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図解■ ウイスキーの輸出入量【日本】『韓国への輸出が13年連続で増加中』

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文字数:約2700文字

 2025年はアメリカの関税政策によって、世界中が混乱している。
混乱前の2024年までのウイスキーの輸出入データをまとめた。
日本のウイスキー貿易がどうなっているのか見てみよう。

 データは財務省貿易統計をもとにした。

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●ウイスキーの輸出入量

ウイスキーの輸出入量グラフ

 2000年から2024年までのウイスキーの輸出入量データである。
上部が輸出量、下部が輸入量である。

 輸入量のほうが多いことが一目瞭然でわかる。
2024年は輸出量も輸入量も、前年よりも減少している

 輸出量と輸入量をそれぞれ詳しく見てみよう。

・ウイスキーの輸出量推移

ウイスキーの輸出量グラフ

 1988年からの輸出量推移である。
1990年代末期に輸出量が急増している。
これは台湾やタイでジャパニーズウイスキーが人気となった。
数年間人気が続き、そして収束した。

 そして2007年まで輸出量は減少を続ける。
2008年からは徐々に輸出量が増えはじめ、
2022年は過去最高の1.4万kLまで増加した。

 しかし2023年、2024年と2年連続で減少する。
この減少からウイスキーブームの終わりを口にする人もいる。
実際はどうなのだろうか。

・ウイスキーの輸入量推移

ウイスキーの輸入量グラフ

 1988年からの輸入量推移である。
1989年に7.7万kLの輸入量が過去最高である。
その後減少に転じて、ハイボールブームなどで再燃するが、
2008年に1.6万kLまで減少し、過去最低を記録する。

 2009年から少しずつではあるが、輸入量が回復し始める。
2023年には過去三番目に多い7.1万kLまで増加し、
このまま過去最高を超える勢いかと思われたが、2024年は微減する。
この減少は一時的なものなのか、ブーム終焉の前触れなのか。

●ウイスキーの輸出入額

ウイスキーの輸出入額グラフ

 ウイスキーの輸出入額も見てみよう。
2000年からの輸出入額のグラフである。
上部が輸出額、下部が輸入額である。

 輸出入量では圧倒的に輸入量が多かったが、
輸出入額では近年の輸出額の増加によって、
差は縮まりつつある。

しかし、輸入額は増加し続けているが、
輸出額は2年連続で減少している。
このことによりまた差は開き始めている。

●ウイスキーの輸出先、輸入元

 2024年の輸出先と輸入元をみてみよう。

・ウイスキーの輸出先【2024

ウイスキーの輸出先地図
ウイスキーの輸出先グラフ

 2024年のウイスキー輸出先TOP10のグラフである。
1位はアメリカで全体の2割を占める。
アメリカは2018年から7年連続で輸出先1位である。

 2位は韓国で17%を占める
ここ数年で韓国への輸出量は大幅に増加しており、
2023年の4位から中国、フランスを抜いて、
一気に1位に迫る勢いである。

 3位はフランスで14%を占める。
以前はフランスが輸出先1位の時期もあったが、
アメリカに抜かれ、韓国にも抜かれてしまった。
ここまでのTOP3で全体の5割を占めている

 4位は中国で9%を占める。
前年は3位だったが、韓国に抜かれて順位を下げる。

 そして5位台湾8%、6位オランダ8%、7位シンガポール5%、
8位オーストラリア3%、9位タイ2%、10位カナダ2%。
ここまでのTOP10で全体の9割弱を占める。

 アジア圏が5カ国、欧州が2カ国、米州、豪州、加州が1ずつ。
アジア圏への輸出が多いことがわかる。
ちなみに次点は香港である。

 TOP20の輸出量、輸出額、1L当たりの金額を表にまとめた。

ウイスキーの輸出表

 1L当たりの金額が大きいということは、
高級志向だということである。
中国、オランダ、シンガポール、香港が当てはまる。

 ベトナムは1L当たりの金額が高すぎる
前年もベトナムは群を抜いて高かった。
突発的なことなのか、超高級志向なのか、継続して注目しよう。

・ウイスキーの輸入元【2024

ウイスキーの輸入元グラフ

 2024年のウイスキー輸入元TOP5のグラフである。
ウイスキー輸入元1位はイギリスである。
スコッチを有するイギリスがダントツで5割を占めている。

 バーボンの国アメリカが2位である。
アメリカは全体の4分の1を占める
バーボン人気は健在である。

 3位はカナダで15%を占める。
カナディアンはスコッチやバーボンに比べる、
輸入されている銘柄が圧倒的に少ない。
今後はもっと多くの銘柄を目にする機会が増えると有り難い。

 TOP3だけで95%を占めている。
4位のアイルランドは3%、5位のスペインは1%である。

 TOP20の輸入量、輸入額、1L当たりの金額を表にまとめた。

ウイスキーの輸入表

 下位の国のほうが1L当たりの金額が大きいのは量が少ないからである。
一般的に量が増えると金額は下がる。

 8位の台湾のカバランは高級路線だが、人気も高い。
日本でもカバランの認知度は高まるいっぽうである。

 15位のイスラエルはM&Hが主だろう。
M&Hのラインナップも増えて、ますます人気が高まっている。

●国別 ウイスキーの輸出量推移

ウイスキーの輸出量 国別グラフ

 1990年から2010年くらいまで、
日本のウイスキー輸出先はほとんどがアジア圏だった。
特に1990年代中頃から台湾への輸出が急拡大する。

 2010年頃からフランスへの輸出が増え始める。
少し遅れてアメリカへの輸出も増え始める。

 グラフの範囲を直近10年に絞って見てみよう。

ウイスキーの輸出量 国別10年グラフ

 アメリカ、フランス、中国が2年連続で大幅に減少している。
この3カ国の減少が輸出量全体の減少に大きく影響している。

 逆に大きく増加しているのが韓国である。
韓国への輸出は2012年から13年連続で増え続けている。

・輸出先TOP20の増減率

ウイスキーの輸出表 国別

 アメリカは-21.8%、フランスは-28.7%、中国は-31.3%ある。
お得意様の大幅減少はかなり厳しい。
パンデミック前の水準まで戻ってしまった状態である。

 韓国は51.7%という力強い増加をみせる。
5割以上の増加は3年連続である。
このまま増加が続けば、首位のアメリカを抜いてトップになる可能性もある。

・韓国へのウイスキー輸出量と輸出額

ウイスキーの輸出量と額 韓国グラフ

 13年連続で増加している韓国への輸出量と輸出額をみてみよう。
2022年から急激に増加していることがわかる。
この年は韓国の政権が変わった時期である。

 日韓関係が改善すると、両国の貿易が活発化するということである。
韓国へのウイスキー輸出が今後も伸びるためには、
日韓関係が良好であることが大前提である。

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●あとがき

 前年に比べて2024年は輸出量、輸出額、輸入量が減少している。
唯一増加したのが輸入額である。
これは何を意味するのだろうか。
関税の影響?為替の影響?高級化?新規ブランド増加?
もっと深く調査してみてもおもしろいかもしれない。
2025年はアメリカの関税政策の影響がどのように表れるだろうか。