟成酒季節商品
新酒その酒造年度に仕込まれた新しい酒季節商品
古酒長期間熟成させた日本酒熟成

●分類ごとの整理

 米の品種と酵母を除いた、代表的なものだけでも以下の通りに分類される。

日本酒の分類図

 造り手は、こだわった部分、知ってほしい部分を表示しているので、
これらの情報をすべて開示されているわけではない。
表示されていない部分は大抵一般的な造り方をしている。

 日本酒の種類は同じレイヤーに並ぶ概念ではない。
制度上の区分と、製造工程の違いによる区分が混在している。
ここで分類軸ごとに整理する。

・制度による分類(特定名称酒)

 純米酒や吟醸酒などは、原料と精米歩合によって法律上定められた区分である。

詳しくは↓↓で解説。
日本酒の分類|特定名称酒とは?普通酒との違い・原料と精米歩合を解説

・酒母の違い

 山廃や生酛は、酒母造りの手法による分類である。
味わいに影響する重要工程である。

詳しくは↓↓で解説。
日本酒の分類|酒母とは?生酛・速醸・山廃の違いを解説

・搾り工程の違い

 袋吊り、あらばしり、中取りなどは上槽工程の違いによる区分である。

詳しくは↓↓で解説。
日本酒の分類|搾り(上槽)とは?種類と絞り方の違いを解説

・ろ過・仕上げの違い

 無濾過やおりがらみは、澱引きや濾過処理の違いによる区分である。

詳しくは↓↓で解説。
日本酒の分類|濾過とは?澱引きとの違いと方法を解説

・火入れ回数の違い

 生酒・生貯蔵酒・生詰め酒は、火入れの回数とタイミングで区分される。

詳しくは↓↓で解説。
日本酒の分類|火入れとは?生酒・生貯蔵酒・生詰め酒の違いを解説

・仕込み方法の違い

 貴醸酒は、留仕込みの水の一部を日本酒に置き換えて仕込む特殊な製法である。
糖分とアルコールが高まり、濃醇で甘味の強い味わいになりやすいのが特徴。

詳しくは↓↓で解説。
貴醸酒ランキング|清酒で仕込む日本酒のおすすめ銘柄④選

・熟成・季節による違い

 新酒、ひやおろし、古酒は、出荷時期や熟成期間による分類である。

関連記事 ↓

●日本酒の種類 まとめ

 日本酒の種類は単一の基準で分類されているわけではない。
制度分類、製造工程、仕上げ方法、熟成など、
複数の軸が重なり合って存在している。
本記事を入口として、各分類の詳細記事を参照すれば、
日本酒の構造を体系的に理解できるだろう。

●あとがき

 他のお酒に比べて工程数が多く、複雑なため、これほどの分類ができる。
美味しく、品質の良いものを造るために考え出されてきた結果である。
日本酒はまさに千差万別の言葉に相応しく、
これだけさまざまにあれば、好みのものが絶対に見つかる。
飲み尽くすことのできないほどの種類があるということは、贅沢な限りである。