ウイスキー蒸留所【スコットランド スカイ島】タリスカー

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文字数:約1100文字

 スコットランドの蒸留地域は、大きく6つに分けられる。
アイラ、アイランズ、キャンベルタウン、ローランド、ハイランド、スペイサイドである。
地域の環境や歴史から特徴が見えてくる。

●タリスカー

・基礎データ、場所

スカイ島地図
タリスカー蒸留所場所
  • 蒸溜所名:タリスカー蒸溜所
  • 英字:Talisker
  • 意味:ノース語(ヴァイキングの言葉)で「傾いの大岩」という意
  • 創業:1830年
  • 仕込み水:ホーク・ヒルの斜面を流れる川
  • 蒸留器:バジル型、ストレート型
  • 現所有者:ディアジオ社
  • 輸入元:MHD モエ ヘネシー ディアジオ(株)

 ヘブリディーズ諸島のスカイ島にある蒸溜所。
スカイ(Skye)とはノース語で「翼の形をした島」という意味であり、
海から眺めた島の形が、翼を広げた鳥のように見えることからきている。

 タリスカー蒸留所は、1960年に火災に遭い、建物が消失している。
アルコールついた火は、近隣の湖に流れ出し、まさに火の海状態だったという。
その後2年をかけて、蒸留所を再建し、火災前と全く同じ装置を揃えて、変わらぬ味を再現した。

タリスカー蒸留所
https://www.walesonline.co.uk/whats-on/travel/distillery-visits-give-whisky-fans-22184173

・特徴

・味わい

 一言でいうと、胡椒である。
スパイシーで、スモーキーで、その中に少し甘さがあり、刺激的な胡椒がある。
胡椒と、他の風味・味わいが、素晴らしいバランスで成り立っている。

・独特な蒸留器

 蒸留所によって蒸留器の形状はさまざまであるが、
タリスカー蒸留所の蒸留器はラインアームが特殊である。
初留釜のラインアームがU字型に曲げられている(一般的なものはまっすぐ)。
U字の底の部分から、重い成分が蒸留器本体に戻るようになっている。

蒸留器
U字型
https://skyedistillerytours.scot/distilleries/talisker-distillery/

 さらに、ラインアームの先につながる冷却装置では、
ワームタブという昔ながらの方式が使われている。
ワームタブは、銅製パイプが冷水で満たされた槽の中で
渦巻き状に巻かれていることからこう呼ばれる。
蒸気はパイプ内を通るときに、冷水に冷やされて液化する。
ワームタブ方式では、リッチでコクのある風味が得られる。
この蒸留器によって、タリスカーの個性的な味わいが生まれている。

 ちなみに冷却装置の現代の主流は、
シェル・アンド・チューブ・コンデンサー(管状コンデンサー)方式である。
この方式は、垂直に並んだ銅製の管の中に冷水を流し、周囲の蒸気を冷やす仕組みである。
管の数を増やすことで、蒸気が触れる表面積を増やして急速に液化させることができる。
この方式では、ライトですっきりした風味になる。

●あとがき

 スコッチの中でも、ピートやヨードとは違った個性がタリスカーにはある。
しっかりとして個性は印象に残りやすく、ふとした瞬間に想起されやすい。
食事をしているときに、これはタリスカーに合いそうだと思ってしまうことがある。
この素晴らしい個性が、タリスカーが世界中で熱狂的なファンがいる理由であろう。

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