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世界のワイン生産量と消費量をまとめた。
日本でよく聞く○○産ワインの生産量はどのくらいなのか。
もっともワインを飲んでいる国はどこのか。
グラフ化しているので視覚的に理解しやすいだろう。
データは、国際ブドウ・ワイン機構
(OIV:International Organisation of Vine and Wine)のものを基にした。
●世界のワイン生産量と消費量
まずは世界のワイン生産量と消費量を紹介しよう。
・世界のワイン生産量と消費量 推移

生産量も消費量もこの30年でもっとも低い水準にある。
生産量はここまで落ちているのは気候変動や異常気象が影響している。
特に生産量が多い地域であるヨーロッパのブドウ栽培が深刻である。
もう今まで通りの栽培では難しい局面にあるのかもしれない。
消費量は4年連続で下がり続けている。
その背景として、世界的な健康志向によるアルコール離れや、
物価高の影響が考えられる。
消費(需要)が減れば、生産(供給)を減らすのが経済原則である。
今後は生産量を減らす要因がさらに一つ加わるかもしれない。
●地域別 ワインの生産量と消費量
ここからは地域別にデータを見ていこう。
・地域別ワインの生産量と消費量


2025年のデータを地図上にあらわしたものと、
割合を示したグラフである。
2025年の総生産量は226,706[1000hl](≒2,267万kl)、
総消費量は208,000[1000hl](≒2,080万kl)である。
生産量はヨーロッパが2/3を占め、アメリカが2割、
オセアニア7%、アフリカ5%、アジア3%の割合である。
欧米だけで85%以上を生産している。
消費量でもヨーロッパが2/3を占め、アメリカが1/4、
アジア5%、オセアニア3%、アフリカ2%の割合である。
全体の9割を欧米で消費していることがわかる。
・地域別のワイン生産量と消費量 推移

1995年から2025年の地域別生産量グラフである。
どの地域もピークからは減少しているが、特にアジアが顕著である。
その原因は中国である。
中国が生産量を大幅に減らしていることが影響している。

こちらは地域別の消費量グラフである。
ワインの本場であるヨーロッパの減少が止まらない。
アメリカもピークを過ぎて減少傾向にある。
オセアニアは高い位置をキープしている。
アフリカは変動が激しい。
アジアは中国の影響で急減少がまだ続いている。
●国別 ワインの生産量と消費量
ここからは国別のデータである。
・国別 ワインの生産量と消費量ランキング2025

2025年の生産量1位はイタリアである。
2位はフランス、3位はスペイン。
TOP3はヨーロッパ勢が占める。
4位はアメリカ、5位はオーストラリアである。
2025年の消費量1位はアメリカである。
ヨーロッパの国々よりもアメリカはワインを消費している。
2位はフランス、3位はイタリア、4位はドイツである。
5位はイギリスで、ヨーロッパ勢の強さは健在である。
15歳以上の一人当たり消費量は2024年のデータである。
1位はポルトガル、2位はイタリア、3位はフランス、
4位はスイス、5位はオーストリア。
TOP5をヨーロッパ勢が独占である。
データは当年の消費量が200万hl以上の国に限られる。
消費量の少ない国を含めると順位が大きく変わることを付け加えておこう。
・国別ワイン生産量2025年

2025年のワイン生産量内訳である。
イタリアが20%、フランスが16%、スペインが13%を占め、
上位欧州3国でだいたい世界の半分を生産している。
次いでアメリカが9%、オーストラリアが5%、アルゼンチンが5%、
南アフリカが5%、チリ4%、ドイツ3%、ポルトガル3%。
ここまでのTOP10で約8割の生産量である。
・国別ワイン生産量 推移

国別の生産量推移のグラフである。
イタリアとフランスが首位を争っているのがわかる。
少し下にスペインが控えており、さらに下にアメリカが続く。
5番手以降は混戦状態である。
以前中国は生産量上位に食い込むこともあったが、
現在は生産量を大きく落としていることがわかるだろう。
・国別ワイン消費量2025年

2025年のワイン消費量内訳である。
アメリカが15%で欧州勢を抑えて首位である。
フランスは11%、イタリアは10%、ドイツは9%、
イギリス6%、スペイン4%、ロシア4%、アルゼンチン4%、
ポルトガル3%、オーストラリア3%。
ここまでのTOP10で7割弱の消費量を占める。
・国別ワイン消費量 推移

国別のワイン消費量推移のグラフである。
アメリカが単独首位で高い消費量をキープしている。
フランス、イタリアが急激に消費量を落としつつも2位を争っている。
そのすぐ下のドイツは微減である。
イギリスは生産量は少ないが消費量が多く、横ばいを続けている。
逆にスペインは生産量は多いが消費量はそれほど多くない。
パット見た感じではTOP10で消費量が増えている国はない。
一時期急増していた中国は減少も急である。
・ワインの生産量と消費量2025 分布図

縦軸に生産量、横軸に消費量をとった分布図である。
生産量、消費量ともに上位にあるのが、どこに国なのか一目でわかる。
特にイタリア、フランス、アメリカは突出している。
つまりこの三カ国がワインの生産量と消費量を、
大きく引っ張っていると言えるのである。
●1人当たりのワイン消費量ランキング2024(15歳以上)
1人当たりのワイン消費量ランキングを詳しく見てみよう。
2024年のデータである。
国によって法律が違うため一律15歳以上となっている。
また、データは当年の消費量が200万hl以上の国に限られる。
消費量の少ない国を含めると順位が大きく変わる。
| 順位 | 国 | 消費量[L] |
|---|---|---|
| 1位 | ポルトガル | 61.1 |
| 2位 | イタリア | 42.7 |
| 3位 | フランス | 41.5 |
| 4位 | スイス | 29.7 |
| 5位 | オーストリア | 28.6 |
| 6位 | オーストラリア | 24.5 |
| 7位 | ドイツ | 24.5 |
| 8位 | ハンガリー | 24.4 |
| 9位 | スペイン | 23.8 |
| 10位 | イギリス | 22.3 |
1位はダントツでポルトガルである。
イタリアとフランスは僅差で2位を争っている。
少し差がひらいてスイス、オーストリアが続く。
TOP10の中で6位のオーストラリアが唯一の欧州外である。
次点の11位はアルゼンチンで21.6Lである。
消費大国のアメリカが15位で11.8L。
ちなみに日本は2.8Lである。
●あとがき
ワインの生産量も消費量も厳しい時代を向えている。
今後の伸びしろはあるのだろうか、注目したい。
それにしてもなぜポルトガル人はこんなにもワインを飲むのだろうか。
隣国のスペインとは2.5倍以上の差がある。
スペインはシドラ(シードル:アップルワイン)に分散されるのだろうか。
ポルトガルはポートもマデイラもあるが、やはりこれらもワインである。
生産量と消費量がほとんど同じなことは地産地消ということかもしれない。
ポルトガルのワイン事情はとても興味深い。

