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乾杯ひとつで世界が広がる|世界の『乾杯!』の言葉

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文字数:約3300文字

 居酒屋でもバーでも、グラスを掲げる瞬間に自然と出てくる言葉がある。
日本なら Kanpai。ほんの一言だが、その場の空気を和らげ、
知らない人同士でも同じ時間を共有している気持ちにさせてくれる。

 この「乾杯」は、世界中にある文化でもある。
英語では Cheers、フランスでは Santé、ドイツでは Prost。
言葉は違っても、杯を掲げて互いの健康や幸せを願う気持ちはよく似ている。

 最近は日本を訪れる観光客も増え、
街のバーや居酒屋で海外の人と隣り合うことも珍しくない。
そんなとき、相手の国の言葉でひと言「乾杯」と言えたら、
その一杯はきっと少し特別なものになる。

 ここでは、世界で使われている乾杯の言葉を紹介しながら、
酒文化やちょっとしたマナーもあわせて見ていく。
乾杯ひとつで、世界は少し広がる

ビールで乾杯
NIRV VANAによるPixabayからの画像
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●世界では何と言って乾杯する?

 国が変われば、乾杯の言葉も変わる。
もっとも、実際に使われている言葉はそれほど難しいものではない。

  • 英語圏 :Cheers(チアーズ)
  • フランス:Santé(サンテ)
  • ドイツ :Prost(プロースト)
  • スペイン:Salud(サルー)
  • イタリア:Salute(サルーテ)

 どれも短く覚えやすい言葉ばかりである。
海外旅行の酒場でも、日本の居酒屋で隣り合った観光客とでも、
ひと言添えるだけで場の距離はぐっと縮まる
まずは代表的な乾杯の言葉を見ていこう。

●乾杯の言葉の多くは「健康」を意味する

ワインで乾杯
3D Animation Production CompanyによるPixabayからの画像

 世界の乾杯の言葉を見ていくと、ある共通点に気づく。
多くの国で、乾杯の言葉は「健康」を願う意味を持っている。

 例えば次のような言葉である。

  • Santé(フランス)
     「健康」を意味する言葉。
  • Salud(スペイン)
     こちらも意味は「健康」。
  • Slàinte mhath(スコットランド)
     「よい健康を」という意味。
  • Prost(ドイツ)
     ラテン語の「prosit(うまくいきますように)」に由来するとされる。

 祝いの席でも日常の一杯でも、乾杯は相手の幸運や無事を願う行為でもある。
言葉は違っても、「健康を祈る」という気持ちは世界で共通している

●お酒によっても乾杯の言葉は変わる

ウォッカで乾杯
Kiril UkrによるPixabayからの画像

 乾杯の言葉は国ごとに違うが、
お酒の種類によって印象的な言葉が結びついていることも多い。
酒文化と一緒に覚えておくと、バーや居酒屋で話題になることもある。

 代表的な例をいくつか挙げてみよう。

  • テキーラ(メキシコ)
     乾杯は Salud(サルー)。
     スペイン語で「健康」を意味する言葉で、テキーラのショットでもよく使われる。
  • スコッチウイスキー(スコットランド)
     Slàinte mhath(スランジ・ヴァー)。
     ゲール語で「よい健康を」という意味。ウイスキーの席でよく聞く乾杯。
  • ドイツビール
     Prost(プロースト)。
     ビアホールではジョッキを掲げて声をそろえる光景が定番。
     オクトーバーフェストで演奏される
     「Ein Prosit(アイン・プロージット)」の「Prosit」は
     やや古風で、儀礼的な表現。
  • マッコリ(韓国)
     Geonbae(コンベ)。
     韓国の食事ではお酒の種類に関わらず使われる基本の乾杯。
  • ウォッカ(ロシア)
     Na zdorovye(ナ・ズダローヴィエ)。
     「健康のために」という意味で、ウォッカの乾杯としてよく知られる言葉。
  • 白酒(パイチュウ:中国の蒸留酒)
     Ganbei(ガンベイ)。
     「杯を干す」という意味で、白酒の席では力強く言われることが多い。

 同じ乾杯でも、どんなお酒を飲んでいるかで場の雰囲気は変わる。
お酒の背景と一緒に言葉を知ると、その一杯が少し面白く感じられる。

●世界のちょっと面白い乾杯マナー

シャンパンで乾杯
Bastian RiccardiによるPixabayからの画像

 乾杯の言葉だけでなく、作法にも国ごとの違いがある
知っておくと海外でお酒を飲むときに役立つこともあるし、
文化の違いとしても興味深い。

 代表的な例を紹介しよう。

  • ドイツ
     乾杯のときは相手の目を見るのが礼儀とされる。
     言葉は Prost(プロースト)。
  • フランス
     グラスを軽く合わせてから飲むのが一般的。
     乾杯の言葉は Santé(サンテ)。
     カジュアルにはTchin-tchin(チンチン)を使う。
  • 韓国
     年長者の前では顔を少し横に向けて飲むのがマナー。
     乾杯は Geonbae(コンベ)。
  • 中国
     乾杯では相手よりグラスを低く持つのが礼儀とされることがある。
     言葉は Ganbei(ガンベイ)。

 言葉は同じでも、作法は国によって少しずつ違う。
そんな違いを知るのも、世界のお酒の席の楽しみの一つである。

●乾杯の言葉の語源

トースト
congerdesignによるPixabayからの画像

 英語では乾杯のことを「Toast」と呼ぶ。
この言葉は現在「乾杯」や「祝辞」という意味で使われているが、
もともとは食べ物のトースト、つまり焼いたパンを指す言葉だった。

 17世紀頃のイギリスでは、
ワインの香りづけとして焼いたパンを杯に入れる習慣があった。
宴席では、その杯を誰かに捧げて飲むことがあり、
やがて「toast」という言葉が「乾杯の祝辞」を意味するようになったとされる。

 一方、グラスを合わせるときの掛け声として広く使われているのが「Cheers」。
これは「喜び」や「感謝」を意味する言葉から生まれた表現で、
英語圏では最も一般的な乾杯の言葉である。

 こうして見てみると、乾杯の言葉にもそれぞれの歴史がある。
言葉の背景を知ると、いつもの一杯も少し違って感じられるだろう。

●乾杯の起源は毒見?神への儀式?語られている3つの説

 乾杯がいつ始まったのかははっきりしておらず、
いくつかの説が知られている。
代表的な3つを紹介しよう。

①毒見を避けるための説

液滴
Myriams-FotosによるPixabayからの画像

 古代や中世では、宴席で毒殺が行われることもあったといわれる。
そのため、互いの杯を強くぶつけて中身を混ぜ
「毒を入れていない」ことを示したという説である。
この説ではグラスを合わせる行為そのものが、
安全の証明という意味を持っていたとされる。

②音で五感を満たす説

音
Andrea ☕😘によるPixabayからの画像

 古代ギリシャやローマの宴では、
食事やお酒を楽しむときに五感を満たすことが重要視されたという考え方もある。
香りや味、見た目に加えて、
杯が触れ合う音を加えることで、感覚をすべて満たすという発想である。

③神への捧げものの儀式説

儀式
Manfred Antranias ZimmerによるPixabayからの画像

 古代では、お酒を地面に少し注いで神に捧げる習慣があった。
これは「献酒」と呼ばれる儀礼である。
宴席の始まりに杯を掲げる行為は、
こうした宗教的儀式が形を変えて残ったものだとする説もある。

 このように、乾杯の起源には複数の説が存在する。
現在のように気軽に行われる乾杯も、もともとは宗教や安全確認、
社交儀礼などさまざまな背景を持つ行為であったと考えられている。

●世界の乾杯の言葉一覧

 代表的な乾杯の言葉をまとめた一覧である。
国によって言葉も発音も大きく異なるが、
どれもお酒の席を盛り上げる合図として使われている表現である。

国・地域乾杯の言葉発音
英語圏
アメリカ
イギリス
Cheersチアーズ
ドイツProstプロースト
オランダProostプロースト
フランスSantéサンテ
イタリアSaluteサルーテ
スペイン
メキシコ
Saludサルー
ポルトガル
ブラジル
Saúdeサウーヂ
スウェーデン
ノルウェー
デンマーク
Skålスコール
フィンランドKippisキッピス
ウクライナБудьмоブゥドゥモ
チェコNa zdraviナ・ズドロヴィ
ポーランドNa zdrowieナ・ズドロヴィエ
ロシアNa zdorovieナ・ズダローヴィエ
ギリシャYamasヤマス
トルコŞerefeシェレフェ
中国Ganbeiガンベイ
韓国Geonbaeコンベ
日本Kanpaiカンパイ
インドCheersチアーズ
タイChok deeチョークディー
ベトナムMột hai ba dôモッ ハイ バー ヨー
フィリピンTagayタガイ

●あとがき

 お酒を誰かと飲むことは楽しい。
「乾杯」の言葉を知るのは、そのきっかけとして最適である。
現代は翻訳もスマホで簡単にできる。
言葉の壁はなくなりつつある。
色んな国の人と話しをすることで多様な価値観を知り、
興味を広げ、刺激を得ることは人生を豊かにするだろう。